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レンガ外壁のメリット・デメリットは? 手軽にレンガ風外壁を造る方法も紹介

レンガ外壁には、ヨーロピアンでおしゃれなイメージがあります。そのため「レンガ外壁の家に住みたい」と憧れる方も少なくありません。

その前にまずはレンガで外壁を造った場合のメリット・デメリットを十分に把握しておくことが大切です。より手軽にレンガ風の外壁にする方法も併せてご紹介しますので、レンガ外壁を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

レンガ造りの外壁とは?

そもそもレンガとは、どんな建築材なのでしょうか。レンガ外壁の家を造る前に、レンガについてもっとよく知っておきましょう。

レンガの種類

レンガの元になる素材は、粘土に泥や砂などを混ぜて練ったものです。それを四角い型に流し込み、天日で乾燥させたものが「日干しレンガ」、窯で焼き固めたものが「焼成レンガ」です。

日干しレンガは、紀元前4000年頃から、焼成レンガも紀元前1000年頃には造られていたといわれています。中国にある万里の長城もレンガ建築で、当初は日干しレンガで造られていましたが、後から焼成レンガで改修されています。

日干しレンガは自然乾燥させただけなので、水に弱いというデメリットがあります。焼成レンガは、1日以上かけて高温で焼き固めているため、日干しレンガよりも耐水性・耐久性に優れています。

さらに近年では「新燃レンガ」などの新しいタイプのレンガも登場しています。新燃レンガは、透水性が高く雨が降っても滑りにくいことから、床材としてインフラ整備や公共事業に使われています。

レンガ外壁の工法

レンガを外壁に使う場合には、ブロックレンガを使う湿式工法、スライスレンガを使う湿式工法・乾式工法の3種類が考えられます。

ブロックレンガの湿式工法は、モルタルを接着剤として使い、直方体のレンガを積み上げていく工法です。湿気の多い日本の気候に合わせて、断熱材などで仮の壁を作り、その外側にレンガ壁を設置する方法が一般的です。

スライスレンガは、直方体のブロックレンガを薄くカットしたものです。レンガ製のタイルと考えると想像しやすいでしょう。

スライスレンガの湿式工法は、壁全面にモルタルを下地塗りして、そこにスライスレンガを埋め込むように貼り付けていく方法です。貼り付ける際の自由度が高いため、一部をアーチ状にするといったことも簡単にできます。

乾式工法は、壁に設置したレール状のパーツの上にスライスレンガを並べ、レンガ同士の間をモルタルで埋めていく方法です。モルタルの乾燥にかかる時間が少ないので、工期を短くできるという特徴があります。

レンガの積み方

代表的なレンガの積み方として、「フランス積み」「イギリス積み」「小口積み」「長手積み」の4種類があります。解説の前に、ブロックレンガの細長い側面を「長手」、正方形に近い形に見える側面を「小口」と呼ぶことを覚えておいてください。

フランス積みは、1段の中に長手と小口を交互に並べていく積み方です。世界遺産として知られる富岡製糸場は、フランス積みで造られています。

イギリス積みは、長手だけの段と、小口だけの段を交互に作っていく積み方です。フランス積みより少ない数のレンガで壁が造れるだけでなく、強度も高いという特徴があります。

小口積みは別名「ドイツ積み」とも呼ばれ、ブロックレンガの小口だけを表面に出した積み方です。小口は長手よりも面積が狭いため、曲面や円筒形に施工しやすいところがメリットとなっています。

長手積みは、ブロックレンガの長手だけが表面に出るようにした積み方です。一般的に「レンガの壁」と聞くと、長手積みの外壁をイメーヘジする人が多いのではないでしょうか。

小口積みと長手積みは、ブロックレンガを縦向きに積むか横向きに積むかの違いしかないので、構造としてはほぼ同じといってよいでしょう。ただ、小口積みのほうが壁は厚くなり、長手積みのほうが壁は薄く強度も低くなります。

レンガ造りの外壁にするメリット

レンガは歴史的な建築物にもよく使われている優れた特性を持った建築材です。では、レンガで外壁を造るとどんなメリットが得られるのでしょうか。レンガ壁のメリットについて、詳しく見てみましょう。

レンガ外壁のメリット〈1〉見た目がおしゃれ

レンガは粘土に含まれている成分・乾燥の具合・焼き固める際の焼きムラなどで、一つ一つが風合いの違うものになります。そのため、どのレンガも世界にたった一つの建築材といってもよいでしょう。

本物のレンガを使った外壁には、独特の質感があり見た目が非常におしゃれです。レンガ一つ一つの微妙な色味の違いが、シックな雰囲気を醸し出してくれます。

さらにレンガには、年月が経つにつれて風合いが変化していくという特徴もあります。施工後も色味の変化を楽しめるのも、レンガ外壁のメリットの一つでしょう。

レンガ外壁のメリット〈2〉耐久性がある

レンガは粘土や泥、砂といった天然素材でできている建築材です。そのため、風雨や紫外線の影響を受けにくく、経年劣化が起こりにくいという特徴があります

レンガ外壁の建物は、耐久性が高く年月が経っても古びた印象になりにくいといえるでしょう。

一般的に住宅の外壁は、約10年ごとの外壁塗装が望ましいといわれています。一方でレンガ外壁は、塗装の必要がないためメンテナンスコストも抑えられます。

本物のレンガを積み上げた工法であれば、ほぼメンテナンスフリーです。カビやコケも生えにくく、100年以上の耐久性を持つといわれています。

ただし、スライスレンガを使った工法の場合は目地のモルタルが劣化するため、10年に1度はメンテナンスを行うことが好ましいです。

レンガ外壁のメリット〈3〉断熱性・遮音性に優れている

レンガの内部には、小さな気泡が無数に含まれています。つまりレンガ外壁は、家を空気の層で覆ったような状態といえるでしょう。

そのためレンガ外壁の家は、断熱性が高くなっています。外気温の影響を受けにくいため、冷暖房効率がよくランニングコストも抑えられるでしょう

ただし、断熱性の高さは蓄熱性の高さにもつながります。夏場に長期間留守にした後などは、家の内部が暖まってしまい、冷房が効きにくいといった面もあるため注意しましょう。

多くの空気を含むレンガ外壁は、遮音性も高くなっています。交通量の多い場所などでは、環境音がストレス源になってしまうことも少なくありませんが、レンガ外壁なら騒音をカットしてくれるため、快適な住環境が得られるでしょう。

レンガ造りの外壁のデメリット

レンガ外壁には、メリットが多い一方でデメリットも少なくありません。レンガ外壁を検討している場合は、デメリットも十分に知っておきましょう。

レンガ外壁のデメリット〈1〉施工価格が高い

レンガは乾燥や焼成に時間がかかるため、建築材としては決して安くない部類に入ります。また、国内で生産されるレンガの数はそれほど多くないため、外壁に使う場合には輸入しなければならないこともあります。

さらに、レンガ外壁の施工では接着剤となるモルタルの乾燥に時間がかかるため、工期が長くなる傾向があります。結果として、施工費用が高くなってしまうのです。

ブロックレンガの場合、建築材として高価なだけでなくかなりの重量があります。重量のあるレンガ外壁を支えるためには、地盤工事もしっかりしておかなければなりません。

場合によっては、地中深くまで杭を打ち込み地盤改良をする必要があるため、施工費用はさらに高くなってしまうでしょう。

レンガ外壁のデメリット〈2〉施工できるメーカーが限られる

ブロックレンガを使ったレンガ外壁は、積み方によって強度が変わってきます。そのため、レンガの施工に慣れているハウスメーカーでないと建築できないというデメリットがあります

またレンガ外壁は、レンガを一つ一つ積み上げたり貼り付けたりする手作業が必要です。レンガの施工に慣れているメーカーでも、職人の数は限られているため、工期も長くなってしまいます。

レンガ外壁のデメリット〈3〉リフォームしにくい

レンガ外壁は耐久性が高く非常に頑丈なため、一部分のみを取り壊したり、全てを除去したりといったことが難しくなっています。そのため、リフォームしにくい点がデメリットといえるでしょう。

さらに、取り除いたレンガの処分にもコストがかかります。レンガ外壁は、リフォームする場合のコストも、他の建材に比べて高くなる傾向にあると考えておきましょう。

レンガ外壁のデメリット〈4〉地震に弱い

レンガはかなりの重量がある建材です。レンガで外壁を造った場合、その重さを外壁全体で支えなければなりません。

重量は外壁の頑丈さにもつながりますが、地震が起こった場合には、レンガの重さが裏目に出てしまい簡単に崩れてしまうこともあります

レンガ内部に鉄筋を通すといった対策で耐震性を高めることもできますが、当然のことながら施工費用は高くなります。

手軽にレンガ風の外壁を造る方法

レンガ外壁にはメリットもありますが、デメリットも決して少なくないことがお分かりいただけたと思います。しかし、レンガ外壁を諦める必要はありません。

レンガ以外の建材を使って、レンガ風の外壁を造る方法があります。というよりも日本では、レンガ風外壁の住宅に見えてもレンガを使っていないことがほとんどです。

ここではレンガより施工費用が安く、手軽にレンガ風外壁を実現する方法をご紹介します。

レンガ調サイディングボードを使う

価格がリーズナブルなサイディングボードは、今や戸建て住宅の90%を占める外壁材といわれています。それだけのシェアを占めるサイディングボードには、色や柄、デザインも豊富にそろっています。

もちろんレンガ調のサイディングボードもあり、アンティーク風・赤レンガ風・北欧風など、豊富なデザインの中から好みに合わせて自由に選ぶことができます。本物のレンガの風合いには及ばないものの、色や形が整っており美しさがあります。

ただし、サイディングボードは板状の外壁材なので、板同士の継ぎ目ができてしまうというデメリットもあります。また、経年劣化によってひび割れ・反り・剥がれなどが起こることがあるので、こまめなメンテナンスが必要です。

レンガ風タイルを使う

レンガ風タイルを使ってレンガ外壁に見せる方法もあります。タイルは本物のレンガと同じ粘土から作られているため、自然なレンガの風合いを再現することができます。

外壁にタイルを使う場合は、湿式工法と乾式工法の2種類が考えられます。湿式工法は、モルタルなどの接着剤を塗布した外壁に、レンガ風タイルを貼り付けていく方法です。

乾式工法は、タイルがはめ込めるよう加工された特殊なサイディングボードにタイルを引っかけ、接着剤で固定する方法です。

レンガ風タイルは、色合いやデザインが豊富で好みに合わせて選べるというメリットがあります。サイディングボードよりも耐久性があり、メンテナンスの手間やコストが抑えられるのも魅力の一つでしょう

スタンプコンクリートにする

スタンプコンクリートとは、コンクリートの壁に型押しをする方法です。レンガを積み上げたような型を使ってコンクリートに凹凸をつければ、レンガ風の外壁を実現できます。

スタンプコンクリートのメリットは、塗り直しが比較的容易なことです。建築当初は赤レンガ風に、飽きてきたら北欧風に塗り替えるといったように、テイストを簡単に変えられます。

また、レンガほどではありませんが、耐用年数が約30~50年と長いのもコンクリートのメリットです。内部には鉄筋が通っているため、地震にも強くなっています。

ただし、コンクリート造の住宅は施工費用が高いというデメリットもあります。コンクリートの重量は、本物のレンガと同じくらいの重さがあるので、地盤工事などでさら施工費用がかかることもあります。

まとめ

レンガ外壁のメリット・デメリットに加え、レンガを使わずにレンガ風外壁を造る方法もご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

レンガには優れた特性があり、歴史的な建造物にも多く使われている建築材です。しかし、一般の住宅でレンガ外壁を実現するには、クリアしなければならない課題も少なくありません。

タクトホームは、お客様のご予算や希望に合わせてレンガ風外壁のご提案もできるため、ぜひ気軽にご相談ください。より理想に近い家を、タクトホームと一緒に造っていきましょう。

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