マイホームの外壁は、住んでいる人の個性が出るものです。せっかく外壁を検討するなら、ご近所から憧れられるような、おしゃれな外壁の家に住んでみたいと思いませんか?
この記事では、おしゃれな外壁にするためのポイントや、人気のあるスタイルをご紹介します。ぜひ参考にして、理想の家造りにチャレンジしてみましょう。
おしゃれな外壁の中で人気の4パターン
一口に「おしゃれな外壁」と言っても、さまざまなパターンがあります。以下では、その中でも特に代表的な人気のパターンを4つご紹介しましょう。
色合わせで個性を演出する「ツートンカラー」
ツートンカラーは、おしゃれな外壁の中でも一二を争う人気のパターンです。外壁を2色に塗り分けることで、見た目に変化をつけて個性を際立たせます。
1階部分と2階部分で色を変えるツートンカラーは、一番簡単で失敗するリスクが低い塗り分け方です。反対に、家を縦に断ち切ったように左右で塗り分けるツートンカラーは、少し難易度が高くなります。
バルコニーなどで外壁に凹凸のある家であれば、凹部分と凸部分で色を塗り分けるのもよいでしょう。その他にも、玄関周りだけを違う色にするといった塗り分け方もあります。
ツートンカラーの場合、2色の比率は6:4~7:3を目安にするとバランスがよく見えます。
センスが光る「アクセントカラー」
外壁のごく一部を別の色にするアクラントカラーも人気のあるパターンです。アクセントカラーを入れることで、家全体の印象が引き締まります。
アクセントカラーによく見られるのは、屋根・玄関ドア・バルコニーの色をそろえる方法です。幅広のラインを引いたように、外壁そのものを塗り分けるスタイルもよく目にします。
ベースとなる色は白やベージュといった薄い色にし、アクセント部分は茶や黒などの濃い色にすることが多くなっています。反対に、ベースを濃い色にしてアクセントを薄い色にすると、スタイリッシュな印象になります。
ポイントは、アクセントカラーの割合を5~10%にすることです。そのくらいのバランスであれば、ベースカラーが引き立ち、センスもよく見えます。
素材感のギャップで魅せる「異素材貼り分け」
2種類の外壁材を組み合わせる異素材貼り分けも、近年では人気となっています。この異素材貼り分けは、モルタル壁の一部にタイルを貼ったり、家のコーナー部分にレンガ風の外壁材を貼ったりすることで、見た目の変化を演出する方法です。
異素材貼り分けをする際には、素材感のギャップを大きくするとセンスを感じられるでしょう。例えば、金属的な質感のあるサイディングに、温かみのある板張りを組み合わせるといったスタイルです。
どんな素材を組み合わせるかによって、住む人の個性をアピールできます。
個性溢れるデザインの「アクセントパーツ」
屋根飾り・壁飾り・妻飾りなどのアクセントとなるパーツを取り付けるパターンもおすすめです。パーツを付け加える以外にも、バルコニーの手すりや窓の面格子をデザイン性の高いものにして、アクセントにする方法もあります。
風見鶏のような屋根飾り、壁飾りや妻飾りなどは、ヨーロッパの住宅ではよく見かけられています。そのため、アクセントとなるパーツのデザインも、欧風のものが多くなっています。
小粋な雰囲気を出したい場合は、アクセントパーツで外壁を彩るのがおすすめです。
おしゃれな外壁のベースとなる4つのテイストを紹介
おしゃれな外壁にするには、最初にデザインの方向性を決めておくことが大事です。目指すテイストが決まらないまま「あれも入れたい、これもやりたい」とアイデアを詰め込んでしまうと、おしゃれとはほど遠い散漫な印象になってしまうでしょう。
ここでは、おしゃれな外壁のベースとして人気のテイストを4つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
都会的で洗練された「シンプルモダンテイスト」
シンプルモダンテイストとは、余計な装飾をできる限り減らし、素材そのものが持つ風合いや美しさを追求するテイストです。
金属やガラスといった無機質な素材が用いられることがほとんどです。住宅自体のデザインも直線的でシンプルなものにすることで、スタイリッシュで都会的な印象になります。
シンプルモダンテイストは、余計な要素が少ないため、流行に左右されることがありません。すっきりとしたイメージで、長く住み続けても飽きが来ないので、幅広い世代から支持されています。
日本の伝統美を取り入れた「和モダンテイスト」
和モダンテイストとは、現代的でスタイリッシュなモダンテイストに、日本の伝統的な建築材を加えたデザインのことをいいます。洋風なモダンテイストと、和の素材というギャップのある組み合わせがセンスを感じさせます。
和モダンテイストでよく使われる和素材としては、瓦・木板・竹・漆喰などがあります。注目すべきは、いずれも天然の素材であることです。
モダンテイストは、スタイリッシュで洗練されたデザインである一方で、冷たい印象になってしまうかもしれません。そこに温かみのある和の素材を加えることで、独特の雰囲気が醸し出されるのです。
エコで柔らかい印象の「ナチュラルテイスト」
ナチュラルテイストは、木目や漆喰など天然素材の質感を活かしたテイストです。多くの場合、白やベージュなどの明るい色を基調に木目をコーディネートして暖かみを演出します。
家の外観をナチュラルテイストにする場合は、外壁そのものを木目にする、玄関ドアや窓枠を木製にする、玄関アプローチに自然石を敷くなどのスタイルが多くなっています。
ナチュラルテイストで使われる素材は天然由来のものであり、季節や時間による風合いの変化も感じられるでしょう。全体的に柔らかい印象になるため、街並みにもなじみやすくなります。
小粋でかわいさのある「ヨーロピアンテイスト」
ヨーロピアンテイストとは、ヨーロッパの住宅でよく見られるような、小粋な雰囲気にまとめたスタイルのことです。ヨーロピアンテイストの多くは、デザイン性のあるアクセントパーツを使ったり、外壁にワンポイントでペイントアートを入れたりすることで、洗練されながらも温かみのある雰囲気に仕上げます。
ヨーロピアンテイストといっても、さまざまなスタイルがあります。
例えば、イギリスの伝統様式を取り入れたチューダー風は、重厚さと機能性を両立させたデザインが特徴となっています。天然素材と大きな窓が特徴の北欧風は、日差しを取り入れるのに適しています。
イタリア風は、シンプルなデザインの中に装飾柱やアーチを取り入れて、バランスのよいシルエットを描き出します。テラコッタ調タイルや無垢材をふんだんに使った地中海風であれば、親しみやすさや可愛らしさを感じる住宅になるでしょう。
おしゃれな外壁におすすめの外壁材4つ
外壁材にはさまざまなものがありますが、おしゃれな外壁の家を造るには、それぞれの外壁材の特徴を知っておくとよいでしょう。ここでは、おしゃれな外壁におすすめの4つの外壁材をご紹介します。
手頃で種類も豊富な「サイディング」
サイディングは、価格が安く軽量なため、日本の住宅で最も多く使われている外壁材です。戸建て住宅の約80%は、サイディング外壁となっています。
最も多く使われているということは、それだけニーズも高いということなので、バラエティ豊かな製品が出ています。
サイディングには、大きく分けて2種類あります。セメントなどを原料に成形して焼き固めた窯業系サイディングと、ガルバリウム鋼板を使った金属系サイディングです。窯業系と金属系では、同じサイディングでも全く違う質感になっています。
窯業系サイディングには、レンガ調・タイル調・木目風・天然石風などがあり、手軽にさまざまな質感が出せる点が魅力です。
耐久性に優れた「タイル」
タイルは、粘土などの原料を板状に成形して、高温で焼き固めた建築材です。非常に耐久性が高いため、浴室をはじめとする水場の床材としてもよく使われています。
タイルの魅力は、高級感や重厚感があることでしょう。タイル1枚1枚に立体感があるため、独特の風合いが楽しめます。色褪せもしにくいため、年月が経っても古びた印象になりません。
タイルもサイディングと同じく、バラエティ豊かな製品が揃っています。レンガ調や天然石風のタイルもあるので、外壁のアクセントとして使ってみるのもよいでしょう。
職人の技術とセンスが勝負の「塗り壁」
塗り壁とは、モルタルや漆喰などを左官職人が手作業で塗って仕上げた壁のことです。一つ一つ手作業で作っていくため、世界で1軒だけのオリジナル外壁を造ることが可能です。
塗り壁というと、真っ平らに塗ったものを想像するかもしれません。しかし、塗り方によっては凹凸を付けることができます。
よく見られるのは、平らに塗った上から塗料を吹き付ける「玉吹き」と呼ばれる方法や、ローラーで模様をつけていく方法です。ブラシで塗り壁の表面を掻き落とすことで、凹凸を付けることもあります。
熟練の職人なら、コテを使って模様を描き出すこともできます。わざとコテの跡を残して、ナチュラルな雰囲気を出すのもよいでしょう。
どんな壁になるかは、職人のセンスと技術にかかっているといえます。そのため、信頼できるハウスメーカーに依頼し、しっかりと打ち合わせをしてイメージを伝えましょう。
オーガニックな印象の「木板張り」
木板張りは、天然木から作られた「羽目板」と呼ばれる細長い板材で仕上げる施工方法です。フローリングの床も木板張りの一種と考えると、イメージが伝わりやすいでしょう。
羽目板を地面と垂直になるよう縦向きに使うと和風、横向きに使うと洋風の印象になります。
木板には、平らに張るだけではなく、端を2~3cmほど重ねながら張り上げていく「下見張り」と呼ばれる工法もあります。下見張りをすると板のラインが強調されるため、より印象が強まります。
木の温かみが感じられる木板張りは、異素材同志の貼り合わせにもぴったりです。鋼板と組み合わせれば、スタイリッシュな中にも人間的なぬくもりを感じさせる独特の風合いが生まれます。
おしゃれ外壁で失敗しないためのポイント4つ
おしゃれな外壁にしようと知恵を絞ったのに、家が完成してみるといまひとつ野暮ったくなってしまったということがあります。
以下では、原因として考えられる代表的なポイントをいくつかご紹介します。これを参考に、ぜひおしゃれな外観の住宅を造ってみてください。
色数を絞る
使われている色の数が多いと、ごちゃごちゃした印象になり、おしゃれ度が下がってしまいます。色数は、できれば3色以下に絞りましょう。
パステルブルーや鮮やかな青、もしくは紺色といったように、同系色でまとめる場合も、最大で4色が限界と考えてください。
見逃しがちなポイントとしては、雨どいや電気メーター、エアコンの室外機といった、住宅設備の色です。設置場所によっては非常に目立ってしまうため、設計段階から十分に考えておきましょう。
また、同じ色に塗装しても、素材によって発色が違ってくることがあります。例えば、屋根と窓枠を同じ色にしたつもりが、色の見え方が違ってしまったというケースです。
発色が異なると別の色に見えてしまうことも考えた上で、色数を絞るようにしましょう。
原色同士を組み合わせは避ける
原色とは、赤・青・黄色の3色をいいます。色の印象が非常に強いため、組み合わせると目がチカチカしてしまい、野暮ったい印象になってしまいます。
原色だけではなく、黒や茶色、紺といった濃い色も、組み合わせが難しい色といえるでしょう。原色や濃い色を外壁に使う際には、白やベージュといった薄い色と組み合わせるのがおすすめです。
また、外壁のベースとなる色に原色や濃い色を使うと、家全体の印象が非常に強くなり圧迫感が出てしまうこともあります。周囲の家や街並みにもなじまず、悪目立ちしてしまうでしょう。
外壁に原色や濃い色を使いたい場合は、部分的に使ってアクセントにする、薄い色と組み合わせて印象を柔らかくするといった工夫をするとよいでしょう。
建材サンプルだけでの確認は避ける
家の外壁を考える際に、カタログの写真だけでは色合いや質感が分かりづらいことがあります。建築材や塗料を選ぶときは、実物サンプルでの確認が必須だと考えておきましょう。
さらに言えば、サイズの小さな建材サンプルを見るのと、広い面積に使われた建材サンプルを目にするのとでは、印象が違う場合もあります。手元のカラーチップではすてきな色に感じられたのに、壁全体に塗ったら圧迫感が出てしまった、といったケースは珍しくありません。
可能であれば、実際に希望の建築材や塗料を使っている住宅を見学しましょう。サンプルしか見られない場合は、室内で見るだけではなく、サンプルを外に持ち出して自然光でも確認しておきましょう。
ものによっては、照明の明かりと自然光では見え方が異なることもあります。家の外壁は自然の光の下で見るものなので、より実際の見え方に近い状態で確認するよう心がけることが大切です。
メーカーにイメージを正確に伝えるサンプルを用意する
おしゃれな外壁の具体的なイメージはあるのに、それをなかなか言葉で表現できないことがあるかと思います。実際にハウスメーカーと打ち合わせをする段階でも、相手にイメージが伝わらなければ理想の家は造れません。
より正確にイメージを伝えるためには、サンプル写真を用意するのが早道です。ネットなどで理想に近い家の写真を探しておけば、イメージが伝わりやすくなるでしょう。
なかなかイメージが伝えられないと、打ち合わせの時間や回数が増えてしまいます。打ち合わせを繰り返すうちに疲れが出てしまい、自分では気づかないうちに「これでよいか」と妥協してしまうかもしれません。
そういったリスクを避けるためにも、サンプル写真などを用意してスムーズな打ち合わせを目指しましょう。
まとめ
おしゃれな外壁と一口に言っても、さまざまなテイストやスタイルがあり、使われる建築材やテクニックも多種多様なことがお分かりいただけたと思います。
最初は住宅雑誌やカタログなどを満遍なく見て、理想の構成を決めるところから始めるとよいでしょう。
タクトホームは、これまでにさまざまなテイストの家を建築してきました。その豊富な実績から、ご希望に添ったアドバイスをご提案します。おしゃれな外壁の家が造りたいとお考えの方は、ぜひ一度タクトホームに足を運んでみてください。