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オシャレなコンクリート打ちっぱなし住宅は、見た目だけでなくメリットも満載?

スタイリッシュな印象のあるコンクリート打ちっぱなし住宅。見た目の良さにばかり目線がいきがちですが、実はさまざまな面でメリットがあります。どんな点が優れているのか、またメンテナンス方法について詳しく解説します。

コンクリート打ちっぱなしとは?

コンクリート打ちっぱなしと聞いて、イメージはできるものの、どうやって造るのかはよく知らないという人もいらっしゃることでしょう。まずはコンクリート打ちっぱなし住宅の建て方からご紹介します。

コンクリート打ちっぱなしとはどんな工法?

コンクリート打ちっぱなしとは、型枠にコンクリートを流し込み、乾燥させた後に型枠を外しただけの状態をいいます。基本的に、建物の構造がRC(鉄筋コンクリート造)またはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)の場合にのみ選択できる仕上げ方法です。

一般的には、コンクリートの上から塗装をしたり、タイルや壁紙を貼ったりして仕上げます。コンクリート打ちっぱなしは、そういった仕上げをせず、コンクリートの躯体をそのまま見せた状態で完成となります。

コンクリート打ちっぱなし住宅には、外壁と内壁の両方が打ちっぱなし、外壁のみコンクリート打ちっぱなし、内壁のみコンクリート打ちっぱなしの3種類があります。

コンクリート打ちっぱなしの仕上げ工法

先ほど、コンクリート打ちっぱなしとは「型枠を外しただけの状態で完成」と説明しましたが、実は多くの建造物で、さらに仕上げ加工が行われています。

コンクリートは水を吸いやすい材質のため、型枠を外しただけの状態だと雨染みや変色のリスクがあります。そのため、通常は外壁に撥水剤を塗布して耐水性を向上させているのです。

撥水剤は無色透明なので、塗布してもコンクリートの色や質感を損なうことはありません。ただし、撥水剤の効果は5年程度で失われてしまうので、定期的に撥水剤を塗布し直す必要があります。

コンクリート打ちっぱなし住宅のメリット

コンクリート打ちっぱなし住宅には、さまざまなメリットがあります。ここで改めてひとつひとつ見ていきましょう。

スタイリッシュで都会的なデザイン性

コンクリートの質感を活かした打ちっぱなし住宅は、クールでスタイリッシュな印象になります。金属やガラスブロックといった無機質な素材と組み合わせて、個性を出すことも可能です。

また、コンクリートは造形の自由度が高く、曲線の壁なども簡単に造れます。そういったデザイン性の高さも、コンクリート打ちっぱなし住宅の魅力のひとつです。

意外に思うかもしれませんが、コンクリートは畳や木といった和風の建材ともよく合います。和室をコンクリート打ちっぱなしの内壁にすると、都会的な和モダンの空間となることでしょう。

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木造住宅より強度が高い

コンクリートは非常に強度の高い素材です。コンクリート打ちっぱなし住宅は、壁全体がその強度の高い素材でできているので、耐震性も非常に高くなっています

万が一大地震などが起こった際にも、すぐに崩れる心配がありません。そのため地震保険の加入料も、木造住宅より安く設定されています。

また、コンクリート打ちっぱなし住宅は、壁自体の強度が高いため木造住宅より柱の数を減らすことができます。そのため広いリビングなど大きな空間を造るのにも向いています。

関連記事:地震に強い家を建てたい! では地震に強い家の特徴とは?

防音性に優れている

コンクリートは木よりも比重が高いため、音を通しにくいという性質を持っています。コンクリート打ちっぱなし住宅は、周囲の騒音が聞こえにくく、室内の音も漏れにくいのです。

交通量の多い道沿いでも、コンクリート打ちっぱなし住宅なら車の走行音に悩まされることなく落ち着いた生活ができることでしょう。生活音も漏れにくいので、周囲を気にすることなく過ごせます。

コンクリートの遮音性を活かして、シアタールームや楽器の練習室を造るのもいいでしょう。また、壁に何かをぶつけた時の衝撃音も、コンクリート打ちっぱなし住宅ならほとんど伝わりません。

耐火性に優れている

コンクリートは耐火性に優れており、1000度の熱に2時間さらされていても燃えることがありません。万が一火事が起こった際も、ボヤで消し止められる可能性が高い、逃げる時間が確保できるといったメリットがあります。

住宅密集地では、近隣で火事が起こると次々に延焼してしまうことがあります。しかしコンクリート打ちっぱなし住宅なら、近隣からのもらい火事のリスクが大きく引き下げられます。

そのため火災保険の加入料も、木造住宅より安く設定されています。保険料というランニングコストの低さも、コンクリート打ちっぱなし住宅の利点のひとつでしょう。

コンクリート打ちっぱなし住宅にもデメリットがある

さまざまなメリットがあるコンクリート打ちっぱなし住宅ですが、もちろんデメリットもあります。ここでコンクリート打ちっぱなし住宅のデメリットを見てみましょう。

木造住宅より建築コストがかかりがち

コンクリート打ちっぱなし住宅は、木造建築よりも建築費が高いといっていいでしょう。木造住宅の建築費は、平均すると坪単価60万円前後ですが、コンクリート造は安くても坪単価100万円程度はかかってしまいます。

さらにコンクリート造は、木造住宅よりも工期が長くなる傾向があります。コンクリート打ちっぱなし住宅を建てるなら、半年以上は見積もっておいたほうがいいでしょう。

コンクリートは重量があるため、まずしっかりとした基礎工事が必要になります。コンクリートを流し込む型枠も、既存のものではなくオリジナルデザインにすると、それだけ加工に時間がかかります。

コンクリートは、型枠に流し込んでから乾燥して固まるまでの時間も考えなければいけません。そのため工期が長くなってしまうのです。

建築会社の熟練度によって仕上がりが変わってくる

一般的なコンクリート造の建物は、最終的にタイルや塗装で仕上げ加工をするため、コンクリート自体の表面はそれほど美しさを求められません。しかし打ちっぱなしにすると、コンクリートの表面が誰の目にもはっきりと見えてしまいます。

コンクリート造には、コンクリートの準備、流し込み、振動を与えて引き締める「締め固め」、固まるまで適切な温度と湿度に保つ「養生」といった工程があります。表面を美しく仕上げるためには、その各工程で細かな調整や技術が必要になるのです。

コンクリートの打設は、基本的にやり直しが効きません。コンクリート打ちっぱなし住宅を建てるなら、経験や実績が豊富な建築会社を選びましょう

外気の影響を受けやすい

コンクリートは木材に比べると、熱伝導率が非常に高くなっています。そのため外気の影響を受けやすいという性質があります。

またコンクリート打ちっぱなし住宅は、木造建築のように壁の内部に断熱材を仕込むことができません。そのため、夏は室内が暑くなりやすく、冬は冷え込むというデメリットがあります。

さらに、コンクリート造の建物は壁が厚いので熱容量も大きく、一度温まってしまうと熱をため込んでなかなか冷えてくれません。すると、夏は冷房をつけても冷えにくい、冬は部屋が暖まりにくいのです。

コンクリート打ちっぱなし住宅で快適な温度を保つには、どうしても光熱費が高くなりやすくなります。それを避けるためには、打ちっぱなしの風合いはなくなりますが、内壁に断熱材を吹き付けて下地材を張り、クロスや塗装で仕上げるといった対策が必要です。

結露やカビが発生しやすい

コンクリート打ちっぱなし住宅には、結露やカビが発生しやすいというデメリットがあります。その原因は、コンクリートの熱伝導率の高さと、密閉性の高さです。

結露は、壁の温度が低く、室内の空気が暖かい場合に発生しやすくなります。さらに、結露を放置しておくとカビが生えてきて、カビを餌にするダニも繁殖してしまいます。

コンクリート打ちっぱなし住宅での結露対策で、一番重要なのは除湿です。除湿器を使って室内の湿度を下げる、まめに換気をするといった方法で、結露を発生させないようにしましょう。

また、コンクリートの風合いを損なわず、人体には影響のない防カビ塗料も発売されています。定期的に防カビ塗料を塗布して、カビの発生を防ぐのもいいでしょう。

汚れがつきやすい

コンクリートは水分を吸収しやすい性質があるといいました。実はそのため、汚れがつきやすく、ついた汚れが落ちにくいという欠点があります。

コンクリート打ちっぱなし住宅の外壁は、つねに風雨にさらされています。排気ガスやホコリを含んだ雨がコンクリートに染みこむと、シミや変色の原因になってしまいます。

一度シミや変色が起こってしまうと、元通りにするのはなかなか困難です。定期的にメンテナンスを行い、撥水剤を塗布するといった対策をとって、コンクリートの美しい風合いを保ちましょう

コンクリート打ちっぱなし住宅のメンテナンス

コンクリートは非常に強度の高い素材ですが、つねに風雨や紫外線に晒されていれば次第に劣化していきます。コンクリート打ちっぱなし住宅を長くきれいに保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。ここで代表的なメンテナンスを3つ紹介しましょう。

外壁洗浄

外壁洗浄は、高圧力の水を吹き付けて、コンクリート表面についた汚れを吹き飛ばす清掃方法です。水道水を使った高圧洗浄と、コケやカビを除去するバイオ洗浄の2種類があります。

軽度のシミや変色は、水道水の高圧洗浄で洗い流せます。コケやカビなどが発生していた場合には、特殊な洗剤を浸透させて洗い流すバイオ洗浄がおすすめです。

ただし、バイオ洗浄に使う薬剤には、カビの菌糸やコケの根を分解する成分が含まれています。花壇や家庭菜園などがある場合は、事前に洗浄業者と相談をして、洗浄剤の種類を変える、汚れのひどい部分のみに洗浄剤を使うといった対策をとりましょう。

外壁洗浄は、おおよそ5年に1度の割合で行うことをおすすめします。また洗浄の後は、再び雨が染み込まないよう、撥水剤を塗布しておきましょう。

ひび割れ補修

コンクリートは非常に強度の高い素材ですが、引っ張る力には弱いという特徴を持っています。そのため時間が経つと、コンクリート自体が乾燥して収縮することでひび割れが起きてしまいます。

乾燥が原因の収縮は、強度に大きな影響を与えるものではありません。しかし、ひび割れが起こると見た目があまりよくない上に、ひびから雨水が染み込んでしまうので、ひび割れを見つけたらすぐに補修したいものです。

ひび割れの補修方法として一般的なのは、「フィラー刷り込み」です。フィラーとは「詰め物」という意味で、モルタルやエポキシ樹脂などを使ってひびを埋めていきます。

今はさまざまなひび割れ補修剤が市販されています。器用な人ならば、見た目も美しく補修することができるでしょう。

しかし、軽度なひびなのか、コンクリートの強度に影響を与えるような深刻なものなのかは、素人目ではなかなか判断がつきません。ひび割れを見つけたら、できれば専門業者に依頼して補修してもらうのが賢明です。

壁面塗装

コンクリート打ちっぱなし住宅では、経年劣化で外壁にシミや変化が起こることがあります。軽度のシミや変色なら外壁洗浄で落とせますが、完全に色が染みついてしまうと洗い流すのが難しくなります。

そんな時に行うのが壁面塗装です。壁面塗装にもさまざまな方法がありますが、主流となっているのは、コンクリートの風合いを損なわないカラークリア工法です。

カラークリア工法では、耐候性が高く無色透明なクリア塗料に着色剤を混ぜて、外壁に塗布します。コンクリートの質感を残したまま、シミや黒ずみ、ひび割れ補修の跡などが隠せるので、新築時のような外観が取り戻せます。

クリア塗料の耐久年数は成分によって異なり、5~15年程度となっています。またクリア塗料を塗布することで、撥水剤を使わなくても防水効果が期待できます。

まとめ

コンクリート打ちっぱなし住宅には、耐震・耐火・防音などさまざまなメリットがあります。反面、建築コストがかかる、夏は暑く冬は寒くなりやすいといったデメリットもあります。快適に暮らすためには、断熱に気を配る、定期的なメンテナンスを行うといった対策が必要になります。

タクトブログ編集部
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