新築住宅の間取りを考えるとき、家事動線や効率的に家事ができることを意識する方は多いでしょう。そんなときは、ランドリールームを設置するのがおすすめです。
本記事ではランドリールームの概要とメリット・デメリット、またランドリールームを設置する間取り例などご紹介します。
Contents
ランドリールームとは
近年、取り入れる住宅が増えているスペースである「ランドリールーム」。
ランドリールームがあることで、効率よく家事を進められるようになると注目されています。
ランドリールームとは
ランドリールームとは、洗濯に関する一連の家事がすべてできる部屋のことを言います。
単に洗濯機を設置して洗うだけ、もしくは室内乾燥機があって干すだけというスペースではありません。
洗濯機で洗うのはもちろん、干す・アイロンがけ・たたむ・収納のすべてが一部屋で完結できるのです。
一般的には、次のような設備が設置されます。
- 洗濯機・乾燥機
- 物干し
- アイロンや洗濯物をたたむ作業台
- 収納
- 予洗い用の洗面所
サンルームとの違い
屋内で洗濯物を干すスペースとして、サンルームをイメージする人もいるでしょう。
サンルームとは、屋根や壁をガラス張りにすることや大きな窓を設けることで、太陽の光を多く取り入れられる部屋のことを言います。
サンルームは洗濯物を干す場所として活用している方も多いですが、基本的に洗濯を干すためだけの部屋ではありません。
温室のように植物を育てる場や子供の遊びスペース・太陽の光を楽しむ場など利用方法は様々です。
また、サンルームの場合、洗濯物を干すことはできても、洗濯機を置くスペースや室内乾燥に対応した設備が無いというケースがほとんどでしょう。
一方、ランドリールームは洗濯関連の家事に特化した部屋です。
洗濯機を置き、室内乾燥に適した設備・収納棚や作業台など、ランドリールーム内ですべての洗濯作業ができます。
その反面、洗濯作業以外の作業スペースとしてはあまり活用できないともいえるでしょう。
新築住宅にランドリールームを設けるメリット
ランドリールームのメリットには、次の3つが挙げられます。
- 天気の悪い日でも洗濯物を干せる
- 花粉やPM2.5を防げる
- 効率的に家事をしやすくなる
天気の悪い日でも洗濯物を干せる
ランドリールームには、室内に洗濯物を干すスペースがあります。
洗濯物干し竿を設置しているだけでなく、室内乾燥や換気・除湿に適した設備があるのが一般的です。
そのため、いつでも洗濯物を干せるようになります。
天気の悪い日や梅雨時期など、洗濯物を外に干せずにリビングや寝室で室内干しする方は多いでしょう。
室内干しは洗濯物が生乾きになりやすく、室内に臭いがこもってしまいます。
また、室内の湿度が上がることでカビの原因にもなります。
その点、ランドリールームがあれば雨の日であっても洗濯専用の部屋で室内干しできるので、来客やカビ・臭いを気にする必要がありません。
花粉やPM2.5を防げる
天気がよくても外に洗濯物を干すことをためらうケースも増えています。
花粉症の人は、花粉の時期は外に洗濯物を干すと、症状がひどくなりやすいため室内に干すという人も多いでしょう。
近年は、黄砂だけでなくPM2.5も心配で外に干せない日もあります。
また、防犯上の理由や夜間に洗濯物をしたいという人も、外に干さずに室内干しするケースも多いものです。
増えている室内干しのニーズに応えられるのが、ランドリールームの大きなメリットと言えるでしょう。
効率的に家事をしやすくなる
一般的に、ランドリールームなしで洗濯をする場合の流れは次のようなケースがあります。
- 1階の洗面所の洗濯機で洗濯
- 2階のベランダや1階の庭・浴室で洗濯物を干す
- 洗濯物を取り込む
- 1階のリビングや和室で洗濯物をたたむ・アイロンがけ
- それぞれの部屋や寝室に洗濯物を収納
このように、洗濯物をするだけで家の中を行ったり来たりしなければなりません。
大量の洗濯物がある場合や一日に何回も洗濯が必要な場合は、より大変になってしまいます。
しかし、ランドリールームがあれば、上記の家事をすべてランドリールーム内で終わらせることが可能です。
家事動線が短くなり、日々の負担が減るだけでなく一つの部屋で完結できるので、お子様も手伝いやすくなります。
また、取り込んだ洗濯物を一旦リビングにおいて、たたむ時間や収納する時間が取れないと、リビングが散らかる原因になることも。
しかし、ランドリールームならたたむ・収納がその場ですぐにできるので散らかりにくくなります。
たたむ時間が取れなくても、室内でそのまま干しておけるので洗濯物がぬれたりする心配もありません。
新築住宅にランドリールームを設けるデメリット
ランドリールームを設けるとスペースが減るなどのデメリットもあるので、どのようなデメリットがあるのかを把握しておくことが大切です。
デメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- コストがかかる
- 小部屋にこもって家事をすることになる
- 使わないと無駄なスペースになる
コストがかかる
ランドリールームとして一部屋多く作ることになるため、建築コストがアップします。
設備や広さにもよりますが、ランドリールームを作る場合、建築費が20万円~50万円ほどかかる点に注意が必要です。
また、コストだけでなくスペースも必要になります。
限られた床面積でランドリールームを設けると、その分リビングなどのスペースを狭くする必要があります。
予算や床面積を考慮してランドリールームを作るかどうかを慎重に検討することが大切です。
関連記事:注文住宅を建てるのにかかる費用はどのくらい?費用相場や費用別に建てられる家のイメージなどご紹介
小部屋にこもって家事をすることになる
ランドリールームですべての洗濯家事が完結する反面、すべてを一つの部屋にこもってすることになります。
リビングであれば、洗濯物をたたみながら子供の様子を見たりテレビを見たり、家族とおしゃべりしながら団らんの時間にもできるでしょう。
ランドリールームの場合、洗濯家事のみに専念する場になる点には注意しましょう。
使わないと無駄なスペースになる
ランドリーリームは使うことが無ければ、その分のスペースは無駄になります。
洗濯機を使用することはなくならないでしょうが、干す・たたむ・収納はやっぱり別の部屋でしているというケースは珍しくありません。
やっぱり洗濯物は外に干したい、子供が小さいからそばで家事をしたいなどで結局使わない可能性もあります。
また、子供が小さいうちは洗濯ものが多くても、子供が大きくなったら意外と洗濯物が減って必要なくなったなどで使わなくなる可能性もあるものです。
将来子供が大きくなってからも利用するのかといった長期的な視点からもしっかり考慮して検討するようにしましょう。
ランドリールームの広さの目安はどのくらい?
ランドリールームは、洗濯家事をするので広くしたいところですが、ずっと家事をするわけではないので広すぎて他のスペースが減るのは考えものです。
ここでは、ランドリールームの広さを考えるポイントを見ていきましょう。
費用対効果を意識する
ランドリールームは広ければ、収納を多く設けられ干すスペースもたくさんとれるなど、広いほど活用しやすいものです。
しかし、実際には床面積や予算に限りがあります。
広くすればすること建築費がアップしてしまうので、費用対効果を意識して検討するようにしましょう。
2~3帖あれば機能を果たせる
一般的な機能を備えたランドリールームであれば、2~3帖が目安です。
ただし、用途によって必要な広さは異なります。
お風呂の隣に設置し、脱衣所としても活用したければ+1帖程あるとよいでしょう。
また、裁縫部屋などの趣味も兼ねたいといった場合ももう少し余裕が欲しいところです。
反対に、洗濯物は干さずにほとんど乾燥機を使用するという場合は、干すスペースを小さくできるので、狭くできます。
ランドリールームの使用目的も具体的にイメージして明確にすることで、より適した広さで作りやすくなるでしょう。
広さだけでなく設備も重要
ランドリールームが適切な広さでも、必要な設備が無ければ快適に家事をしづらくなります。
広さでなく快適に洗濯家事ができるか設備もしっかり検討することが大切です。
快適にするためにポイントとして次のことが挙げられます。
- 湿気対策
- 収納量
- 空調
- 湿気対策
室内干しで生乾きにならないために除湿機能は重要です。
換気システムの導入や除湿器・サーキュレーターの設置、引き戸にしてドアを半開きにしやすくする、窓を設けて通気をよくするなどが必要になります。
- 収納量
家族の人数や衣服の量に見合った収納も必要です。
せっかくランドリールームを設けても、収納が足りなければ結局別の部屋に収納しに行かなければならなくなります。
ランドリールームに何を収納するのか、収納量はどれくらいかをリストアップして把握しておくことで、必要な収納量の棚を設けることが可能です。
また、収納は衣服だけでなく洗濯に必要な洗剤や備品などもあります。
備品の収納場所がなければ、ランドリールーム内が散らかる原因にもなりやすいので注意しましょう。
- 空調
ランドリールームは小部屋にこもって洗濯家事のほとんどをするため、空調も検討しておくことをおすすめします。
夏場の暑い中、冬場の寒い中エアコンのない部屋でアイロンがけなど、長時間部屋にこもるのは大変です。
裁縫などの趣味や子供をちょっと遊ばせるスペースを持たせる場合もあるでしょう。
空調で快適に過ごせるようにしておくことで、日常の家事も快適にしやすくなります。
ランドリールームを活用できるおすすめの間取り3選
ランドリールームはどこに作るかでも活用の仕方が大きく変わってきます。
「お風呂の隣にあるものだ」というイメージの方も多いものですが、配置の仕方はさまざまあるものです。
ここでは、ランドリールームを活用できるおすすめの間取りとして、次の3つを紹介します。
- 洗面所や脱衣所と兼用する
- キッチンの横に配置する
- ベランダの横に配置する
それぞれ詳しく見ていきましょう
洗面所や脱衣所と兼用する
洗面所スペースを大きくし、脱衣所とランドリールームを兼用する間取りは、動線も良く人気があります。
お風呂に入るために服を脱いだらそのまま洗濯機に入れられるので、洗濯前の服を洗濯籠などにいったん置いておく必要もありません。
お風呂上りに必要な服やタオルもランドリールームにあるので、家族みんなが便利に利用できるというメリットもあるのです。
洗濯物を畳む台やアイロンをかける台は、メイクなども身支度時に利用することもできます。
洗面所は来客が使用する機会も多い、という場合は洗面所部分と脱衣所・ランドリールームの間に引き戸や間仕切りを設置するのもおすすめです。
普段は洗濯物を干して置き、来客時が使用する際にさっと仕切るだけで洗濯物を隠すことが可能です。
さらに、洗面所脱衣所兼ランドリールームからファミリークローゼットにつながる間取りや勝手口を設けている間取りも、動線がよく人気があります。
キッチンの横に配置する
料理の合間に洗濯をしたいという希望があるなら、キッチン横もおすすめです。
洗濯家事は洗濯機を回して、時間が開いてから干して、さらに乾くまで待ってたたむと時間を細々使います。
キッチン横にあれば、ちょっとした合間時間で洗濯家事ができるので、日常の家事が便利になります。
子供が小さく家事の間も見守りたいという方も、キッチン横ならリビングとも近く洗濯家事を子供の見える範囲ですることができます。
反対に、キッチンやリビングからランドリールームが見えるのは避けたいという場合は、キッチンとランドリールームをL字に配置するなどで、視線を遮ることも可能です。
ベランダの横に配置する
メインは部屋干しだけど、天気のいい日などは外でも干したいという方はベランダ横に設置するとよいでしょう。
天気や洗濯物に合わせて、ランドリールームからそのままベランダに抜けて洗濯物を干すことが可能です。
ランドリールーム横に収納スペースを設けて、布団や季節ものを収納しておけば使用前の洗濯や天日干し、シーズンオフ時の収納もしやすくなります。
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まとめ
ランドリールームを設置するメリット・デメリットや間取り例などご紹介しました。
ランドリールームは家事効率をアップさせてくれますが、建築コストがかかる他、間取り次第では無駄なスペースになってしまうこともある点に注意が必要です。
新築住宅でランドリールームの設置を考えている方は本記事の内容を参考になさってください。
タクトホームでは累計59,000棟以上の住宅建築ノウハウがあり、施主様のご要望に応じたプランの提案が可能です。
ランドリールームの導入を検討している方や悩まれている方はぜひ一度ご相談くださいませ。