新築一戸建て

注文住宅に吹き抜けを取り入れたい!メリット・デメリットや失敗しないためのポイント

注文住宅を建てるにあたり、リビングなどに吹き抜けを設置したいと考えている方もいらっしゃるでしょう。吹き抜けを設置するとで、見た目にもおしゃれな住宅にできるなどたくさんのメリットがありますが、デメリットや注意点があることをご存知でしょうか。本記事では、注文住宅に吹き抜けを設置するメリット・デメリットや注意点について解説していきます。

吹き抜けとは

吹き抜けとは、天井や床がなく複数階をまたがってできるひとつの空間のことをいいます。

商業施設やマンション・オフィスビルなどで、エントランスから上の階が見渡せたり、2階や3階フロアから下の階が見渡せる空間を目にしたことがある人も多いでしょう。

2階までの吹き抜けなら1階の天井と2階の床部分がないスペースになります。

3階までの吹き抜けの場合は、1階・2階の天井、2階・3階の床がなく、1階床から3階の天井までつながった空間となるのです。

大きな建物だけでなく、近年では吹き抜けを設けた住宅も増えています。

住宅で吹き抜けを設ける場合は、玄関やリビング・階段に設けるケースが多く、採光や開放感の演出などで人気があるのです。

注文住宅に吹き抜けを設けるメリット

吹き抜けを設けるメリットとしては、次の4つが挙げられます。

  • 開放感が生まれる
  • 明るくなる
  • 家族間でコミュニケーションを取りやすくなる
  • おしゃれになる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

開放感が生まれる

吹き抜けがあることで2階天井までの視界の抜けが生まれ、抜群の開放感を演出できます

空間の広さの感じ方は高さにも大きく左右されるものです。

実際には広い空間でも壁で四方を囲まれ、天井も低い状態であれば圧迫感から狭く感じてしまいます。

反対に、狭い空間でも天井が高いことで広く感じるようになるのです。

そのため、狭小住宅で広さを演出するために吹き抜けを取り入れるケースが増えています。

土地面積は限られているけどリビングはできるだけ開放感を持たせたい、と言った場合は吹き抜けを検討するとよいでしょう

明るくなる

吹き抜けの場合、2階部分に窓を設置するのが一般的です。

高い位置に窓を設けることで、季節を問わず採光しやすくなります。

高い位置から太陽の光を取り入れるので、部屋全体に光が届き明るい部屋にすることも可能です。

太陽の位置が低くなる冬場でも2階部分の窓なら光を取り入れやすく、1階でも太陽光の暖かさを感じやすいでしょう。

隣地の建物と近いなど採光性の問題がある場合は、吹き抜けを設けて採光性を上げることをおすすめします。

吹き抜けは採光性だけでなく、窓に高低差ができることで風通し面でも優れているのです。

暖かい空気は上に抜けていく性質があり、高い位置に窓があることで空気の循環が生まれます。

下の階の窓から上の階の窓への空気の循環が自然に生まれるので、空気を上手に入れ替えられるという点もメリットでしょう。

家族間でコミュニケーションを取りやすくなる

1階と2階の隔たりがなくなることで、家族とコミュニケーションを取りやすくなるというメリットも生まれます。

1階にいても2階の家族の気配を感じやすく、2階に上がらずとも声が届くのでちょっとした声掛けも気軽にできます。

吹き抜けのない家の場合、1階と2階は別の空間という認識になりがちです。

しかし、吹き抜けがあることで家全体が一つの空間という感じに変わり、家族の距離感も適度に近づけられるのです。

また、近年ではリビング階段と吹き抜けを設け、踊り場スペースを子供の勉強スペースやフリースペースにするケースも増えています

リビングやダイニングにいながら子供との会話もでき、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。

関連記事:リビング階段を作って後悔しないために、知っておきたいメリット・デメリット

おしゃれになる

吹き抜けがあることで家の中をグッとおしゃれに演出できます。

さらに、吹き抜け部分の窓や天井のデザイン・照明にこだわればよりおしゃれにすることもできるでしょう。

吹き抜けと階段を合わせる場合でも、スケルトン階段にして素材にこだわることでおしゃれさだけでなく開放感を演出することも可能です。

階段下の部分を本棚や勉強スペースなど活用できるというメリットもあります。

また、吹き抜けにすることで1階から2階部分まで見えるようになるので、自然と整理整頓が行きとどくようになり、部屋をスッキリ見せやすくなるでしょう。

関連記事:あこがれのデザイナーズ住宅(ハウス)とは?特徴や施工例を解説

注文住宅に吹き抜けを設けるデメリット

吹き抜けにはデメリットもあるので、デメリットまで正しく理解しておくことが大切です。

デメリットとしては、次の4つが挙げられます。

  • 初期費用が高くなる
  • スペースが取られる
  • 光熱費が高くなる
  • 掃除の手間がかかる

初期費用が高くなる

吹き抜けを設ける場合、吹き抜け設置に80~200万円ほど費用がかかります。

ただし、吹き抜けの場合、依頼する業者によって費用は大きく異なる点に注意が必要です

「吹き抜けを設けることで、その分2階の床面積が減るから費用が減るのでは?」と考える人もいるでしょう。

中には、床材などが減る分建築費総額はそれほど変わらない業者もいます。

しかし、吹き抜けを設ける場合、2階の床面積が減ることで構造の安定面での不安が生まれるため、他の部分で何かしら工夫をして安定性を強化する必要があるのです。

また、吹き抜けを設けるためには、高い位置に窓を付けるなど足場の設置が必要になり、その費用も加わります。

また、吹き抜けを設ける場合は家の断熱性を上げることも重要になります

シーリングや照明・窓デザイン・手すりなどにこだわれば費用はいくらでも掛かってくるでしょう。

このように、吹き抜けを設ける場合は吹き抜け自体の工事費用だけでなく、家全体の断熱性や耐震性を上げる工事・照明やシーリングファンの設置費用などもセットになってきます。

吹き抜けにいくらかかるかは業者によって異なりますが、単純に2階床がない分安くなるわけではない点には注意しましょう。

反対にある程度まとまった費用がかかってくる可能性は高いものです。

吹き抜けを検討する場合は、業者に費用についてしっかり確認したうえで判断する必要があります。

スペースが取られる

吹き抜けを設けることで2階の床面積が減ってしまう点にも注意が必要です。

2階に設けられる部屋数や収納スペースが減ってしまうため、収納力や部屋数を重視する場合には不向きです

子供の人数が多いといった場合では、子供の人数分の部屋数を確保できない場合もあるでしょう。

収納スペースや書斎などのスペースを諦める必要も出てくるかもしれません。

家族の人数や必要な収納スペースなどを考慮したうえで、吹き抜けのスペースなどを検討するようにしましょう

ただし、吹き抜けを設ける場合でも階段下などのスペースを収納スペースや勉強スペース本棚などに活用することも可能です。

2階部分に子供部屋を複数設けられない場合でも、部屋数を減らして広く作っておくと将来パーティションで仕切って利用もできるでしょう。

吹き抜けを設けることで2階にある程度制限が出ますが、工夫次第で快適に過ごせるのでスペースで悩んでいるなら建築会社と相談してみるのもおすすめです。

光熱費が高くなる

1階と2階を隔てていないため、空間が広くなる分空調の効きが悪くなります

夏場は2階からの太陽の光で部屋が暑くなりやすく、反対に冬になると2階の冷気が1階まで伝わり1階の暖房の熱は上に上がってしまいます。

そのうえで冷暖房を広い空間全体に効かそうとすると、ある程度の光熱費は掛かってくるでしょう。

だだし、家全体の断熱性を上げることで、吹き抜けがあっても光熱費を抑えて快適に過ごすことは可能です

また、シーリングファンを設けることで空気を循環させ冷暖房を効率よく効かすこともできるでしょう。

掃除の手間がかかる

2階部分に床がないので掃除やメンテナンスが大変になります

日常的に窓などの掃除ができないことで、知らず知らずのうちに結露が発生しカビが生えていることもあるでしょう。

照明が切れても変えるのにも高い脚立を引っ張り出してと一苦労です。

場合によっては、業者に依頼しないといけないケースもありその分費用も掛かってきます。

吹き抜けを設ける場合は、掃除やメンテナンスのしやすさも考慮することが大切です

照明は寿命が長いLEDを採用するだけでなく、電動昇降できるタイプや取り換えやすい位置に設置するなどを検討するとよいでしょう。

窓も、大きさや付ける位置などさまざまな選択肢があります。

高い位置に大きな窓を設ければ、採光性はアップし、おしゃれにもなるでしょう。

しかし、夏は暑くなりすぎる可能性もあり、隣の家の状況によっては部屋の中が丸見えになる恐れもあります。

窓を開閉できるようにする場合は、開閉具やチェーンで見た目が気になる場合もあるでしょう。

照明や窓は選択肢が広く、何を選択するかによって費用やその後の生活にも大きく関わってきます。

プロに相談しながら最適なものを選べるようにしましょう。

吹き抜けで失敗しないためのポイント

吹き抜けは開放感やおしゃれさを演出できるため人気がありますが、費用や強度・メンテナンスの面など気を付けなければならない点も多くあります。

吹き抜けを検討する場合は、デメリットの対策などをプロに相談しながら決めることが大切です。

吹き抜けで失敗しないために、押さえておきたいポイントとして次の3つがあります。

  • シーリングファンなどを設置する
  • 照明を工夫する
  • 強度に気を付ける

それぞれ詳しく見ていきましょう。

シーリングファンなどを設置する

吹き抜けを設ける場合、暑さ・寒さの対策は必要です。

家全体の断熱性を上げることはもちろん、吹き抜け部分に設置するものも検討するようにしましょう。

吹き抜け上部にシーリングファンを設けることで、上部の空気を循環させ冷暖房の効率を上げられます

また、シーリングファンはおしゃれなインテリアとして吹き抜けリビングとの相性も良いものです。

また、吹き抜け部分の窓や窓サッシを断熱性の高いものにする、窓にスクロールカーテンを設けるなども良いでしょう。

初期費用は高額になりますが、全館空調や床暖房を検討するのもおすすめです。

照明を工夫する

吹き抜けにおしゃれな照明を設置すると、部屋全体の印象もグッとおしゃれになります。

おしゃれなペンダントライトのようなシンボル的な照明も、普通のリビングよりも吹き抜けリビングの方が映えるものです。

ただし、吹き抜けの広さや場所などによって最適な照明の位置や数は異なります。

過度に多く設置すると、せっかくの吹き抜けの開放感を損なってしまい、部屋の明るさもバラバラになりかねません。

反対に少なすぎると部屋が暗くなってしまいます。

吹き抜けに照明を設置する場合は、デザイン性だけでなく数や位置も工夫することが大切です

また、メンテナンスも考慮するようにしましょう。

高い位置に照明を設けてしまうと、掃除や電球の交換が大変になります。

そのため、昇降式にすることや吹き抜けにキャットウォークのような取り換えのための道を設置するなども同時に検討するようにしましょう。

強度に気を付ける

吹き抜けがあることで本来あるはずの2階部分の床がなくなり、強度の面が不安になります。

床は家を支える大きな役割を果たしています。

そのため、床部分を大きく減らすことで、耐震性が下がってしまう恐れがあります

吹抜けを設ける場合は、それ以外の部分で強度を高める必要があるのです。

また、吹き抜けを安易に大きく設けると強度はどんどん下がってしまいます。

おしゃれさや広さの演出のために吹き抜けを検討するのは良いですが、耐震面をおろそかにしては安心して生活できないでしょう。

吹き抜けを設ける場合は、適切な面積や強度の工夫をしっかりプロと相談しながら検討することが大切です。

デザインよりも家族がずっと安心して過ごせるかを最優先することを意識しておきましょう。

関連記事:地震に強い家を建てたい! では地震に強い家の特徴とは?

まとめ

注文住宅における吹き抜けについて、概要やメリット・デメリット、失敗しないためのポイントなどご紹介しました。吹き抜けは設置することで開放感のある住宅にできるなどメリットがある一方で、費用面など注意しなければならない点も多いです。失敗しないためにも、経験豊富なプロに相談しながら進めることが大切です。

タクトホームではデザイン性の高い注文住宅の建築実績が豊富です。

ご自分の理想の吹き抜けのある住宅を建てる際の費用や注意点など、さまざまな観点からアドバイスを受けることができるでしょう。

吹き抜けのある家を建てたいと考えている方は、ぜひ一度タクトホームにご相談ください。

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