新築住宅の購入を進めていくと、予算がオーバーしてしまうこともあるでしょう。
そうしたときに、価格を安くすることはできるのでしょうか。
本記事では、新築住宅の価格を安くする方法や、安くする際の注意点など解説していきます。
Contents
新築住宅は安くできる?
結論をいえば、新築住宅を安くすることは可能です。
とはいえ、ただ単に安くしたいと思っていても容易ではありません。
まずは、どの部分の費用をどれだけ抑えたいのかを具体的に考えることが大切です。
新築住宅を購入する際、「土地代」「建築費用」「諸費用」の3つの費用がかかります。
どこを抑えたいかによって、安くする方法は異なってくるものです。
土地代を安くする
土地代を抑えられれば、総額を安くするという選択肢以外に、土地代が下がった分を建築費に回して希望の家を実現させるということも可能です。
土地代を安くする場合、次のような方法が検討できます。
- 土地の面積を抑える
- 坪単価の低いエリアに変更する
土地の面積が小さくなれば、その分土地代も少なくなります。
また、土地面積が小さくなれば建築費用を抑えることにもつながってくるでしょう。
「広い土地の方がいい」と考えている方も多いでしょうが、必要以上に広すぎる土地は暮らしにくいだけでなく、管理の手間やコストも掛かってくるものです。
将来の家族構成まで踏まえて必要な広さをシミュレーションして、土地の面積を抑えるとよいでしょう。
また、同じ広さの土地であれば、坪単価が安いエリアの方が土地代も安くなるものです。
利便性の悪い立地や形の悪い土地は、比較的安く購入できるので検討してみるとよいでしょう。
建物費用を安くする
建築費用を安くする方法には、次のような方法が挙げられます。
- シンプルな家の形にする
- 間取りをシンプルにする
- 部屋数を減らす
- 窓やドアを減らす
- 設備の建材のグレードを落とす
- 設備や建材を自分で手配する
複雑な形の家や間取りほど建築費用は高くなります。
反対に、シンプルな家・間取りは作りやすく、建材も抑えられるので建築費用が安くなるのです。
一般的には、1階と2階が同じ面積で外側から見ると真四角になる総2階の家が最も安くできるといわれています。
面積の大きい屋根も形状によって価格は大きく異なり、片方のみに流れる片流れタイプは他の計上の屋根より費用を抑えやすくなります。
部屋数が多くなると、壁や建材が必要になり費用も高くなっていきます。
子ども部屋は、子どもが大きくなってから仕切って作るなどの工夫で費用を抑えられるでしょう。
窓やドアの数も費用に大きく関わってくるので、必要最低限にすると費用を抑えることが可能です。
建材や設備も安いグレードにすれば、費用を抑えられます。
自分で安いものを発注して使用してもらう施主支給にすれば、より費用を抑えることが可能でしょう。
ただし、設備や建材のグレードを抑えすぎると生活しにくい・頻繁に交換が必要など、後悔する恐れもあるので注意が必要です。
注文住宅の費用を削減する方法について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
注文住宅の予算で削れるところ11選!削る際のポイントと併せて解説
諸経費を安くする
諸経費とは、土地代・建築費用以外にかかる手数料の総称です。
主に、次のような項目の費用があります。
- 不動産登記にかかる費用(登録免許税や司法書士費用)
- 土地購入時の仲介手数料
- 不動産取得税
- 印紙税(契約書類にかかる税金)
- 住宅ローンを組むための費用(事務手数料や保証料)
- 火災保険料・地震保険料
- その他(引っ越し費用など)
諸費用は、購入代金の5~10%ほどになるのが目安です。
仮に、4,000万円で家を購入するなら200~400万円が必要になります。
高額になる諸費用ですが、項目によっては抑えることが可能です。
諸費用を抑える方法には、次のような方法があります。
- 仲介手数料の安い不動産会社を利用する
- 登記手続きを自分でする
- 事務手数料や保証料の安い金融機関を探す
- 保険の内容を必要最低限にする
登録免許税や不動産取得税・印紙税といった税金は個人の努力で抑えられないものです。
しかし、それ以外の項目は会社選びなどで抑えられる可能性があります。
仲介手数料の設定は不動産会社によって異なるので、半額や無料の会社を選ぶのも一つの手でしょう。
住宅ローンを組む際の手数料も、金融機関によって設定が異なります。
火災保険料は補償内容によって保険料が異なり、長期一括支払いであれば割引もあります。
項目ごとの削減額は少ないですが、総額になると大きな額になることもあるので、工夫してみるとよいでしょう。
補助金を活用する
費用を抑える方法とは異なりますが、補助金を活用するのも一つの方法です。
注文住宅の場合、ZEHやLCCMといった高性能な省エネ住宅を建築する場合に、補助金を受けられる可能性があります。
例えば、「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業」であれば、ZEH住宅の新築で1戸につき55万円の補助金が支給されます。
また、自治体によっては独自の補助金制度を導入している可能性もあります。
補助金の内容や期限・条件は自治体などによって異なるので、ホームページで最新の情報をチェックするようにしましょう。
ハウスメーカーによっては、補助金の適用や申請をサポートしてくれるので相談してみるのもおすすめです。
新築住宅を安くする方法
ここでは、新築住宅を安くする方法として下記の3つを解説します。
- 相見積もりを取る
- 不要な要素を削減する
- 優先順位を決める
・相見積もりを取る
ハウスメーカーによって費用は大きく異なります。
複数社の見積もりを比べることで、相場感も分かるでしょう。
相場の分からないまま依頼すると、高い業者であっても判断が付きません。
また、相見積もりを取ることで値引き交渉しやすくなる・ハウスメーカーやプランの比較ができるというメリットもあります。
ただし、一概に相見積もりを取る方法が良い訳ではないので注意が必要です。
相見積もりを取る場合、ハウスメーカーは他の不動産会社に勝つことを前提として費用を提示するケースがあります。
その場合で注意しなければならないのが、後から費用が追加されるケースです。
地盤改良費や付帯工事費・オプションなど最初の見積もりに含まれない費用があると、最終的に高額な支払いになる可能性もあります。
相見積もりを取る場合は、見積書の内容をしっかりと確認することと信頼できる業者に依頼することが大切です。
・不要な要素を削減する
注文住宅を作るとなると、希望をあれこれ詰めて予算オーバーになりがちです。
広いリビングやたくさんの部屋・高性能な設備に憧れを抱く方も多いですが、それらがすべて必要とは限りません。
部屋数や面積や家族構成に合っているか、設備のグレードは適切かなどを見直して不要な要素を削減していきましょう。
優先順位を決める
予算を削減だけに捉われて、何もかも削減していると生活しにくくなります。
必要なところにはお金をかけ、不要なところを削ることが大切です。
そのためには、家づくりの優先順位を決めておく必要があります。
- キッチンにこだわりたい
- 家族で過ごすリビングを広くしたい
- お客様から見える部分はしっかりしてそれ以外はコストダウンしてもいい
- 食洗器は欲しいけど床暖房は必要ない
上記のように、家族の希望を話し合いながら優先順位を決めておくと、予算を削りやすくなるでしょう。
優先順位がなかなか決まらないという場合は、まずは、これだけは譲れないというポイントをしぼると優先順位を決めやすくなります。
新築住宅を安くする際の注意点
新築住宅はただ単に安くすればいいというわけではありません。
ここでは、安くする際の注意点として下記の3つを紹介します。
- 無理な値下げ交渉はしない
- 必要な要素まで削減しない
- ランニングコストを考慮する
無理な値下げ交渉はしない
新築住宅を安くする方法の一つに値引き交渉があります。
注文住宅を依頼する際に値引き交渉することはよくあることです。
ただし、過度な値引き交渉はおすすめしません。
過度な値引き交渉には、次のようなデメリットがあります。
- 業者との関係性が悪化する
- 契約を断られる
- 建築に手を抜かれる恐れがある
過度に値引き交渉することで、担当者の心証が悪く関係性が悪化する恐れがあります。
家づくりは、担当者や業者と長期にわたって付き合っていくものです。
建築後もアフターフォローなどで付き合いは続きます。
関係が悪化するとスムーズな家づくりやその後にも影響が出てしまうでしょう。
また、クレーマーと判断され契約を断られてしまうと、その業者で家づくりができなくなります。
家のプランやサービスなどが気に入っている業者であれば、その業者で家が作れないデメリットは大きくなるでしょう。
値引き交渉に応じてくれた場合でも、値引いた分を業者は何かで補填しなければなりません。
最悪、工程の手抜きなどが発生する恐れもあるので、注意しましょう。
値引き交渉する場合でも、マナーを守った交渉が大切です。
値引きできる範囲は3~10%ほどが目安となり、端数程度を値引くのが一般的でしょう。
値引き交渉する前に、正直に予算オーバーである旨を相談するのもおすすめです。
予算を伝えれば、削減ポイントのアドバイスを受けられたり、予算の範囲内での家づくりを提案してくれたりするでしょう。
必要な要素まで削減しない
必要な部分まで削減して費用を抑えても、家の満足度が下がってしまいます。
広さや部屋数が足りないと生活しにくさにつながるでしょう。
家は一度建築すると、簡単に引っ越すことが難しいものです。
長く暮らすものであるため生活のしやすさも重視して、必要な部分にはお金をかけられるようにしましょう。
ランニングコストを考慮する
家は初期費用だけでなくランニングコストも掛かります。
初期費用を抑えたばかりに、ランニングコストが高額になってしまえば、トータルの費用で損してしまう恐れもあります。
外壁や屋根材・クロス・断熱材などは、グレードによって費用が異なるので安く抑えるためにグレードの低いものを選びがちです。
しかし、外壁や屋根のグレードを落とすと、塗り替えの頻度が高くなってしまいます。
断熱性が悪いと、冷暖房を利かせる必要があり光熱水費が高くなる恐れもあるでしょう。
初期費用だけでなくランニングコストも踏まえて、グレードなどを慎重に検討するようにしましょう。
まとめ
新築住宅を安くする方法についてご紹介しました。
主に、土地代を安くする方法や建物代を安くする方法、補助金を活用する方法などがありますが、どの方法を取るかはご自分や家族が優先するものに沿って決めることが大切です。
タクトホームでは、補助金の活用など含めて、最適な方法の提案をしています。
注文住宅をお得に建てたいと考えている方は、ぜひお問い合わせください。