新築一戸建て

小さい家とは?定義から暮らすメリットまで詳しく解説

家族の人数が多いわけではないし、建てるなら小さい家で十分だと考えているけれど、実際に小さい家で暮らすイメージがわかないと感じている人はいませんか?

この記事では小さい家の定義から小さい家で暮らすメリットまで詳しく解説します。

小さい家の定義とは?

建築に関する法律では「小さい家」の定義がはっきりと定められておらず、「狭小住宅」「タイニーハウス」のように呼び方もハウスメーカーや不動産会社により異なります。

しかし小さい家と呼ぶからには、建設された住宅における延床面積(建物の各階の床面積の合計)の平均値よりは小さい延床面積の家でなければいけないでしょう。

2020年度に住宅金融支援機構が買い取りまたは保険付保の承認をした78,560件を対象に行った、「2020年度 フラット35利用者調査」の結果によると、注文住宅における延床面積の全国平均は37.63坪(124.4㎡)でした。このことから、30坪以下の家は小さいと考える人が多いと言えるでしょう。

参考:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」

小さい家が注目される背景とは?

みなさんは、ミニマリストのインフルエンサーがライフスタイルについて雑誌やSNSで発信しているのを見たことがあるでしょうか。

近年日本では「ミニマルライフ」といった言葉で表現される、必要最小限の物でシンプルな生活を送るというライフスタイルに注目が集まっています。

ミニマルライフは、小さい家でも限られた空間内にいろいろな工夫を施し、快適な生活を送ることができます。

そのためミニマルライフに憧れを持つ人にとっては、小さい家は自分の理想をかなえやすい空間であり、住みたいと考える人が増えてきているのです。

小さい家で暮らすメリットとは?

小さい家で暮らすと、どのようなメリットがあるのでしょうか。

5つご紹介します。

家族間のコミュニケーションが取りやすくなる

一般的に、小さい家ほど個室のスペースが狭く、共有スペースが広くなるという傾向があります。

例えばリビング・ダイニング・キッチンを1つのスペースとしてまとめると、家族が自然と同じ空間で過ごすことが増えるため、声がけや会話がしやすくなるでしょう。

建てる時のイニシャルコストを抑えられる

小さい家を建てる場合、建築価格が低いためイニシャルコスト(初期費用)を抑えることができます。

現金で購入できる価格帯の小さい家では、住宅ローンを組まずに済むこともあるでしょう。

また小さい家は、スペースに合わせて設備や家具・家電を厳選して設置する必要があるため、家具や家電の数が減り、その設置費用も併せて抑えることができます。

関連記事:注文住宅を建てる時にかかる「諸費用」とは?

ライフサイクルコストを抑えられる

小さい家で暮らす場合、ライフサイクルコストを抑えられるというメリットもあります。

ライフサイクルコストとは生涯費用やLCCとも呼ばれ、建物や製品が作られてからその役割を終えるまでにかかる費用を合計した金額です。

住宅の場合は、計画・設計から建設、住まう期間を経てリフォームや修繕を行い、解体されるまでにかかる費用の合計金額を指します。

小さい家の場合建築価格、住まう期間の光熱費、設備のメンテナンス費などの費用を抑えることができるということです。

関連記事:持ち家を維持するために、どんな費用がかかる? 維持費の内訳や節約ポイント

税金が安く済む

家を建てた時にかかる税金には印紙税、登録免許税、不動産取得税の3種類、家を建てた後にかかる税金には固定資産税、都市計画税の2種類があります。

これらは契約金額、固定資産税評価額、債権金額に応じて増加するため、小さい家を建てる場合は安くなるのです。

関連記事: 家を建てるときにかかる税金とは?5つの税金について計算方法や軽減措置をご紹介

動線をコンパクトにできる

動線とは、建築において人や物が移動する経路のことで、住宅においては家事動線・通勤動線・衛生動線・来客動線の4種類があります。

2017年にフリーダムアーキテクツが新築で住宅を建てた20歳以上の人187名を対象に行ったアンケート調査によると、住宅の動線を決める際に最も苦労したのが「家事動線」だった人が63%、「来客動線」だった人が18%という結果でした。

例えば家事動線では家の出入り・洗濯・料理をする際の動きを考える必要がありますが、小さい家ではこれらの動きをコンパクトにまとめることができるため、家事にかかる時間や労力を節約できるのです。

参考:フリーダムな暮らし「家の間取りは動線を考えて!4つの動線のポイント」

小さい家で暮らす際の注意点

小さい家で暮らす際の注意点にはどのようなことがあるのでしょうか。

3つご紹介します。

収納プランをあらかじめ考えておく

小さい家で暮らすなら、収納プランをあらかじめ考えておきましょう。

収納プランを考える際に意識したいのは次の3つです。

  • 片付けやすくするために使う場所に収納スペースを設置すること
  • 片付けやすくするために動線を考慮して収納スペースを設置すること
  • 美しく物を配置するために「見せる収納」と「見せない収納」にわけること

小さい家に収納できる量に合わせて、あらかじめ使う物の量を減らしておくことも大切です。

ライフスタイルが変化した時対応しにくい

小さい家を建てる場合、ライフスタイルが変化した時、増築がしにくいため対応できなくなることも想定されます。

例えば、一人の子供が新しい世帯を持ち独立すると、残された家族が使用できるスペースがその分広くなります。しかし、もし誰かが介護が必要な生活になった場合、車いすや杖をついて移動したり、介護用のベッドを置いたりするスペースを考慮しなければなりません。

家を建ててから後悔しないためにも、小さい家で豊かに暮らすために、必要最小限のスペースを20年後、30年後にわたってどのように活かすかを一度考えてみるのが望ましいでしょう。

プライベートを保ちにくい

小さい家で暮らす場合、一人一人のプライバシーは確保しにくくなります。

しかし近年ではリモートワークの普及により、一人で過ごせる空間を確保できるパーソナルブースやパーテーションが販売されているため、このようなアイテムを用いて空間を仕切るのもよいでしょう。

<h2>小さい家を住みやすくする間取りのポイントとは?</h2>

小さい家を住みやすくするためには、間取りにどのような工夫が必要なのでしょうか。

3つのポイントをご紹介します。

水まわりと玄関を広くする

小さい家を住みやすくするなら、トイレやお風呂、ランドリールームなどのスペースを広くしましょう。

生活する際に頻繁に使用する水まわりを広く、掃除のしやすい空間とすることで時間や手間が節約でき暮らしやすくなります。

また、玄関を広くすることで家の中には収納したくないものや雨の日の自転車なども収納できるため、使い勝手の良い家となるでしょう。

防音対策をしっかり行う

住宅が密集している土地に小さい家を建てる時、特に意識したいのが防音対策です。

なぜなら、住宅が密集した土地に家を建てる場合、少なくとも2方向、多ければ4方向が隣の家になり、それぞれの距離も近くなるためです。

隣の家の音が自宅に響くことだけではなく、自宅から出る物音もしっかりと遮断し、周囲の家に暮らす人たちに迷惑をかけないようにすることが重要だと言えるでしょう。

騒音の問題は近所づきあいにおけるトラブルの原因となってしまうため、子供ができたらきちんと挨拶していれば大丈夫だといった甘い見通しをたてるのではなく、建築計画の段階からしっかりと対策を施しておくことが大切です。

部屋を細かく区切り過ぎない

小さい家で家族間のコミュニケーションが取りやすくなる寸法を考える上で参考となるのが、パーソナルスペースです。パーソナルスペースとは、心理学用語で他者に侵害されたくない空間を指します。

パーソナルスペースには4つの種類があります。

パーソナルスペースの種類内容近接相遠方相
密接距離ごく親しい人に許す距離で家族や恋人、親しい友人なら違和感がない0cm~15cmで抱きしめられる距離15cm~45cmで手で相手に触れられる距離
個体距離相手の表情が読み取れ手を伸ばせば触れられる距離で、友人や親しい同僚なら違和感がない45cm~75cmで相手を捕まえられる距離75cm~120cmで両方が手を伸ばせば指先が触れる距離
社会距離会話が容易で上司や初対面の人でも違和感がない120cm~2mでビジネスの場で用いられる距離2m~3.5mで公的な商談などに用いられる距離
公共距離相手の表情は読み取りにくく、個人的な関係は成立しにくいので全く知らない人でも違和感がない3.5m~7mで講演者と聴衆といった形式上の距離7m以上で一般の人が社会的地位のある人と会合やイベントで面談する場合のかしこまった距離

これらによると、小さい家では家族が遠くても社会的距離までの距離感でいられるよう、部屋を区切り過ぎないようにすることが望ましいと言えるでしょう。

床の高さを変えて開放感を維持しながら部屋をわけることができるスキップフロア、上下の階を1つの空間としてつなぐ吹き抜け、個人のスペースとしても収納としても使い勝手のよいロフトなどで間仕切りの仕方を工夫すると、家族がほどよい距離感でいられる小さい家が実現できます。

まとめ

小さい家とは建築に関する法律では定義がはっきりと定められていませんが概ね30坪以下の住宅を指し、コストや税金を抑えて家族間のコミュニケーションが取りやすくなるなどメリットの大きい家だと言えるでしょう。

この記事も参考にして小さい家を建てる、小さい家で暮らすとはどのようなことなのかをイメージし、将来にわたる住まい方や家族のライフスタイルも踏まえて、素敵な家となるよう計画をしてみてください。

タクトホームは累計54,000棟以上の住宅を供給してきた中で培ってきたノウハウを、お客様のニーズに合わせて小さい家に最大限盛り込みたいと考えています。

そのためタクトホームでは家づくりをライフスタイルに合わせて1,000以上のプランから選べるセレクト住宅やキッチン・浴室・トイレ・階段をカスタマイズできるセミオーダー住宅、専任スタッフが0からプランを提案するフリープラン住宅の3種類に分けてご提案しています。

小さい家を建てて暮らしたい、そう感じたら是非タクトホームにご相談ください。

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