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分譲地はやめたほうがいい?分譲地で家を建てるメリット・デメリットや注意点

分譲地での家づくりはやめたほうがいい、と聞いたことがあるかもしれません。

たしかに、分譲地には一般の宅地にはない特徴があり、その特徴が自分に向いていないという方もいらっしゃるでしょう。

一方で、人によっては、分譲地での家づくりがぴったりという方もいます。

本記事では、分譲地について、宅地や分譲住宅の違いなど基本的な内容をご紹介したうえで、メリット・デメリットや、やめたほうがいいと言われる理由などを解説していきます。

分譲地とは?分譲地と宅地の違い

家づくりではまず土地選びが必要になります。

土地を選んでいると「宅地」や「分譲地」という表記を目にするでしょう。

それぞれ家を建てるための土地という点は同じですが、細かな制限などが異なるので違いを理解しておく必要があります。

宅地とは?

宅地とは、地目の一つであり、家を建てられる土地のことを指します。

土地の登記簿には、土地の利用状況に合わせた地目が記載されています。

地目には、「田」「畑」「山林」など23もの種類があり、宅地もその中の一つです。

ちなみに、宅地は地目の中で次のように定義されています。

「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地」

ただし、宅地以外の地目でもこれから建物を建てるために宅地として売り出されているケースもあります。

分譲地とは?

分譲地とは、不動産会社などが所有する広い土地をいくつかの区画に切り分けて家を建てるために販売している土地のことです。

そもそも「分譲(分割譲渡)」とは、一つの物を分割して譲渡(売却)するという意味をもちます。

一つの土地を分割して売却することから、分譲地と呼ばれるのです。

分譲地も宅地の一種となります。

分譲地は、販売されている区画数によって「大規模分譲地」と「小規模分譲地」の2種類があります。

大規模分譲地とは、一般的には20区画以上で販売されている分譲地です。

なかには、100以上の区画で販売しているケースもあり、一つの街として形成されている分譲地もあります。

広大な土地が必要になることから、郊外などで販売されていることが多い分譲地です。

反対に、数区画だけで販売されている小規模分譲地は、駅近や市街地などで販売されているケースが多いでしょう。

分譲地と宅地の違い

分譲地も宅地も家を建てるための土地という点は同じです。

しかし、分譲地は区画整理され、家を建てるために作られた土地であることから、次のような違いが生まれます。

  • インフラ整備
  • ハウスメーカー選びや住宅の自由度

インフラ整備

一般的に、分譲地の方が一宅地よりもインフラが整っています

地目が宅地であっても、その前まで山や田畑など家が建っていない土地というケースは珍しくありません。

土地によっては、電気・水道・ガスといったインフラが整備されておらず、家を建築する前にまずインフラ整備から必要になることもあるのです。

一方、分譲地は、不動産会社などが買い取って整備してから販売するため基本的にインフラは整っています。

ハウスメーカー選びや住宅の自由度

宅地は、その土地にどのような家をどこのハウスメーカーを使って建てるかは所有者が自由に決められます。

しかし、分譲地は基本的に建築条件付き土地です。

建築条件付き土地とは、文字通り建物を建てる条件がある土地のことをいい、建てる家や利用するハウスメーカーが決められている状態で販売されています。

自分の好きな間取りやハウスメーカーが決まっている場合は、そのメーカーが所有する分譲地を選ぶ必要があるのです。

ただし、宅地・分譲地にかかわらず、土地に対する建ぺい率や容積率などの制限がある点には注意しましょう。

分譲住宅や分譲マンションと分譲地の違いとは

「分譲」と付く不動産には分譲地以外にも、「分譲住宅」「分譲マンション」があります。

先述したように、分譲は一つの物を分割して譲渡(売却)する方法です。

しかし、分譲だけでは何を分割するかは分かりません。

何を分割するかまで明確にしたのが「分譲○○」となり、土地だけを分譲して売却する場合が分譲地となるのです。

一方、分譲住宅とは、分譲地に建つ一戸建てのことを指します。

土地と建物セットで販売されていることから、建売住宅と呼ばれることもあるでしょう。

厳密には、建売住宅は土地単体で建築されることがあるのに対し、広い土地を切り分けた分譲地で建築されるのが分譲住宅と呼ばれるという違いがあるのです。

また、分譲マンションは1棟のマンションを部屋ごとに販売した物件です。

賃貸マンションが不動産会社など1棟丸ごとで1人の所有者となるのに対し、分譲マンションは購入者が所有者となるため、1棟のマンションでも部屋ごとに所有者が異なります。

分譲地に家を建てるメリット

家を建てる際の土地の選択肢となる「宅地」と「分譲地」。

どちらを選べばいいのか悩む方も多いでしょう。

ここでは、分譲地に家を建てるメリットについて解説していきます。

メリットとしては、次の4つが挙げられます。

  • 生活インフラが整備されている
  • 同条件の土地より比較的安価に購入しやすい
  • 同時期に家が建つため近い年齢層の方が多くなりやすい
  • 生活利便性が高いケースが多い

それぞれ詳しくみていきましょう。

生活インフラが整備されている

分譲地は家を建てるために販売された土地であり、事前に不動産会社によって生活インフラが整備されているのが一般的です。

宅地の場合、土地によっては生活インフラの整備から必要になります。

仮に、水道管を引き込む工事が必要になると数十万円費用がかかり、近隣に家がないなど水道管本管が離れていると100万円以上かかるケースもあるのです。

特に、今まで宅地として利用されていなかった土地ではインフラ整備から必要になる可能性が高く、整備費用だけで高額になってくる点には注意しましょう。

たとえすでに家が建ったことがある土地でも、かなり昔の家だったというケースでは今のインフラと条件が異なるため費用が高額になることもあります。

分譲地であればインフラ整備された状態で購入できるので、整備にかかる費用を抑えられるというメリットがあるのです。

また、生活インフラだけでなく土地として整っていない点にも注意しましょう。

宅地の場合、土地に段差がある際には、擁壁などの整備が必要になることがあります。

そもそも隣地との境界線が明確になっていないケースもあるでしょう。

宅地は、あくまでも土地として販売されており、家を建てるために整備されていないケースも少なくないのです。

同条件の土地より比較的安価に購入しやすい

分譲地は、不動産会社がまとめて広い土地を購入して切り分けて販売するため、同じ条件の土地を単体で購入するより安くなるというメリットがあります。

土地に建物を建てる場合でも、分譲地は規格が決まっている反面、規格化や資材の大量発注などで建築コストを抑えているのが一般的です。

同じ条件の土地・建物であれば、分譲地で購入したほうが費用を大きく抑えられるというメリットがあります。

また、土地・建物セットで購入すれば、資金計画が立てやすいというメリットもあります。

土地を自分で探して注文住宅を建てると、土地と建物別々に費用が発生します。

特に、注文住宅は自分の希望をあれこれ詰め込める反面、予算オーバーになりやすいものです。

ライフライン整備や地盤改良が必要になると、想定外の費用が発生するケースもあるでしょう。

その点、土地・建物付きであれば、トータルの費用がほぼ決まっています。

資金計画を立てやすく、住宅ローンも組みやすい点は、大きなメリットと言えるでしょう。

同時期に家が建つため近い年齢層の方が多くなりやすい

分譲地は、一般的に複数の区画から成り立ちます。

大規模分譲地になれば、20区画以上で販売されており、一つの街のような状態とも言えます。

その区画が同時期に販売されるため、購入する層はおおよそ似通ってくるものです。

宅地の場合、昔からあるコミュニティに新たに入っていく必要があり、なじめない場合は孤立してしまう恐れもあります。

その点、分譲地は似たような年齢層の人たちが同じ時期に生活をスタートさせるので、コミュニケーションをとりやすく生活しやすい環境となるでしょう。

また、子どもにとっても自分に近い年齢の子どもが近くにいるのは、楽しく過ごせる環境を作りやすいというメリットになります。

生活利便性が高いケースが多い

分譲地は、住みやすいように環境が整えられているケースが多いというメリットもあります。

プライバシーに配慮した家の間隔で区画が作られており、公園・ゴミステーションなども整備されている分譲地が一般的です。

特に、大型分譲地ともなると街づくりのように開発が進められ、スーパーや公園など生活しやすい環境が整えられます。

街全体としてのデザインも統一されるので、景観も美しくおしゃれな雰囲気で生活できるというメリットもあります。

子どもがいる家庭を想定していることが多く、公園設備だけでなく交通事故に遭わないような道路設計がされているケースも少なくありません。

分譲地によっては防犯カメラや警備員の巡回など防犯体制もしっかり整えられており、利便性のよさだけでなく安心して生活しやすい環境と整えられているのです。

分譲地に家を建てるデメリット

分譲地にはデメリットもあるので、デメリットまで理解したうえで購入を判断することが大切です。

デメリットとしては、次の4つが挙げられます。

  • 自由に土地を選べない
  • 土地の広さがある程度決まっている
  • 近隣とのコミュニティが形成されやすい
  • 建築条件付きであることが多い

それぞれ詳しくみていきましょう。

自由に土地を選べない

分譲地は、不動産会社が開発・販売している土地です。

希望のエリアがあっても、そこで分譲地が販売されていなければ分譲地として購入することはできません。

エリアや立地条件など具体的な希望がある場合、分譲地では叶えにくいという点には注意しましょう。

特に、広い土地を必要とする分譲地は、郊外など利便性の悪い場所にあるケースも少なくありません。

交通の便が悪いと、通勤や通学に支障が出る恐れもあります。

利便性のよい分譲地を選ぶなら、小規模の分譲地を検討することをおすすめします。

土地の広さがある程度決まっている

区画を整理して販売しているので、広さが決まった状態で販売されます。

宅地であれば、売主と交渉することで土地の一部だけ購入や隣地を含めて広く購入できるケースもあるでしょう。

しかし、分譲地は販売されている土地をそのままの広さ・形状で購入することになるので、柔軟な対応は難しいものです。

また、一般的には分譲地はそれほど広くありません。

広大な土地を希望している場合も、分譲地は向かないといえるでしょう。

近隣とのコミュニティが形成されやすい

似たような年齢層で同時期に生活をスタートできる点は、コミュニケーションをとりやすいというメリットの反面、人付き合いが密になりやすいというデメリットにもつながります。

密な人付き合いが苦痛になるという人も少なくないので、どのような人付き合いを希望しているかは、一度明確にしておくことをおすすめします。

建築条件付きであることが多い

分譲地の多くが、建築条件付きで販売されています。

建築条件付きの土地である場合、ハウスメーカーが決められており、自分の好きなメーカーで建築できません。

建てる建物についても条件が設けられているケースも多いでしょう。

建物の条件が付いている場合、規格商品を選ぶことになり、多少は希望を反映して貰えても基本的なプランを変えられません。

自分の理想の間取りや家族構成に合った家にしたいという場合、建築条件付きかどうかはしっかりと確認する必要があります。

また、自由に建築できる場合でも分譲地は広さが決まっており、選ぶ区画によって建築できる建物の自由度が変わってきます。

家づくりのこだわりが強い場合は、分譲地以外で土地を探したほうが叶えやすくなるでしょう。

分譲地はやめたほうがいいと言われる理由

インターネットで検索すると「分譲地はやめたほうがいい」という意見を目にしたことがある人もいるでしょう。

分譲地にはデメリットもあるため、やめたほうがいいと言われることがあるのです。

分譲地をやめたほうがいい理由には、次の3つが挙げられます。

  • 濃密な人間関係が形成されてしまうことが多い
  • プライバシーを確保しにくくなることがある
  • 子どもが他人の土地に侵入してしまうケースがある

濃密な人間関係が形成されてしまうことが多い

デメリットとして挙げたように、分譲地では密な人間関係が形成されやすいという特徴があります。

情報の共有や助け合い・防犯性という点では、コミュニティ形成にもメリットがあります。

しかし、濃密な人間関係は良いことばかりではありません。

人付き合いが頻繁にあることで疲れてしまうだけでなく、人付き合いからトラブルに発展する恐れもあるでしょう。

近隣トラブルに発展してしまっても、分譲地を購入して家を建てた以上、簡単に引越しはできません。

我慢してその場で生活し続けなければならず、大きなストレスになる可能性があります。

また、分譲地の場合、家を建てた時点で隣の土地がまだ販売中のこともあります。

その場合、隣にどんな人が住むのかわからないというデメリットもあります。

プライバシーを確保しにくくなることがある

分譲地によっては、景観を保つために高いフェンスや塀の設置が規制されているケースもあります。

また、分譲地によっては密集住宅地のように、住宅同士の距離が近いケースも少なくありません。

塀やフェンスを設置できない・隣の家が近いとなると、道路や隣からの視線が気になります。

プライバシー確保だけでなく、隣地が近いことは生活音でトラブルになる可能性もあるので注意が必要です。

子どもが他人の土地に侵入してしまうケースがある

一般的に子育て世帯が多い分譲地では、エリアの子どもの人数も比較的多くなります。

子ども同士が楽しく遊びやすいというメリットはありますが、よその子どもによる不法侵入のケースもあるので注意が必要です。

特に、フェンスが設置されていない状態の家では、ボールが入った・友達の家だから立ち入ったなどと言った理由で子どもが勝手に入ってくるケースは珍しくありません。

反対に、自分の子どもが勝手に他人の家の庭に入ってしまいトラブルに巻き込まれる恐れもあるでしょう。

また、子どもの声のトラブルもあります。

分譲地では子どもが集まって遊ぶ光景は珍しくありません。

子どもの声を賑やかと感じるか、うるさいと感じるかは、人それぞれですが、自分の家の前の道路で、大勢の子どもが毎日騒いでいるとストレスに感じる人もいるでしょう。

このように、子どもが多いエリアは、トラブルが起こる可能性があるため、やめた方がいいと言われるのです。

子どもだけでなくペットが問題となるケースもあります。

一戸建てなのでペットが飼える魅力もありますが、鳴き声で騒音トラブルに発展する恐れもあるので注意しましょう。

分譲地に家を建てる際に注意すべきポイント

分譲地を選ぶ際の注意点として、次の2つを押さえておく必要があります。

  • 建築条件付きかどうかを確認する
  • インフラ整備代は不要だけど、土地代に含まれていると考えるべき

建築条件付きかどうかを確認する

建築条件付きの土地の場合、利用できるハウスメーカーや建築する時期・建築できる建物に条件が付けられています。

指定されたハウスメーカーや施工時期で問題ない人であれば、デメリットにはなりません。

しかし、希望するハウスメーカーや施工時期が異なる場合は、別の土地を選ぶ必要があります。

また、分譲地では周りも同じハウスメーカーになるため、他と同じようなデザインとなり個性を出すことが難しいものです。

ハウスメーカーの施工プランなどもしっかりと確認して、自分の希望や好みに照らし合わせて確認することも大切です。

インフラ整備代は不要だけど、土地代に含まれていると考えるべき

分譲地の多くはインフラ整備が不要なので、インフラ代が浮いたと考える人もいるでしょう。

しかし、一般的にはインフラ整備代が土地代に含まれている点には注意が必要です。

土地だけを購入するよりも割高になるケースも多いでしょう。

一方、インフラ整備のされていない状態で販売されている分譲地もあります。

その場合、土地代にインフラ整備代が含まれるのか、別途請求されるのかはしっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

分譲地について、宅地との違いや分譲地に家を建てるメリット・デメリット、やめたほうがいいと言われる理由についてなど解説しました。

分譲地には、同じタイミングで家を建てることから、同年代の人が近隣に住みやすく、コミュニティが形成されやすいといった特徴があります。

これらの特徴は良い面と悪い面があるため、自分に合っているかどうかを慎重に検討することが大切だといえるでしょう。

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