家を購入するのであれば住みやすい街にしたいと思うものです。
本記事では、住みやすい街に共通するポイントとして、生活利便性や交通利便性など6つに分けて解説していきます。
これから家の購入を考えているという方は、本記事の内容を参考になさってください。
Contents
住みやすい街の共通点1:生活利便性が高い
生活利便性とは、日常生活に欠かせない施設が近くにあるかという立地の便利さのことです。
日常生活で必要になる施設がその街にあれば、生活が便利になります。
必要な施設は個人や家族構成によって異なってくるものです。
小さい子どもがいるなら近くに公園やレジャー施設があると、余暇や日常の遊ぶ場所探しも楽になります。
外食好きの家族なら飲食店、おしゃれが好きな人なら服飾店や大型商業施設があると嬉しいものです。
反対に、大型商業施設が近くにあっても普段利用しないなら近くにある必要性はないでしょう。
その街の世帯構成やターゲット層によっては、自分たちが欲しい施設がないことも珍しくありません。
まずは、どんな施設があるといいのかを家族で話し合って、欲しい施設に優先順位を付けて街にあるかを確認することが大切です。
とくに、下記のような条件であれば、どの世帯でも比較的便利に生活しやすいのでチェックしておきましょう。
- 近くに買い物施設がある
- 近くに銀行がある
- 近くに病院がある
近くに買い物施設がある
日用品や食品などの買い物は、ほぼ毎日することなので、日常的に買い物ができる施設は重要です。
スーパーやコンビニ・ドラッグストア・ホームセンターなどの施設がどこにあるのかはチェックしましょう。
その際には、場所だけでなく次のような項目もチェックすることをおすすめします。
- 営業時間
- 品揃え
- アクセスや駐車場
仕事で買い物時間が遅くなる人は、営業時間が長い施設の方が便利に利用できます。
商品の品揃えも合わせてチェックしておきたいところです。
また、近くにあっても交通量の多い道路を挟んだ向かい側にある・駐車場が少ないとなると、通いにくくなってしまいます。
「そのお店を日常的に使うとしたらどうか」という視点で考えると、実際に引っ越してからも快適に生活することができるでしょう。
近くに銀行がある
よく利用する銀行が近くにあるかもチェックしましょう。
銀行が近くになくても問題ないと思いがちですが、現金の出し入れや各種手続きなど、意外に銀行を利用する機会というのは多いものです。
銀行が近くにないと、ATMではできないちょっとした手続きなどを先延ばしにしがちな方も多いでしょう。
近くに銀行があることで、手続きが必要なとこも気軽に利用しやすくなります。
銀行の位置は、家からの距離だけでなく、通勤路の途中にある場合も便利です。
銀行以外にも、郵便局や役所も手続きなどで利用する機会が多いので確認するとよいでしょう。
近くに病院がある
近くに病院があれば、いざというときにすぐ行けるので安心です。
とくに、小さい子どもや高齢者のいる家庭は、利用する科のある病院が近くにあるかはチェックするようにしましょう。
診療時間が土曜や夜間に対応している病院であれば、より安心できます。
高齢者のいる家庭の場合は、病院だけでなく介護サービスなどの福祉施設の場所も確認しておくとよいでしょう。
生活の利便性を高める施設がある一方、生活するうえでは近くにない方がいい施設もあります。
以下のような施設は、近くにあることで生活に支障が出たりトラブルになったりする恐れがあるので注意しましょう。
- ゴミ処理場や下水処理場
- 火葬場や墓地・葬儀場
- 刑務所
- 風俗店や反社会組織の事務所など
住みやすい街の共通点2:交通利便性が高い
交通アクセスの良さも住みやすい街の条件として重要です。
利用する交通手段の利便性が高いと、日常の移動も楽になります。
また、交通利便性の高い街は生活利便性も高くなりやすいので、チェックしておきましょう。
ただし、交通利便性が高い方があっているかは慎重に検討することが大切です。
交通利便性の高いエリアは、一般的には人が多く出入りしにぎやかな場所でもあります。
多少不便でも静かに暮らしたい、交通量の少ない場所で子どもをのびのび育てたいという考えもあるでしょう。
家族が求める条件に合っているかが重要になってきます。
ここでは、交通利便性を確認するうえで重要な項目として、下記の2つを解説します。
- 主要駅にアクセスしやすい
- 徒歩圏内で生活に必要なものが揃う
主要駅にアクセスしやすい
最寄駅・主要駅までのアクセスはチェックしておきましょう。
日常の移動手段が公共交通機関という場合、最寄駅の位置は重要です。
いわゆる駅近であれば、通勤・通学の負担を減らすことにつながります。
しかし、最寄駅=主要駅とは限りません。
最寄駅をチェックする際には、運行本数や始発・終電時間・主要駅までのアクセスもチェックすることが大切です。
すぐそばに駅があっても、通勤は乗り換えが必要・急行がとまらない・終電が早いとなると利用しにくくなります。
また、駅までの道は実際に歩いてみることをおすすめします。
駅までの道が坂道ばかり・交通量が多くて渋滞すると利用がしにくくなる可能性もあります。
小さい子どもがいる家庭なら、歩道の整備状況やベビーカーで利用しやすい駅かも重要になるでしょう。
車移動がメインという方は、最寄駅が気にならないという人も少なくありません。
しかし、駅の位置によって交通量が左右されることがあります。
通勤路に駅があると、通勤時間中に混雑する恐れもあるので注意しましょう。
自分は公共交通機関を利用しない場合でも、将来子どもが通学のために利用する可能性もあるものです。
今は利用する機会が少ない場合でも、駅の場所はチェックしておくことをおすすめします。
徒歩圏内で生活に必要なものが揃う
徒歩圏内に、生活に必要な施設が多いと便利に暮らしやすくなります。
スーパーやコンビニ・病院・学校など日常生活で必要な施設が、徒歩圏内にあるかをチェックするようにしましょう。
徒歩圏内の場合でも、そこまでの道の状態も重要です。
坂道ばかり・交通量が多くて徒歩は危険・信号が多いといった場合は、徒歩での移動は大変になります。
高齢者や小さい子どもでは、転倒でのケガや交通事故もリスクがあるので注意しましょう。
住みやすい街の共通点3:資産性が高い
街の資産性の高さとは、街の需要の高さのこと指します。
つまり、その街に家を建てた場合に、家の資産価値が高くなるかどうかという点です。
同じ条件の家を建てる場合でも、資産性の高い街(立地)であれば、資産性の低い街に比べ家の資産価値は高くなります。
資産性の高さも重要なポイント
「資産性の高さは住みやすさとは直接関係ないのでは」と考える方もいるでしょうが、資産性は将来重要になっています。
マイホームを所有したからといって、生涯その家に暮らし続けるとは限りません。
何かしらの理由で家を売却する可能性もあるでしょう。
仮に、自分の代はずっとその家で暮らしたとしても、子どもも同じように暮らし続けてくれるわけではありません。
今は住み続けるつもりでも、将来売却や収益物件として活用する可能性はゼロではないのです。
その際、資産価値の高い物件であれば、売却や収益化も有利になります。
- 高級住宅街
- 主要駅周辺エリア
- 大型商業施設周辺
上記のような場所は、資産性が高くなります。
資産性の高い街かどうかは、今だけでなく将来も踏まえて検討することが大切です。
今は資産価値の低い立地でも、商業施設や駅が建設されることで資産価値が高くなるケースもあります。
将来的な街の開発予定なども踏まえて、資産性の高い街を選ぶとよいでしょう。
資産性が高ければ住み替えを検討しやすくなる
資産性が高い家の場合、将来住み替えしやすいというメリットもあります。
住み替えの場合、新しい家の購入と今の家の売却を同時に行います。
ただし、今の家の住宅ローンが残っている状態では売却できません。
一般的には、売却金でローン完済を目指すケースが多いでしょう。
そのためには、ローン残債以上で売却する必要があります。
しかし、家の資産価値が低いと、ローン残債よりも売却額が下回ってしまう恐れがあるのです。
この場合、自己資金などで完済できない分を補う必要があり、新居に充てる費用が少なくなってしまいます。
資産性の高い家であれば、売却してローン完済・次の家の予算確保もできるので、住み替えを成功しやすくなるのです。
将来家族に資産を残すことができる
マイホームを途中で売却しない場合、いずれ子どもや孫に相続させることになります。
相続した家に相続人が住まない場合、家の売却を検討することになるでしょう。
とはいえ、相続する頃には家もかなり老朽化しているため、売却は土地の価格が重要になってきます。
資産性の高い街であれば、土地の価格が高く売却も有利になります。
土地を売却せずに、建て直しや収益物件の転用なども検討しやすくなるでしょう。
資産性の低い土地の場合、相続後に子や孫が対応に苦労するケースも珍しくありません。
将来相続する人に苦労をかけないためにも、資産性の高さはチェックしておくとよいでしょう。
住みやすい街の共通点4:近隣に大きな音の出る施設がない
快適に生活するためには、音のチェックも必要です。
近隣に大きな音の出る施設があると、騒音に悩まされてしまう恐れがあります。
静かな住環境を望む場合は、以下のような条件をチェックするとよいでしょう。
- 繁華街から離れている
- 少し離れたところに遊べる施設がある
繁華街から離れている
繁華街の周辺はにぎやかで店も多いことから便利に暮らせますが、静かな生活を求める場合は避けることをおすすめします。
繁華街は、店も人の出入りも多いエリアです。
車の交通量も多く、夜間でも日中以上ににぎやかになるケースも珍しくありません。
繁華街周辺は、日中・夜間の音が大きくなりがちのため、日常生活に支障が出る恐れもあるでしょう。
また、繁華街周辺は交通量や治安の面でも不安があるので、子育て世帯も避けることをおすすめします。
繁華街以外でも、以下のような施設の近くは騒音に注意が必要です。
- 娯楽施設
- 工場
- 幹線道路や高速道路
- 線路・踏切
- 深夜営業の飲食店
少し離れたところに遊べる施設がある
遊べる施設が近くにあると子育て世帯にとっては便利に感じますが、騒音の面では少し離れたほうが良いでしょう。
子どもが遊べる施設は、日中子どもの声が大きくなる心配があります。
子どもの声をうるさいと感じるか賑やかと感じるかは人それぞれですが、日中家で仕事する人などは迷惑に感じることもあるものです。
子どもが集まる施設の近くに家があると、庭に子どもが侵入するなどの心配もあります。
かといって、繁華街や遊べる施設がとても遠いとなると、余暇を過ごすのが大変になります。
近すぎず離れすぎずの場所にそれらがあれば、静かに暮らしながらも楽しく過ごすこともできるでしょう。
住みやすい街の共通点5:川や海から離れている
住みやすい街とは、利便性のよさだけでなく安全に暮らせるかも重要です。
川や海から近いと災害の面で不安があるので注意しましょう。
川や海に近いと水害の可能性が高まる
川や海が近いと、大雨や台風・地震などで水害に遭う可能性が高まります。
近年の日本は、毎年のように大規模は水害のニュースが流れます。
水害に遭う確率は高くはありませんが、たった一度でも水害に遭えば大きな被害となるものです。
いつ・どこで、これらの被害に遭うかは予測できないですが、少しでもリスクを下げる努力はするに越したことはありません。
海の近くは塩害の可能性もある
海が近い場合、水害だけでなく塩害にも注意が必要です。
塩害とは、塩によって建物や作物に起きる害のことを言います。
海周辺の場合、潮風に含まれる塩分や高潮度で直接海水を浴びることで、建物に塩害が起こりやすくなります。
- 外壁の老朽化が早い
- 窓などの金属部分がサビやすい
- 自動車や室外機がサビやすい
- 洗濯物に海水がかかる
海からの距離によっては上記のような塩害を受ける恐れがあります。
海の近くに家を所有する場合は、定期的な洗い流しやコーティングなどの塩害対策が必要です。
ハザードマップを確認する
海や川の近くだからと言って、必ずしも被害に遭う可能性が高い訳ではありません。
反対に、海や川から離れているのに、洪水や浸水の被害に遭う可能性もあります。
また、気にしなければならない災害は水害だけではありません。
- 液状化現象
- 地すべり
- がけ崩れ
埋め立て地など地盤が緩い場合、地震の際に液状化して地盤沈下する恐れもあるでしょう。
大雨による地すべりやがけ崩れにも注意が必要です。
希望するエリアで、どのような災害の恐れがあるのかは、自治体が発行するハザードマップで確認できます。
ハザードマップの確認に合わせて、避難所や避難ルートも確認しておくとよいでしょう。
住みやすい街の共通点6:教育環境が整っている
子育て世帯にとって欠かせないのが、教育環境のチェックです。
教育環境をチェックする際には、子育てに必要な施設があるかだけでなく自治体の子育て支援についても確認することをおすすめします。
自治体によっては、補助金や相談窓口・イベント開催など子育て支援に力を入れているケースも少なくありません。
子育ての制度が充実している街であれば、負担を減らして快適に子育てしやすくなるでしょう。
教育環境の充実さは、子育て世帯でない世帯もチェックすることをおすすめします。
子育て環境が整っている街や自治体は、他の制度や施設も整っている傾向があり、安全・快適に過ごしやすいケースが多いものです。
教育環境が整っている街のチェックポイントとして、下記の3つが挙げられます。
- 近くに小中学校がある
- 自転車で通える範囲に高校や大学がある
- 待機児童が多すぎない
近くに小中学校がある
近くに小中学校があれば、子どもの通学も楽になります。
学校行事に親が参加する場合も、徒歩圏内であれば参加しやすいでしょう。
この際、通学路の状態も重要になります。
交通量が多い・人通りが少なく死角になる場所が多い・大型車の出入りする工場があるかなどはチェックしておくとよいでしょう。
子どもが安全に通学できるルートであれば、親も安心して学校に送り出しやすいものです。
位置だけでなく、学校の質も確認するとよいでしょう。
「学級崩壊のうわさがある」「希望する教育にあまり力を入れていない」なども重要なチェック項目です。
公立だけでなく、受験することを視野に入れて私立もチェックしておくのもおすすめです。
また、小中学校だけでなく以下のような公共施設が近くあると快適に子育てしやすくなります。
- 公園
- 児童館や子育て支援センター
- 図書館
- 塾
- 科学館や美術館など
自転車で通える範囲に高校や大学がある
基本的に徒歩通学になる小中学校とは異なり、高校や大学は公共交通機関や自転車を利用することが多いでしょう。
徒歩圏内や自転車圏内に高校・大学があれば、子どもが通学しやすいだけでなく家計の負担を減らすことにもつながります。
高校・大学については、学区ではなく子どもの希望で選択することになりますが、それでも近くにあれば選択肢の幅を広げられるでしょう。
待機児童が多すぎない
子育て世帯に人気の街は、託児施設や自治体の子育て支援が充実しており、待機児童も少ない傾向にあります。
小さい子どもがいる世帯やこれから子どもを望む世帯は、待機児童数もチェックしましょう。
保育施設や託児施設が少ないと待機児童が多くなり、育児休業明けの社会復帰が難しくなります。
社会復帰できない期間が増えることで、家計に影響が出るだけでなくキャリアの中断にもつながってしまうでしょう。
子どもが小学校に上がると学童保育も必要になりため、学童保育の状況まで含めてチェックしておくと安心です。
また、施設だけでなくベビーシッターや家事代行・ネットスーパーなど子育て世帯が活用したいサービスの対応エリアもチェックしておくことをおすすめします。
教育環境が整っている街は住みやすいですが、自分の子育てに合っているかとは異なってきます。
「自然豊かな環境でのびのびと育てたい」「教育施設や塾が充実している環境で育てたい」など、子育ての希望は人それぞれです。
どのように子育てしたいのかを明確にしたうえで、その条件に合っているかを考えるようにしましょう。
子育てしやすいかは家選びも重要です。
「大声で走り回っても周りに迷惑をかけたくない」「庭でのびのび遊ばせたい」なら、一戸建てが適しているでしょう。
しかし、街によっては一戸建ての建設や購入が難しい場合もあります。
反対に、街の条件を多少妥協しても満足いく家なら快適に子育てすることが可能です。
子育てしやすい街や家など、広い視点で住みやすさを検討することが大切です。
まとめ
住みやすい街の共通点について、6つに分けて解説しました。
実際には全ての条件を満たすことは難しいケースもありますが、そうした場合は、自分にとってどの条件が重要か優先順位をつけて考えるとよいでしょう。
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