お金(節約術)

持ち家を維持するために、どんな費用がかかる?維持費の内訳や節約ポイント

「念願の新しい家を手に入れた!」と思っても、そこがゴールではありません。持ち家を維持していくためには、さまざまな費用がかかります。それを考えずに家を建ててしまうと、維持費の捻出に苦労することも。

一戸建ての木造住宅を建てたとして、いつごろ、どのくらいの費用が必要になるのでしょうか。持ち家にかかる維持費について、詳しく見てみましょう。

持ち家にかかる維持費は、大きく分けて3種類

持ち家を維持していくためにかかる費用は、大きく分けて「税金」「保険料」「修繕費用」の3つが考えられます。それぞれどんな費用なのか、詳しく説明します。

固定資産税や都市計画税などの税金

固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している人が支払わなければならない税金です。毎年1月1日の時点で金額を計算し、固定資産の所有者に払込用紙が送られてきます。

固定資産税の金額を計算するための基準となるのは、固定資産税評価額です。固定資産税評価額は、売買で実際に支払った金額ではありません。それぞれの土地や建物について地方自治体が定めた金額で、実際の売買価格の60~70%となることが多いようです。

固定資産税の金額は、固定資産税評価額×1.4%と考えておきましょう。場合によっては優遇措置も設けられています。標準的な一戸建て木造住宅の場合、課税額は年間10~20万円程度です。

都市計画税は、土地や建物の所有者に対して固定資産税と同時に請求されます。ただし「都市計画法」に定められた市街化区域以外の土地や建物には、都市計画税はかかりません。

都市計画税の税率は自治体によって自由に決められますが、上限は0.3%となっています。標準的な一戸建て木造住宅なら、課税額は2~5万円程度です。

関連記事:持ち家にかかる固定資産税・都市計画税はいくら?計算方法を確認しておこう

関連記事:家を建てるときにかかる税金とは?5つの税金について計算方法や軽減措置をご紹介

地震保険や火災保険などの保険料

持ち家を購入すると、多くの人は火災保険や地震保険に加入します。住宅ローンで土地や建物を購入する場合、貸し出す条件として保険への加入が義務づけられるケースもあります。

火災保険は、火災や落雷、台風などで建物や家具に損害を受けた時に、損害保険金が受け取れます。火災保険の対象は、「建物」と「家財」に分かれていることが一般的です。

建物と家財の両方に加入する以外に、建物のみ、家財のみといった契約もできます。保険料は保険会社によって異なりますが、建物と家財とのセットで年間1~2万円になることが多いようです。

地震が起こると、その地域の家屋が一斉に被害をうけることになります。賠償金額も大きくなるので、地震による被害は火災保険では補償されません。そのため火災保険とは別に、地震保険にも加入しておいたほうがいいでしょう。

地震保険の補償範囲は、地震や地震によって起こった火災、噴火、津波です。ただ、地震保険の補償額は火災保険の補償額の50%までと、法律で上限が定められています。

また、地震保険は、単体で契約することはできません。必ず火災保険とセットで加入することになります。ただし、地震保険の保険料には割引制度があり、耐震等級が高い建物や、免震構造の建物なら、保険料が安くなります。

家のメンテナンス費用

どれほどきれいな家も、時間の流れとともに次第に古びてきます。長く住み続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。持ち家の維持費の中では、家のメンテナンスや修繕にかかる費用が一番大きいといっていいでしょう。

マンションの場合、共有部分のメンテナンスは管理業者が行ってくれますし、費用も管理費や修繕積立金といった形で毎月徴収されます。しかし、一戸建ての持ち家では、メンテナンスの発注や修繕費の積み立ても自分でしなければなりません。

インターネットでのアンケートによると、メンテナンス費用を積み立てている一戸建ての所有者は、なんと10%以下でした。これではいざ大規模修繕を行う時に、費用が捻出できない可能性も。

いつ、どのくらいのメンテナンス費用がかかるのか、あらかじめ把握しておきましょう。そして毎月少しずつ修繕費用を積み立てておくと安心です。

家のメンテナンスにかかる維持費の目安は?

持ち家の修繕費用は、毎月毎年定期的にかかるわけではありません。しかし、メンテナンス箇所によっては、一気に大きな金額が出ていくこともあります。

持ち家を維持するためには、いつごろどんなメンテナンスが必要なのか、かかる費用はどのくらいなのか、標準的な住宅を例にとって挙げてみました。ぜひ参考にしてください。

家を維持するのに、どんなメンテナンスが必要?

日常の掃除もメンテナンスのひとつです。こまめに掃除することで、家のどこかにトラブルがあった場合にも、早期発見ができます。

できれば週に2回くらいの頻度で、水回りのチェックをしましょう。水回りのトラブルは、放置すると家の寿命を縮めるような事態にも発展します。特に異臭はトラブルの前兆なので、注意しておきましょう。

半年に1度は、雨樋の掃除もしたいものです。落ち葉や泥が詰まって流れが悪くなっていないか、割れや欠けがないか、チェックしておきましょう。定期的な掃除のほかに、大雨や台風の後も気をつけておくといいでしょう。

屋根や外壁、家の土台は、住んでいてもなかなかチェックできません。そういった素人には難しい部分を中心に、数年に1度は建築会社や専門業者による点検を受けるのがベターです。

どんな小さなトラブルでも、放置は厳禁です。まだ小さいトラブルのうちに発見して対処することは、家の寿命を延ばすだけでなく、修繕費用の節約にもなります

家のメンテナンスのサイクルは?

家を建ててから5年も経つと、家のあちらこちらに不具合が出てくることでしょう。その都度対処をしていても、築10年目くらいで大規模なメンテナンスが必要になるといわれています。

つねに風雨にさらされている外壁や屋根の塗装、ベランダの防水加工は、10年程度で寿命を迎えるからです。

10年も経つと、壁紙や床材も変色が目立つようになります。できればこのタイミングで、一気に大規模修繕を行いたいものです。木造住宅ではシロアリ被害が、家の寿命を縮める大きな要因となっています。シロアリの防虫加工も、10年ごとに行いましょう。

そして空調設備は15年くらい、給湯設備や水道管は15~20年くらいで寿命を迎えますキッチンやバスユニットといった水回りは、25年が寿命だといわれています。

さらに新築から30年経つと、屋根や外壁の建材も傷んできます。張り替えるにはかなりの金額がかかるので、その時になって慌てないようにしたいものです。

こういったサイクルを考えると、5年ごとに中規模メンテナンス、10年ごとに大規模メンテナンスを行うのがベターでしょう。

関連記事:木造住宅の耐用年数が22年ってホント? 家の寿命とは違うの?

メンテナンスにかかる維持費の目安

持ち家のメンテナンスにかかる費用は、家の広さや構造、使われている建材などによって変わってきます。でもある程度の目安がないと、どの程度準備しておけばいいのか不安に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで、主なメンテナンスにかかる費用と、メンテナンスサイクルを一覧表にしました。あくまで標準的な住宅をモデルにした目安ではありますが、参考にしてみてください。

外壁塗装    10年ごと  80~120万円
屋根塗装    10年ごと  40~50万円
壁紙張り替え  10年ごと 15~20万円
シロアリ工事  10年ごと 約15万円
ベランダ防水  10年ごと  約10~15万円
空調設備交換  15年ごと  15~20万円
給湯器交換   20年ごと 20~30万円
洗面化粧台交換 20年ごと 15~30万円
レンジフード交換 20年ごと  約10万円
トイレ本体交換  20年ごと  20~40万円
キッチン交換   25年ごと  50~150万円
バスユニット交換  25年ごと  50~100万円
フローリング張り替え30年ごと  20~40万円
外壁張り替え    30年ごと  150~200万円
屋根張り替え   30年ごと  100~200万円

持ち家の維持費を節約するには?

持ち家にかかる維持費のうち、税金や火災保険料は節約できるものではありません。節約するとしたら、メンテナンス費用ということになります。

さまざまなメンテナンスのうち、自分でできることは自分でやるのが、一番の節約法でしょう。ただし、専門業者に依頼したほうがいいこと、絶対に自分でやってはいけないことがあるので、注意が必要です。

簡単なメンテナンスは自分でする

自分でできるメンテナンスのうち、一番簡単なのはフローリングのワックスがけです。2~3ヵ月ごとにワックスをかけることで、フローリングの表面がコーティングされて長持ちします。

排水管の詰まりには、市販されているパイプ洗浄剤を使いましょう。ブラシなどを突っ込むと配水管を傷つけてしまうことがあるので、無理をしてはいけません。洗浄剤で詰まりが改善されない場合は、すぐに業者を呼びましょう。

トイレ詰まりも無理をすると、詰まりの原因を奥に押し込んで、どうにもならない事態を招きがちです。詰まりを溶かす洗浄剤やラバーカップを使っても改善しなければ、業者を呼んで対処してもらいましょう。

家の外周りも、ごく簡単な修理なら自分でできます。外壁のひび割れなどがないか、季節ごとに外観をチェックしてみましょう。

外壁の小さなひび割れは、市販のコーキング剤で埋められます。ただし塗装が剥がれている場合は、そこだけ塗り直すと、ほかの部分との違いが目立ってしまうことがあります。

最近は外壁の高圧洗浄が人気ですが、あまりおすすめできません。外壁のひび割れや、窓枠のコーキングの劣化があると、水が壁の内部に侵入してしまうからです。

業者に任せるべきメンテナンス

では絶対に自分でやってはいけないメンテナンスとは、どんなことでしょうか。それは電気やガスにまつわる工事です。いずれも大きな危険が伴うので、工事をするには資格が必要となっています。

水道関係の工事については、配管には資格が必要ですが、それ以外の部分なら自分でもできます。たとえば洗面所の水栓交換や、トイレの温水便座交換などです。

ただし、パーツの取り付けを間違えたり、取り付けの精度が低かったりして、水漏れの原因になってしまうことも。細かい作業に自信がないなら、素直に専門業者に依頼しましょう。

まとめ

持ち家を維持するための費用としては、税金、保険料、メンテナンス費用があることはご理解いただけたと思います。そのうち一番金額が大きくなるのは、メンテナンス費用でしょう。

簡単なメンテナンスは自分でもできますが、10年、15年といった節目ごとに、専門業者に依頼してメンテナンスを行うことで、家の寿命も延ばせます。

タクトホームで家を購入した方は、オーナーサポートシステムが利用できます。定期点検のほか、不具合が見つかった際に、連絡1本で専門業者を派遣するサービスを行っています。(※有償になる場合あり)

そのほかにも、さまざまなアフターサービスをご用意しておりますので、住宅に関することはぜひタクトホームにご相談ください。

タクトブログ編集部
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