お家のお悩み

防犯に強い家にするには?日常生活で注意すべきポイントも紹介

家を建てる際、誰もが気になるポイントのひとつに防犯があります。大切な家族の命や財産を守るため、防犯対策のしっかりした家を建てたいと思うでしょう。

そこで、防犯に強い家とはどんな家なのかをご紹介します。さらに、日常生活で気をつけるべきポイントについても、併せて解説します。

一戸建て住宅はマンションより泥棒に狙われやすい?

実は一戸建ての住宅は、マンションなどの集合住宅よりも泥棒に狙われやすいといわれています。本当にそうなのか、データで見てみましょう。

侵入窃盗の約30%が一戸建て住宅

警察庁の発表では、2022年の侵入窃盗は36,588件でした。侵入窃盗には事務所荒らしや店舗のレジ泥棒なども含まれますが、そのうちの33.0%が一戸建て住宅への侵入でした。

集合住宅の場合はどうなのでしょうか。3階建て以下の集合住宅が7.8%、4階建て以上が4.3%で、合わせても12.1%にしかなりません。「一戸建て住宅は泥棒に狙われやすい」とは、本当のことなのです。

一戸建て住宅は、集合住宅のように隣家と接しているわけではありません。また敷地内の死角も多く、泥棒にとっては活動しやすい環境といってよいでしょう。

そのため、一戸建て住宅に住むなら、「集合住宅住まいよりも防犯意識を高くしておかないと、簡単に侵入されてしまう」と考えておきたいものです。

一戸建て住宅はセキュリティが甘くなりがち

マンションなどの集合住宅は、管理人が常駐していたり、防犯カメラが設置されていたりすることも多く、それぞれの住人が意識していないところでも防犯対策がとられています。

対して一戸建て住宅は、自分自身が気をつけて対策をとらないといけません。そのためセキュリティが甘くなりがちで、侵入されやすいのです。

警察庁の発表から、一般住宅への侵入窃盗の種別や、侵入経路の割合を見てみましょう。侵入窃盗の63.9%が空き巣、25.2%が忍び込みとなっています。

忍び込みとは、住人が家にいるにもかかわらず、こっそり侵入して泥棒をすることです。このデータを見ると、家にいる時でも安心できないことがわかるでしょう。

さらに侵入経路を見てみると、なんと「無施錠のドアや窓」が46.8%となっています。以下、「ガラス破り」が26.2%、「鍵開け」が8.0%、「ドア錠破り」が2.0%と続きますが、鍵をかけるという基本的な対策がどれほど重要かわかるはずです

ポイントは侵入経路をできるだけ少なくすること

防犯のポイントは、泥棒が侵入できるような経路をできる限り少なくしておくことです。先ほどのデータを見ると、窓からの侵入が多いことがわかります。

つまり防犯対策としては、窓のセキュリティが重要といえます。加えて、しっかり施錠するなど日常生活での注意も必要です。

家を建てる際にしておきたい防犯対策

防犯に強い家とはどんな家なのでしょうか。家を建てる段階から考えておきたい防犯対策について、ご紹介します。

対策1:防犯ガラスや面格子をつける

窓ガラスは、簡単に割れない防犯ガラスがおすすめです。防犯ガラスは、2枚のガラス板の間に樹脂の膜を挟みこんでいるため、普通のガラスよりも衝撃に強くなっています。

また防犯ガラスにすると同時に、窓の鍵を1ヵ所ではなく、2ヵ所以上につけておくのもおすすめです。

防犯ガラスの場合、どこかにひびが入ったからといって、全面が割れてしまうことはありません。鍵が複数あると、ガラスに複数の穴を開けなければ解錠できないので、それだけ侵入に時間がかかります。

防犯ガラスは衝撃に強いだけではなく、断熱・防音効果も一般的なガラスより高くなっています。価格は一般的なガラスの約1.5~3倍ほどと高額ではありますが、安全のためにはぜひ検討したいものです。

防犯ガラス以外に、面格子をつけるのも効果的です。面格子は侵入されにくいだけでなく、泥棒が「破るのに時間がかかる」と考え、侵入を諦めるという抑止力も期待できます。

対策2:スマートキーやディンプルキーにする

玄関の鍵をこじ開けての侵入も、非常によくある手口です。できれば玄関の鍵は、防犯性の高いディンプルキーや、そもそも鍵穴のないスマートキーにしておきたいものです。

ディンプルキーは、鍵穴に特殊工具を差し入れて解錠する「ピッキング」がしにくい構造になっています。また複製も難しいため、気づかないうちに鍵をコピーされる可能性も低いです。

スマートキーには大きく分けて、カードタイプとリモコンタイプがあります。カードタイプはドアに設置された読み取り部にカードをかざすだけ、リモコンタイプは解錠ボタンを押すだけで鍵が開きます。

スマートキーのメリットは、泥棒が解錠しにくいだけではありません。鍵を紛失した際にもシリンダーごと交換する必要がなく、データを書き換えるだけで紛失したカードやリモコンを無効化できます。

ただ、いくら防犯に強いタイプの鍵にしても、ドアの隙間からバールなどを押し込んでこじ開けられてしまうことがあります。玄関ドア自体も、隙間が見えないようガードプレートが付いたものにするなどの対策をとっておきましょう

対策3:雨樋に忍び返しをつける

2階建て以上の住宅では、どうしても上階の防犯対策が甘くなりがちです。泥棒もそれをよく知っていて、雨樋などを伝って2階に上り、ベランダから侵入するといった手口をとります。

上階の防犯をしっかりすることも大切ですが、まず外から2階に上れないよう対策をとっておきましょう。中でも雨樋は足場として使われがちなので、忍び返しをつけておくことをおすすめします。

忍び返しは、雨樋の設置金具にトゲをつけたものと考えると、イメージしやすいでしょう。設置金具を足がかりにできないので、雨樋をつたっての進入が難しくなります。

また忍び返しを設置しておくと、防犯意識の高い家と思われて侵入されにくくなるという効果も期待できます。

対策4:屋外照明を取り付ける

泥棒は、明るいところでの作業を嫌います。そのため、屋外照明を取り付けておくと防犯に役立つでしょう。

特に、人が近づくと照明がつくセンサーライトは、防犯効果が高いといわれています。玄関付近だけでなく、死角になりやすい窓や裏口、ガレージなどにも取り付けておきたいものです。

センサーライトは電源のとり方によって、「電源タイプ」「乾電池タイプ」「ソーラーパネルタイプ」の3つに分けられます。中でも乾電池タイプは、場所を選ばずどこにでも設置できるのでおすすめです。

玄関のような使用頻度が高い場所は電源タイプにして、死角になる窓は乾電池タイプを取り付けるといった使い分けをしてもよいでしょう

対策5:防犯カメラを設置する

防犯カメラは、非常に効果の高い防犯対策です。防犯カメラを目立つ場所に取り付けておくことで、泥棒に防犯意識の高い家だと感じさせて侵入抑止になるという効果もあります

防犯カメラは、安いものなら1台5000円程度ですが、10万円以上するような高機能の防犯カメラもあります。自治体によっては、家庭用防犯カメラの設置に補助金を出しているところもあるので、調べてみるとよいでしょう。

せっかく防犯カメラを設置しても、カメラに写らず侵入できるスポットがあっては意味がありません。設置する位置や角度を調整して、進入経路となる玄関や窓をすべて撮影しておきましょう。

また防犯カメラを、簡単に手が届くような位置に取り付けておくと、泥棒に壊されてしまう可能性があります。かといって、手の届かない場所だと防犯カメラが目立たないという場合は、「防犯カメラ設置中」といったステッカーを目立つ場所に貼っておくのがおすすめです。

対策6:見通しのきかない高い塀は避ける

家を高い塀で囲むと、泥棒が乗り越えにくく防犯になると考えるかもしれません。しかし実は、見通しの悪い高い塀は、泥棒にとってメリットになる可能性があります

見通しの悪い高い塀に囲まれていると、泥棒が敷地内に入っても外からの人目につくことがありません。そのため、周囲を気にすることなく侵入できてしまうのです。

防犯の基本は、外から敷地内の様子が見えるようにしておくことです。クローズドな塀は、外から覗かれることがないという快適さはありますが、同時に防犯面で不利になると考えておきましょう。

塀を造る場合は、適度に目隠しになるスリットの入ったものや、隙間のある格子状のものがおすすめです。中の様子がシルエットでわかる、半透明のスクリーンパネルで塀を造るという方法もあります。

対策7:玉砂利を敷き詰める

泥棒は、音を立てることを嫌います。そのため、踏むと足音が響く玉砂利を庭に敷き詰めておくのも、防犯に役立つでしょう

ただ玉砂利を敷いておくと、住人の足音も響いてしまいます。仕事などで深夜に帰宅することが多い場合は、近隣の迷惑になってしまうのであまりおすすめできません。

そういった場合は、センサーアラームを設置するとよいでしょう。センサーアラームは、動くものを検知するとアラームや録音した音声が流れるようになっています。

アラーム音だと、間違って作動した時に近隣の迷惑になってしまうこともあるので、「こちらは私有地です。無断での侵入を禁止します」といった録音音声が流せるタイプがおすすめです。

毎日の生活でも気を配りたい防犯対策

どんなにセキュリティのしっかりした家に住んでいても、暮らし方によっては泥棒に狙われやすくなってしまうこともあります。毎日の生活で気をつけたいポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

郵便物や宅配物はこまめに回収

郵便物や宅配物を放置するのは、留守がちな家だと知らせるようなものです。また、ポストから郵便物がはみ出したままになっていると、暮らしぶりがだらしなく、侵入しても気づかれにくいと思われてしまいます。

郵便ポストは毎日チェックするようにしましょう。また置き配にした宅配物は、なるべく早く回収するようにしましょう。

庭の手入れをして見通しをよくする

庭はこまめに手入れをして、見通しをよくしておきたいものです。木々や雑草で見通しが悪くなっていたり、隠れられるような場所があったりするのは、泥棒にとって格好の作業場といってよいでしょう

庭の手入れが行き届いていないと、防犯意識が低い家だと思われて狙われやすくなることがあります。また侵入するところを誰かに見られても、庭師のふりをして逃げられてしまう可能性もあります。

足場になるようなものを置かない

2階建て以上の家では、上の階になるほど防犯が甘くなってしまうものです。上階からの侵入を防ぐためには、家の周囲に足場になるものを置かないことが大切です。

具体的には、物置やエアコンの室外機を侵入の足場にされることが多くなっています。物置を設置する場合は窓の近くを避ける、死角になる場所にエアコンの室外機を置かないなど、工夫をしておきましょう。

ホームセキュリティに加入する

防犯対策には、ホームセキュリティに加入するのもよいでしょう。ホームセキュリティのステッカーを目立つ場所に貼っておくと、それだけで防犯の効果があります

ホームセキュリティのプランにもよりますが、侵入対策だけでなく、ガス漏れや火災があった際にすぐ通報してもらえるというメリットもあります。高齢者や子どもの見守りサービスがついているプランもあります。

加入費用は決して安くありませんが、家族の安心・安全のため、検討してみてもよいのではないでしょうか。

ご近所付き合いを大切にする

ご近所付き合いが円滑にできている地域は、犯罪発生率が低いといわれています。人目につきたくない泥棒にとっては、お互い気軽に声を掛け合うような環境では活動しにくいからです。

防犯対策のためには、少なくとも両隣とは円滑な交友関係を築いておきたいものです。長期間留守にするような場合は、両隣に声を掛けておくと気にかけてもらえることでしょう。

また、ゴミ出しなど地域のルールが守られていないと、防犯意識も低いと思われて泥棒のターゲットになってしまいがちです。地域のルールはきちんと守るよう心がけましょう。

SNSの書き込みに気をつける

InstagramやX(旧・Twitter)といったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の使い方にも気をつけたいものです。外出先から今いる場所などを書き込むと、留守にしているのがわかってしまいます。

狙った家の玄関先に虫や動物の死骸などを置いておき、「帰宅したら動物の死骸があった」といった書き込みがないかチェックして、SNSのアカウントを特定する犯罪者もいます。

SNSを利用する際には、自分の行動や出来事をすぐに書き込まない、スケジュールをなるべく伏せるといった対策をとっておきましょう

まとめ

防犯に強い家にするには、家そのもののハード面と、生活上の注意というソフト面の双方から対策をすることが重要です。

セキュリティのしっかりした家を造っても、運用が疎かになっては役立ちません。いくら日常の行動に気をつけていても、侵入しやすい構造の家は泥棒に狙われやすくなってしまいます。

タクトホームなら、これまでの豊富な実績を活かして、防犯面でのアドバイスもできます。防犯に強い家を建てたいと考えるなら、ぜひお気軽にタクトホームにご相談ください。

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