新築一戸建て

注文住宅と建売住宅、結局どちらがいいの?

一戸建ての購入を検討する際に、建売住宅がいいのか、注文住宅がいいのか、悩む人も多いのではないでしょうか。しかし、検討しようにも「建売住宅は安い、注文住宅は高い」といった程度のイメージしか湧かないことも多いはず。

注文住宅と建売住宅には、どんな違いがあるのでしょうか。メリットやデメリットだけでなく、それぞれの住宅に向いているタイプまで、分かりやすく解説します。

注文住宅と建売住宅、それぞれの特徴

注文住宅と建売住宅の違いについて、基本的なところはすでにご存知のことと思います。ですが、どちらがいいかをじっくり比較検討するために、まずは改めてそれぞれの特徴を見てみましょう。

注文住宅と建売住宅の違い

注文住宅は、施主が施工会社に注文して建ててもらう、オーダーメイドの住宅です。一方建売住宅は、完成した新築の家を選んで買うスタイルになっています。

大きな違いは土地です。注文住宅は、まず家を建てる土地を用意しなければいけません。それから施工会社に依頼して、自分の好みの家を建てます。対して建売住宅は、土地と家がセットになって販売されています。

土地の価格は場所によって大幅に違うので比較しにくいのですが、一般的に建売住宅のほうが、注文住宅よりも安く販売されています。その理由をさらに詳しく見てみましょう。

建売住宅が安い理由

建売住宅の多くは、広い土地を区切って、数棟から数十棟という規模で一気に建築されます。たくさんの家をまとめて造ることで、建材の仕入れ価格や人件費を抑えているのです。

設計も、標準的なプランをいくつか用意して、そのバリエーションで賄われています。そのため設計にかかる費用も圧縮できるのです。

一点ものよりも大量生産品のほうが安くなることを考えれば、建売住宅の価格が安くなるのも理解できるでしょう。というと、建売住宅のほうが注文住宅よりグレードが低いように感じられるかもしれませんが、そうとは限りません。

最近では、建材の仕入れ価格や人件費を節約して浮いたコストを、家のグレードアップに回した高級建売住宅も増えてきています。

注文住宅が高い理由

注文住宅の価格が高くなってしまう理由のひとつは、注文から完成までの工期の長さにあります。まず施主の希望を聞くところから始めて、設計を一から行うので、どうしても工期が長くなってしまいます。

工期が長くなればなるほど、人件費もかさんできます。その結果、建築費に占める人件費の割合が建売住宅より高くなってしまうのです。

また、建材もまとめて仕入れることができないので割高になります。時には施主の希望に合わせて、特別な住宅設備を取り寄せすることもあります。結果として、必然的に建築費が膨らんでしまうのです。

関連記事:注文住宅を建てるのにかかる費用はどのくらい?費用相場や費用別に建てられる家のイメージなどご紹介

注文住宅のメリット・デメリット

注文住宅と建売住宅のどちらがいいのか判断するには、それぞれのメリット・デメリットをきちんと把握しなければなりません。まずは注文住宅のメリットとデメリットを見てみましょう。

注文住宅のメリットとは?

  • 思い通りの家を建てられる
  • 家の外観やデザインで個性を発揮できる
  • どこにお金をかけるかメリハリがつけられる
  • 家づくりの過程を見学できる

注文住宅の大きなメリットは、自分の思い通りの家を建てられることでしょう。間取り、外観デザイン、建材、キッチンやトイレなどの住宅設備まで、施工会社と相談しつつ自由に決められます。

屋根や壁の色、デザインなどで個性を発揮することもできます。ライフスタイルに合わせた間取りを考えて、家を通して自己実現するのもいいでしょう。

また、建築にかかる費用を調整できるという利点もあります。こだわりたい部分にお金をかけ、そうでないところは無難にまとめるなど、メリハリをつけて建築費用を節約できるのも注文住宅のメリットです。

家が少しずつできあがっていく過程を眺められるのも、注文住宅の醍醐味でしょう。単純に嬉しいという以外に、施主が工程を見学することで、現場で働く職人たちにもいい緊張感が生まれるという効果があります。

関連記事:注文住宅を建てる流れと段取りを順を追って解説!

注文住宅のデメリットは?

  • 入居できるまでの期間が長い
  • 建築コストが高い
  • こだわりすぎると予算をオーバーする
  • 資金計画が複雑になる

理想の家づくりができる注文住宅ですが、デメリットもあります。ひとつは、すぐには住めないということでしょう。

土地を持っていたとしても、施工会社を探して設計からスタートし、実際に家が建つまでには、どんなに短くても半年、長ければ1年半くらいかかります。土地探しから始めるなら、さらに半年から1年くらいの期間がプラスされます。

そうでなくても注文住宅は、工期が長い分建築費が高くなる傾向があります。理想にこだわりすぎて、予算をオーバーしてしまうことも少なくありません。こだわる部分とそうでない部分でメリハリをつけるといった、割り切り方が必要でしょう。

資金計画が複雑になるのも注文住宅ならではの特徴です。建売住宅なら、すべての支払いをまとめて住宅ローンで賄うこともできますが、注文住宅ではそうはいきません。

まず土地を購入してから施工会社を探して契約し、ようやく建築に入る注文住宅は、住宅完成までにさまざまな支払いが必要になります。ところが住宅ローンは、基本的に建物が完成してからでないと融資を受けられないのです。

土地代や家の着手金を現金で用意できない場合、「つなぎ融資」と呼ばれるローンを利用するのが一般的です。一時的にお金を借りて、住宅ローンが下りてから一括で返済するシステムです。

ただ、つなぎ融資は住宅ローンより金利が高めになっています。住宅ローンのみを利用する場合に比べて、融資の申し込みなど手続きの手間も2倍になります。

関連:注文住宅を建てる流れと段取りを順を追って解説!

注文住宅を建てる時に気をつけるべきポイント

  • 土地を選ぶ際にはハザードマップを確認
  • 人口が減少傾向にある地域は避ける
  • 施工不良がないかチェックする

もし注文住宅を建てるとなった時、どんなポイントに気をつけたらいいのでしょうか。実は最大のポイントは、土地選びにあります。

土地や家といった不動産は、多くの人にとって人生で最大級の買い物です。住んでみてから「やっぱり気に入らなかった」と、簡単に交換したり手放したりするのは難しいでしょう。

土地を選ぶ時に注意すべきは、災害リスクです。都市部であっても液状化や河川の氾濫などが発生する恐れがあるので、買う前には必ずハザードマップで確認しておきたいものです。

土地にかける予算をなるべく抑えたい、少ない予算でなるべく広い土地を買いたいと思うと、郊外のベッドタウンという選択肢が出てきます。しかし、古くから開発されたベッドタウンは開発当初から住む高齢者が多く、人口が少しずつ減少していることがあります。

人口が減少傾向にある土地では、住んでみたらスーパーマーケットが撤退してしまった、バスの便数が徐々に減ってきてしまった、学校が統合されて遠くなったなど、生活が不便になってしまうリスクがあります。土地を購入する前には、国や自治体が発表している人口統計データなどもチェックしておきましょう

土地を購入して実際に家を建て始めてからも、気をつけるべきポイントがあります。それは施工不良のチェックです。

どんな家でも人間が作るものですから、どうしてもミスは起こります。ほんの小さなミスでも、長期間放置されると家の寿命が短くなってしまうことにもつながりかねません。高いお金を払って家を建てたのに、それではあまりに残念ですよね。

とはいえ素人が建築現場を見回っても、ミスを見つけるのは難しいでしょう。ですから、建物検査士の資格を持つプロにチェックしてもらう、最初から検査工程を含んでいる施工会社を選ぶといった対策がお勧めです。

注文住宅に向いているのはどんな人?

  • 家の間取りや外観デザインにこだわりたい人
  • 入居までに1年以上の時間がとれる人
  • すでに土地を持っている人

注文住宅のメリット・デメリットを把握すると、どんな人が注文住宅に向いているのかが見えてくると思います。なによりも間取りや外観イメージなどにこだわりがあるなら、迷わず注文住宅を選ぶべきです。

また、入居までに1年以上の余裕がとれる人でないと、注文住宅の建築は難しいと考えておきましょう。急いで建てようと土地選びや設計などの時間を短縮すると、完成した家に不満が残ってしまうこともあります。

そして、相続などですでに土地を持っている人も、注文住宅に向いているといえます。土地選びにかけるお金と時間を住宅建築に回せるので、満足のいく注文住宅が建てやすくなります。

建売住宅のメリット・デメリット

建売住宅というと、どうしても注文住宅より劣るというイメージを抱く方も少なくありません。しかし、建売住宅にもさまざまなメリットがあります。一つひとつ見ていきましょう。

建売住宅のメリットとは?

  • 注文住宅より価格が安い傾向にある
  • 完成した建物を実際に見て選べる
  • 標準的な間取りの家が多い
  • 購入後すぐに入居できる
  • 町並みとの統一感がある

建売住宅の最大のメリットは、注文住宅よりも購入費用がかからないことです。浮いた金額を、インテリアの購入費などに回すこともできます。

また、建売住宅の多くは建物が完成してからの販売となっています。購入時には実際に建っている家を見て選べるので、住み始めた後の日常生活がイメージしやすいといえるでしょう。

間取りも標準的なものが多く、実際に住んでみると暮らしやすさを感じられることも。気に入った家が見つかったら、すぐに住めるのも魅力のひとつです。

建売住宅は数棟から数十棟を一挙に建築するので、調和の取れた外観デザインとなることが多いです。そのため、町並みとの統一感があるのもメリットのひとつ。入居もほぼ同時期になるため、ご近所づきあいもしやすいことでしょう。

建売住宅のデメリットは?

  • 間取りや外観に好みを反映できない
  • 周囲の家と似通った外観になってしまう
  • 交通の便があまりよくないことがある
  • 手抜き工事のリスクが高い

すでに完成した家を購入するのが建売住宅です。そのため、間取りや設備などに好みを反映するのは難しいでしょう。中にはオプションが選べるタイプの建売住宅もありますが、外観デザインなどの大幅な変更はできません。

メリットの中に「町並みとしての統一感」を挙げましたが、裏を返すと自分の好みのデザインで個性を出すのは難しいということです。家を通して自分の個性を発揮したい、自己実現をしたいといった人には、建売住宅はお勧めできません。

手ごろな価格設定は建売住宅の魅力のひとつですが、価格を抑えるために交通の便の悪い土地に建てられていることも。購入時の年齢なら気にならない距離も、歳をとってからだときつく感じることがあります。

建売住宅を選ぶ時に気をつけるべきポイント

  • 購入前にはハザードマップを確認
  • 住宅の耐震性をチェックする
  • 施工不良がないかチェックする
  • アフターサービスがあるか確認する

注文住宅と同じように、建売住宅の場合も建っている土地についてよく調べてみる必要があります。新たに造成された住宅地は、元々住むのに向いていない土地だった可能性があるからです。

今まで開発されていなかった土地は、水害や土砂災害の危険性がある、地盤が弱いなどの欠点があって、住むのに適していないからこそ開発が遅れていたのかもしれません。ハザードマップなどを見て、災害リスクがないかチェックしておきましょう。

建売住宅の気密性や断熱性については、たとえ性能が低くてもリフォームで高気密・高断熱住宅にすることができるので、それほど気にする必要はありません。それよりも気にするべきは、住宅の耐震性です。

耐震性能は家の土台も関わってくるので、完成した後に耐震性能を上げることは難しいといえるでしょう。できないわけではありませんが、床や壁を剥がすような大規模工事になってしまいます。

また建売住宅では、基本的に工事の過程は見られません。そのため、外見はきれいでも床下に穴や水たまりがあった、天井裏に廃材が放置されていたといった、建築過程でのミスや不具合が出やすいともいえます。

実際に住み始めてから不具合が分かっても、なかなか補償してもらえないことがあります。ですから建売住宅を買う時には、しっかりとした検査体制の整った受託会社を選ぶのがお勧めです。

住み始めてから不具合が見つかった時に備えて、どんなアフターサービスが受けられるのか調べておくのも大事です。大手不動産会社では、定期的な点検や無料修繕といったアフターサービスを用意していることが多いので、事前に確認してみましょう。

関連記事:地震に強い家を建てたい! では地震に強い家の特徴とは?

建売住宅に向いているのはどんな人?

  • 新居購入のコストをなるべく抑えたい人
  • 家の間取りや外観デザインにこだわりがない人
  • 購入後すぐに入居したい人

建売住宅のメリット・デメリットをよく知ることで、どんな人が建売住宅に向いているかが分かると思います。住宅購入費用をなるべく安く抑えたいなら、建売住宅を検討してみましょう。

家の外観や間取りについて、これといったこだわりがない人は、建売住宅向きだといえます。注文住宅の場合、建材や壁紙など一つひとつ決めていかなければなりません。その行為が面倒だと感じる方は、建売住宅のほうがいいでしょう。

また、建売住宅は基本的に土地と家のセット販売なので、土地を探して購入する手間が省けます。完成した状態で販売されているので、できるだけ手間を省いてすぐに入居したいという人にはぴったりです。

まとめ

注文住宅も建売住宅も、それぞれメリットとデメリットがあることがお分かりいただけたでしょうか。注文住宅と建売住宅を単純に比較しても、どちらがいいのかは人によって違うため、明確な答えは出ません。

実際に家を購入する人が新居に何を求めているのかによって、注文住宅のほうが向いているのか、建売住宅がいいのかが決まるといえます。

自分にはどちらが向いているのか知りたいなら、まずは自分が新居に求めているポイントを書き出して、優先順位をつけてみましょう。それでも迷っている場合は、施工会社に相談してみるのもひとつの手です。

タクトホームは戸建分譲をメインに注文住宅、リフォーム事業や中古再販事業、アフターメンテナンスなど、住宅にまつわるさまざまな分野で幅広く事業を行っています。住宅建築や販売について知り尽くしているといってもいいでしょう。

だからこそ、お客様のご希望やお悩みに寄り添ったご提案ができます。家づくりで迷うことがあったら、ぜひ一度タクトホームにご相談ください。

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