家を新築する際に、ついおざなりになりがちなトイレ。しかしトイレは、家族全員が毎日必ず使う場所ですから、できれば快適で居心地のいい場所にしたいものでしょう。では、使いやすく快適なトイレにするためには、どんな部分に気をつければいいのでしょうか。使いやすいトイレ空間を造るポイントを紹介します。
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新築住宅のトイレで気をつけたいポイント
トイレ周りの設計をする際に気をつけたいポイントを7つご紹介します。ここを押さえておけば、決して使いにくいトイレにはならないことでしょう。
1.トイレの位置
トイレの位置を決める際に、重視したいポイントは2つあります。1つは日常生活の動線、もう一つはほかの部屋との距離です。
トイレに行きたいと思った時に、家族の動線を遮らないと行けないような位置関係だと、なかなか行きづらいものです。リビングを横切らないとトイレに行けない、といった間取りだと、来客時に恥ずかしくてトイレを我慢してしまうことも。誰もが行きやすく、邪魔にならない位置に置いたほうがいいでしょう。
しかしトイレは、他の人には気づかれたくないにおいや音を発生させる場所でもあります。リビングやダイニング、客間などからは離すといった配慮も必要です。
また2階にトイレを作る場合は、排水管を1階に通す必要があります。排水管を流れる水の音は、意外と気になるもの。深夜に使うことも考えて、排水管が寝室付近を通らないような間取りにするといいでしょう。
2.トイレの広さ
一般的なタンク付きトイレのサイズは、幅約45cm×奥行き約80cm。問題なく利用するためには、便器の両側に15cmずつ、便器からドアまで40cmは必要と言われています。
しかしこの広さだと、体格によっては少々窮屈に感じるはず。誰もが余裕を持って使えるトイレにするには、便器両側の余裕は各20cm、便器からドアまでは50cmほしいところです。
ちなみにトイレの平均的な広さは、マンションで幅80cm×奥行き120cm、一戸建て住宅で幅80cm×奥行き160cmとなっています。
スペースに余裕があるようなら、子どものトイレトレーニングや将来的な介護のことも考えて、幅120cm×奥行き160cmとっておくといいでしょう。このサイズなら、介護者が一緒にトイレに入ることができます。
3.トイレのタンクの有無
トイレにあまり広いスペースがとれない場合は、タンクレストイレにするのも一つの方法です。タンクレストイレなら、便器自体のサイズが幅約45cm×奥行き約70cmなので、多少は余裕ができることでしょう。
ただしタンクレストイレにした場合、別に手洗い場を作る必要があります。さらにタンクレストイレは、停電時には水が流せないというデメリットもあります。
タンクレストイレには節水効果が高いというメリットがありましたが、それは2000年代以前のトイレと比較しての話です。昔のタンク式トイレは1回の大洗浄に約13リットルという大量の水を使っていましたが、現在のタンク式トイレは1回の大洗浄で約4リットルと、タンクレスとほぼ変わらない水量になっています。
タンクレストイレには、「水道直結なので連続で水を流せる」「凹凸が少なく掃除しやすい」というメリットがあります。使い方や頻度も考えて、タンク式かタンクレスか選びたいものです。
4.トイレの機能
トイレの機能というと、温水洗浄など便座についているものを想像する人が多いでしょう。しかし、流水方式など便器本体に関わる機能があります。
水の勢いで汚物を押し流す「洗い落とし式」、サイホンの原理を使って汚物を流す「サイホン式」、フチの裏とは別の場所からも水が流れる「サイホンゼット式」や「フローアウト式」、渦巻き効果を加えた「ボルテックス式」「トルネード式」など、新しい技術を採用したトイレが続々と開発されています。
便座はわりと簡単に交換できますが、便器そのものの交換はそう簡単にはできません。だからこそ、新築の時点でしっかり選んでおきましょう。
機能によって便器のサイズや形にも違いがありますし、当然のことながら価格も変わってきます。洗浄力だけではなく、汚れのつきやすさ、掃除のしやすさ、節水効果など多角的に考えて、便器を選びたいものです。
5.トイレの収納
トイレに必要な設備として、収納があります。少なくとも予備のトイレットペーパーを置くスペースは確保しておきたいですね。
トイレ内の収納スペースは、タンクの上か手洗い場の下に作るのが一般的です。しかし、あまり高い場所に設置すると、物の出し入れがしにくくなります。
トイレの広さを考えず扉付きの収納を作ってしまい、物が取り出しにくくなることも。また、収納スペースが大きすぎると、圧迫感が出てしまいます。
どうしても収納スペースがとれないという場合は、四隅のどこかに三角棚を設ける、ニッチと呼ばれる飾り棚のような壁の凹みを作るといった方法で、最小限の収納スペースを確保してみるのもいいでしょう。
6.トイレの窓
トイレに窓をつけると、光を取り込むだけでなく、換気にも役立ちます。ただ、外から覗かれるリスクもあるので、窓の位置や大きさ、防犯対策にも気を配りたいものです。
近年ではプライバシー保護の観点から、あえてトイレに窓をつけないという住宅も少なくありません。その場合、換気扇を設置しておいたほうがいいでしょう。
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7.トイレの電灯
トイレに窓をつけて採光をよくしていても、夜に利用するなら電灯は必要です。電灯のスイッチを設置するなら、高さに気をつけましょう。小さいお子さんがいるご家庭だと、子どもが電灯スイッチに手が届かないため、トイレのたびにご両親が付き添わなければならないといったことも。
トイレの電灯を人感センサー式にしてしまうのも一つの方法です。しかし人感センサー式は、長時間トイレにこもって動かないでいると、消灯されてしまうというデメリットがあります。またトイレに窓がある場合、人感センサー式の電灯だといつトイレに入っているか外から分かってしまうため、防犯面で不安を感じる人もいます。
トイレの電灯については、家族構成やそれぞれのライフスタイルを考えて検討しましょう。
居心地のいいトイレにするための内装
家族の誰もが使いやすい快適なトイレにするためには、設計段階だけでなく、内装にも気を配る必要があります。ここではトイレの内装のポイントを見てみましょう。
トイレの壁材
トイレの壁材は、汚れがつきにくく落としやすいものがおすすめです。施工費を考えても、防水性のある壁紙で仕上げるのがいいでしょう。
タイル貼りも耐久性・防水性に優れていますが、目地に汚れがつくと落としにくいというデメリットがあります。木材やモルタルは、汚れが落としにくいので、避けたほうがいいでしょう。
トイレの壁紙は、色やデザインによって雰囲気が大きく変わってきます。清潔感を出したいなら、明るい色の壁紙がおすすめです。
しかし、明るい色の壁紙は汚れも目立ちやすいので、こまめな拭き掃除が欠かせません。トイレの壁の1カ所だけに大きな模様を入れる、トイレ内を1周するように太めのボーダーラインを入れるといったデザインにすると、目線が誘導されるので汚れが目立ちません。
トイレの床材
トイレの床材としては、塩化ビニール製で弾力のあるクッションフロア、フローリング、タイル貼りなどが考えられます。中でもおすすめは、防水性があり掃除がしやすいクッションフロアです。
フローリングは水に弱く、汚れが染み込みやすいので、あまりおすすめできません。タイルには、目地の汚れが落としにくいというデメリットがあります。
クッションフロアにはさまざまなデザインや色が選べますが、明るい色のほうがトイレを広く見せる効果があります。汚れがついた場所が分かりやすく、掃除しやすいというメリットも。またクッションフロアなら、流せるお掃除シートで便器と一緒に掃除できるという利点もあります。
まとめ
トイレはよく「家で一番狭い部屋」と言われますが、狭くても便器のタイプや室内の設備、壁紙や床材まで決めることがたくさんあります。誰もが毎日必ず使う場所だからこそ、家族全員でよく話し合って、快適な場所にしたいものです。
タクトホームではこれまでに、累計59,000棟以上の住宅をご提供してきました。培った経験と実績で、ご家族全員が快適に使えるトイレをご提供しています。マイホームの新築をご検討なら、ぜひタクトホームにご相談ください。
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