平屋は2階建てよりも泥棒に狙われやすいですが、その理由をご存知でしょうか。
ここでは、平屋が泥棒に狙われやすい理由と、平屋の家造りでやっておきたい防犯対策、採用したい防犯グッズなどについて解説していきます。
日常からできる防犯対策についても紹介しますので、これから平屋を建てる予定の方は、防犯対策を考慮して家造りの計画を進めましょう。
Contents
なぜ平屋は狙われやすいの?
平屋は、1階建てのワンフロアのフラットな住宅です。2階建てや3階建てよりも簡単に侵入しやすいため、泥棒に狙われやすくなります。
なぜ平屋が狙われやすいのか、その理由は次の4つが考えられます。
- 侵入できる窓が多いから
- 死角があるから
- 移動しやすい間取りだから
- 目立つから
それぞれの理由について見ていきましょう。
侵入できる窓が多いから
「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、一戸建て住宅における空き巣や忍び込みの半数以上は、窓から侵入しています。窓からの侵入は、住宅の階数が多くなるにつれて割合が低くなるため、平屋の場合はより一層の注意が必要ということです。
鍵を掛け忘れているとそこから侵入されてしまうため、日頃から戸締まりを徹底する必要があります。勝手口の施錠を忘れてしまう人も多いですが、死角になりやすい勝手口は泥棒にとって絶好の侵入経路になるため要注意です。
死角があるから
平屋では、プライバシー確保のためにカーテンやブラインドを閉じることが多いです。また、背の高いフェンスを造って目隠しにする人もいるでしょう。
これらの遮蔽物は、外部からの視線を遮って死角を作ってしまうため、侵入者にとって隠れやすい場所になってしまいます。
また、庭の手入れを怠って雑草が伸びていると、侵入者の存在を隠してしまいます。雑草が伸びきっている庭のある平屋は、その家は留守にしがちという印象を持たせてしまう場合があります。プライバシーを確保しながら、死角になる箇所をできるだけ作らないようにする必要があります。
移動しやすい間取りだから
平屋はワンフロアにすべての生活空間がまとめられており、2階建てや3階建てのように上下移動がありません。住む人にとって快適な間取りですが、泥棒にとっても内部を移動しやすいという欠点があり、狙われやすい理由の一つとなっています。
目立つから
広い平屋は存在感が強くて目立ちます。そのため泥棒がどの家に侵入しようか品定めするときに、平屋は目に付きやすいだけでなく魅力的にも見えてしまうのです。
侵入されないためにも、防犯対策を徹底しなければなりません。
平屋の家造りでやっておきたい防犯対策
平屋は、目立ちやすく死角を作りやすいなど、泥棒に狙われやすい理由がたくさんあります。
泥棒に侵入されないために、家造りの段階から防犯対策を徹底しましょう。
ここでは、平屋の家造りでやっておきたい防犯対策をご紹介します。
- 防犯ガラスやシャッターを採用する
- 面格子付きの窓を取り入れる
- 二重ロックにする
- 窓を小さくする・少なくする
- 防犯を意識した間取りを考える
- 中庭のある間取りにする
- センサーライトを設置する
それぞれの防犯対策について見ていきましょう。
防犯ガラスやシャッターを採用する
防犯ガラスは、強度が高くて割れにくいため、通常のガラスよりも安全性に優れています。防犯ガラスなら、泥棒が窓ガラスを割って侵入するのにも時間がかかるため、効果的に侵入を防止することが可能です。
さらに、防犯シャッターを設置すれば、より侵入リスクを減らせます。
シャッターは、家を開けるときや夜間に閉める習慣を付けることで、防犯意識の高さを泥棒に見せつけることができます。
防犯シャッターにはスチールやアルミニウムなどの材質がありますが、スチールのほうが頑丈でおすすめです。さびにくく、耐久性の高い素材を選びましょう。
シャッターにはさまざまなロック機能があります。シャッター自体に施錠機能が付いているか、内部にロック機能が付いていると安心です。デジタルロック機能が付いていると、より防犯性を高めることができます。
防犯性だけでなくデザイン性も重視し、自宅の外観に合うデザインを選びましょう。美しさも重視するなら、透明タイプのシャッターがおすすめです。
面格子付きの窓を取り入れる
面格子とは、窓に設置される金属製の格子のことです。窓からの侵入を物理的に阻止できます。
例えば、浴室やトイレの窓などに面格子を取り付ければ、家の安全性もより高められるでしょう。
最近では、実用的な機能を持ちながら、デザイン性にも優れた面格子がたくさんあるので、平屋のデザインに合ったおしゃれな格子を選ぶのもおすすめです。
二重ロックにする
既存のロックに加えて追加で設置する補助鍵を取り付けることで、二重ロックにすることが可能です。これにより、泥棒がドアや窓をこじ開けるのを阻止できます。
戸締まりを忘れがちな勝手口を二重ロックにすれば、より防犯性が高まって安心です。
窓を小さくする・少なくする
泥棒が窓から侵入できないように、窓のサイズを小さくしたり少なくしたりするのも効果的です。大開口の窓は魅力的ですが、平屋の場合は防犯性も考慮した上で窓の設置を検討しましょう。
侵入経路となりやすい道路側の窓は数を少なくしたり、高窓や天窓を設置したりすることで、日当たりや風通しをよくしながら防犯対策を整えられます。
防犯を意識した間取りを考える
防犯を意識した間取りは、平屋の家を考える上で重要です。
最近では、女性や高齢者を狙う犯罪も増えているため、その対策も施さなければなりません。
例えば、洗濯物を外干ししないのも一つの手です。泥棒は洗濯物を見て「女性しかいない」「小さな子どもがいる」などの家族構成を把握しようとします。ランドリールームで洗濯物を干すようにすれば、泥棒に家族構成を知られずに済みます。
また、玄関は道路側に設けましょう。人の視線が気になるため、詐欺や押し売りなどの訪問者も訪れにくくなります。
中庭のある間取りにする
「大開口の窓を付けたいけど、防犯面を考えると心配」という方は、ロの字型の中庭がある間取りがおすすめです。
外部に面する窓はすべて小さい窓にして、中庭部分に大きな窓を設置することで、窓を開放していても、泥棒に侵入されることはありません。
また、プライベートなアウトドアリビングとしても使えるので、家族でバーベキューを楽しんだり、窓を開放して気持ちのよい風を取り込んだりすることもできます。
ただ、広い敷地が必要になることと、水はけをよくするために中庭の排水方法を考えなければならない点には注意が必要です。
センサーライトを設置する
玄関までのアプローチや勝手口の近く、庭などに人感センサーライトを設置しましょう。人が家に近づくとセンサーが感知して照明がつくので、泥棒は驚いて退散します。
一度でもセンサーライトの存在を知らせることで、泥棒もあなたの平屋には近づかなくなるでしょう。
平屋の防犯対策で採用したい防犯グッズ
家が完成した後も自分で防犯対策ができます。
ここでは、平屋の防犯対策で採用したい防犯グッズをご紹介します。
- 防犯フィルム
- 反射フィルム・ミラーカーテン
- 防犯砂利
- 防犯カメラや警報システム
それぞれの防犯対策を見ていきましょう。
防犯フィルム
防犯フィルムとは、既存の窓ガラスに後付けできるフィルムのことです。防犯フィルムを取り付けることで、ガラスがより割れにくくなります。
万が一、ガラスが割れた場合、破片が飛び散りにくいという効果もあります。
防犯フィルムは設置が簡単で、比較的手頃な価格で手に入れることが可能です。
反射フィルム・ミラーカーテン
日中はカーテンを開けて過ごすことが多いなら、窓ガラスに反射フィルムを貼ったり、ミラータイプのレースカーテンを使ったりするとよいでしょう。外から日々の生活をのぞき見られにくいので、家族構成や生活パターンも把握されにくくなります。
ただ、ガラスの種類によっては反射フィルムを貼れないものもあるため、取扱説明書をしっかりと読んだ上で使用しましょう。
防犯砂利
防犯砂利は、踏むとジャリャリッと大きな音が出る砂利のことです。泥棒が侵入したときに、砂利の音が警告音として響き渡ります。
家の周辺や窓の下など、泥棒が侵入しやすいと考えられる場所に防犯砂利を敷くと効果的です。
防犯砂利にはガラスや天然石などの種類があります。大きな音がして手頃な価格のものなら、ガラス製の防犯砂利がおすすめです。天然石の場合、見た目はおしゃれですが、防犯砂利としての音が物足りない場合もあります。防犯性を重視するなら、パッケージに「防犯」についての記載が書かれている砂利を選びましょう。
防犯カメラや警報システム
より防犯性を高めるなら、防犯カメラを採用しましょう。
万が一に備えて録画できるタイプのものを設置するのがおすすめです。家の正面だけでなく、家の裏側や両側面など、死角がなくなるように設置するとより効果的といえます。
また、カメラの視野も考慮しましょう。広角カメラなら1つのカメラで広範囲をカバーすることも可能です。赤外線機能付きのカメラなら、夜間でも鮮明な映像を残せます。録画機能には常時録画やモーションセンサー付きのカメラもあり、クラウドに保存できると万が一壊れてもデータを確認することが可能です。
窓を開けたときに、警備会社にお知らせが届くように警報システムを採用するのもおすすめです。泥棒が窓をこじ開けて侵入するとすぐに駆けつけてくれます。警報システムを採用した場合、窓などの開口部にセキュリティ会社のシールも貼られるため、抑止力としても効果的です。
ただしどちらも費用が高いので、導入が難しい場合はダミーの防犯カメラを設置するのもひとつの手でしょう。
泥棒にはダミーなのか本物なのか把握できません。目立つ場所に取り付けて、泥棒に警戒心を持たせるだけでも防犯対策としては効果を発揮します。
設置する際は、手の届きにくい場所に設置しましょう。そうすることでカメラを破壊されるのを防げます。
日常からできる防犯対策
家造りや入居後にできる防犯対策もありますが、日頃から防犯を意識して過ごすことも大切です。
最後に、日常からできる防犯対策を見ていきましょう。
- ご近所と交流する
- 施錠の習慣を身に付ける
- 郵便物をこまめに回収する
- バケツや脚立を置きっぱなしにしない
それぞれの防犯対策を解説します。
ご近所と交流する
ご近所と交流をしっかりと持つようにしましょう。
隣近所などお互いのことを知ることで、より安心できます。
仲よくなれば、もし不審な人や車があなたの家の近くに現れたときも、気にしてもらえるようになるでしょう。
また、地域コミュニティと緊密な連携を取って、互いに見守り合うことも大切です。不審者が現れたらすぐに情報共有するなど、迅速な対応もできます。
施錠の習慣を身に付ける
5分から10分など短い外出でも、必ず施錠する習慣を身に付けましょう。
「ゴミを捨てに行くだけ」など、ほんの少しの時間でも泥棒は目ざとく狙ってきます。
家だけでなく家族を守るためにも、施錠習慣はとても大切です。
特に勝手口の施錠を忘れる人は多いです。
勝手口は、洗面所やキッチンなど道路に面していない場所に設置されることが多く、特に死角となりやすい場所でもあります。
油断しやすいですが、泥棒にとっては絶好の侵入経路です。
ゴミ捨てのちょっとした時間でも、勝手口の施錠を行い、防犯意識を高めてください。
郵便物をこまめに回収する
郵便物がたまっていると、「留守しがちの家」と思われて泥棒に狙われやすくなります。
忙しくてチラシなどがポストにたまりがちという人もいるかもしれませんが、できるだけポストの中身を確認して、こまめに回収するようにしましょう。
長期で外出する場合は、新聞を止めてもらう、郵便受けを何も受け付けないように塞いでおくなどの対策を行ってください。
バケツや脚立を置きっぱなしにしない
バケツや脚立は、泥棒が侵入するときの足場にされる可能性があります。
鉢植えやブロックレンガを使って、高窓から侵入しようとする泥棒もいます。
そのため、高窓だからといって絶対に侵入されないというわけではありません。
庭など外に置きっぱなしにせずに、できるだけ倉庫や家の中にしまっておくようにしましょう。
万が一踏み台になりそうなものがあっても侵入されないように、高窓であっても必ず施錠する習慣を身に付けてください。
まとめ
平屋だけでなく、2階建てや3階建てでも防犯対策は重要です。
ただ平屋の性質上、どうしても泥棒に狙われやすいため、特に平屋は注意した方がよいといえるでしょう。
さまざまな防犯対策を活用し、泥棒に狙われにくい家造りをしてください。
タクトホームでは、累計59,000棟以上の建築経験とスキルがあります。防犯対策などさまざまな側面から、安心して暮らせる住まい造りをお約束します。
家造りについてお悩みなら、ぜひ一度タクトホームへご相談ください。