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リビング階段を作って後悔しないために、知っておきたいメリット・デメリット

近年、人気になっている間取りのひとつに「リビング階段」があります。階段のデザインによって、リビングをより広く、明るく感じさせるリビング階段。しかし、「冷暖房効率が下がるのでは?」といった不安を抱く人も多いのではないでしょうか。

そこで、改めてリビング階段のメリットとデメリットをチェックしてみましょう。設計する際に注意すべきポイントも、合わせてご紹介します。

リビング階段とは? その特徴を知ろう

リビング階段とは、リビング内に2階への階段を設置した間取りのことです。「リビングイン階段」と呼ばれる場合もあります。注文住宅で家を建てる人の過半数はリビング階段を希望するともいわれていますが、なぜそんなに人気なのでしょうか。まずはリビング階段にするメリットを見てみましょう。

メリット1:開放感のあるリビングになる

階段は意外にスペースをとるものです。個人宅の一般的な階段なら、最低でも2畳くらいのスペースが必要と考えておきましょう。裏を返せば、リビング階段にすることで、リビングが2畳分広くなるということ。例えば12畳のリビング内に階段を設置すると、14畳分の広さを感じられるのです。

階段部分は天井も高くなるので、リビングがさらに開放的に感じられます。階段を上がったところに窓を設ければ、階段を通して採光率もアップ。広々とした明るいリビングが実現できるのです。

メリット2:家族間のコミュニケーションがとりやすい

リビングに階段があると、2階に行くためには必ずリビングを通らなければいけません。すると家族が顔を合わせる機会も多くなり、コミュニケーションがとりやすくなります。家族の外出や帰宅も把握しやすく、「いってらっしゃい」「お帰りなさい」といった挨拶が自然とできるのがリビング階段の魅力のひとつです。

また、2階にいても、階段を通してリビングにいる家族の気配が感じられます。家族間の距離を縮めたい、家族としてのまとまりを感じたいと思っている人には、リビング階段がぴったりだといえます。

メリット3:デザイン性のあるリビングになる

「オシャレなリビングを作りたい」と考えている人にも、リビング階段はお薦めです。多くの個人宅では、リビングの間取りは四角形になっていますが、そこに階段を作ると空間に変化を生むことができます。

さらに、凝ったデザインのリビング階段にすることで、階段をインテリアとして機能させることもできます。例えば階段の蹴上がり部分をなくしたスケルトン階段、らせん階段などは、スタイリッシュなデザインで人気となっています。

階段に使う建材も、木材にするか金属にするかによって雰囲気を変えることができます。リビングをおしゃれに演出したいなら、リビング階段を効果的に使ってみましょう。

リビング階段のデメリットは?

もちろんリビング階段にもデメリットはあります。メリットだけでなくデメリットもよく知っておくことで、リビング階段を造るかどうか、より具体的にイメージできることでしょう。よく言われるリビング階段のデメリットに加えて、考えられる対策もご紹介します。

冷暖房効率が下がる

リビング階段を造ることで、リビングの実質的な面積は広がります。当然のことながら、リビング階段ではない住宅に比べると、冷暖房効率は悪くなります。

ただ現在の住宅は、家そのものの断熱性や密閉性が高くなっています。壁の断熱だけでなく、窓を高断熱の樹脂サッシにする、外気温の影響を受けにくい遮熱カーテンを使うといった対策をとれば、冷暖房効率の低下もそれほど気にならないことでしょう

いっそ全館空調にするという対策もあります。全館空調なら家全体の室温が一定になるので、冬に部屋ごとの室温の違いで起こるヒートショックも避けられます。

音や匂いが伝わりやすい

上下階で気配が伝わりやすいのがリビング階段のメリットのひとつですが、同時にデメリットにもなり得ます。お子さんが2階の自室で勉強しようと思っているのに、リビングからテレビの音が聞こえてきて集中できない、といったことも。

さらに、音だけでなく匂いも伝わりやすいのが、リビング階段の特徴です。リビングとキッチンがつながっている場合、料理の匂いが2階にまで広がってしまうデメリットもあります。

音が気になる場合は、リビング階段の上部に引き戸や仕切りを設けて、いざという時には仕切れるようにしておくのがいいでしょう。仕切りは匂いの対策としても有効ですが、そのほかにもキッチンとリビングの間に仕切りを設ける、キッチンの換気扇を強力なものにするといった対策もあります。

プライバシーの確保が難しい

リビング階段を設置すると、2階に行くときには必ずリビングを通らなければいけません。普段の生活ならそれでもいいのですが、来客があった時には少々困ってしまうかもしれません。

お客様とリビングで重要な話をしている時に子供がバタバタと入ってきたり、反対にリビングでくつろいでいる時に家族がお客様を連れてきたり……。家族の動向が自然と分かるのがリビング階段のメリットではありますが、お客様にも家族の動向が丸分かりになってしまうのは、プライバシーの面からも避けたいものです。

来客が多い家庭なら、予め対策としてリビングの出入り口から近い場所に階段を設置して、リビングの通過にかかる時間をできるだけ短くしておくのがいいでしょう。また、可動式のパーテーションなどで目隠しをするといった対策もあります。

建築コストが高くなりがち

リビング階段はつねに家族の目に触れる場所にあるため、どんなタイプにするかによって、家の雰囲気に大きな影響を与えます。それゆえ、ついリビング階段のデザイン性に凝ってしまいがちです。

デザインや素材にこだわると、建築コストも高くなってしまいます。対策としては、最初に建築予算の上限を設定して、できる範囲でのデザインに留めることでしょう。

また、見た目のデザイン性ばかりを優先させると、実際に生活し始めてから「掃除がしにくい」「階段からホコリが落ちてきて、リビングが汚れがち」といった問題が起きることも。設計の段階で、実際の日常生活をなるべく具体的にイメージすることで、後のトラブルを防ぎやすくなります。

リビング階段を作る際のポイント

実際にリビング階段を設計するにあたって、どんなポイントに気を配ったらいいのでしょうか。これまでご紹介してきたリビング階段のメリット・デメリットを踏まえて、改めて考えてみましょう。

階段のデザインや位置を考える

リビング階段の位置によっては、音や匂いが伝わりやすかったり、来客時に困ってしまったりといったことが起こります。リビングを横切らなければ階段を上れないといった配置は避けて、なるべくリビングの出入り口に近い場所に階段を配置したほうがいいでしょう。また、キッチンとはなるべく離すという工夫も必要です。

リビングの出入り口付近では、リビング階段を設置するためのスペースを確保しにくいといったこともあるでしょう。その場合は、踊り場がない直線的な階段ではなく、折り返しのあるタイプやらせん階段も検討してみましょう。

ポイントは、リビング階段ありきで考えないことです。「多少無理をしてリビング階段を設置したら、日常生活が不便になった」では元も子もありません。リビングに階段を造るのは無理そうだと思ったら、すっぱりあきらめることも大切です。

安全性に注意する

スケルトン階段は、リビング階段の中でも人気が高くなっています。蹴上がりがない分、圧迫感も少ないので、開放感のあるリビングが実現できるためです。

しかしスケルトン階段は、小さいお子さんが隙間から落下したり、高齢の方が足を滑らしたりといった事故の可能性もあります。そのため、踏み板を滑りにくい素材にする、手すりをつける、蹴上がり部分を透明なアクリル板にするといった安全対策はしっかりとっておきましょう。

転落防止用の手すりをつけるにしても、隙間から落ちないよう格子の間隔を狭くするといった対策が必要です。小さいお子さんやペットがいるご家庭なら、階段の上り口にベビーゲートをつけておくと安心でしょう。

階段下の有効利用を考える

リビング階段を設置するなら、階段下のスペースをどう利用するかも考えておきましょう。特にデザインにこだわった場合、リビング階段の見た目を重視するあまり階段下がデッドスペースになりがちです。スタイリッシュな階段を設置しても、気がついたら階段下にさまざまな物がごちゃごちゃと置かれていたら、せっかくのデザイン性が台無しになってしまいます。

階段下を収納にする、ペット用のスペースにする、ロボット掃除機の基地にするなど、設計段階から階段下の利用方法も考えておきましょう。デザインによっては階段からゴミやほこりが落ちてくることもあります。階段下にソファを置いてみたものの、くつろげる雰囲気ではなかったといったトラブルを避けるためにも、利用方法を考える際には掃除の手間という視点も持っておきたいものです。

まとめ

リビング階段は、開放感がある、デザイン性が高い、家族のコミュニケーションがとりやすいといったメリットから、非常に人気となっています。しかし、反対にデメリットもあることをよく知っておかないと、後々のトラブルに繋がることも。リビング階段を造りたいと思うなら、将来的なライフプランを見据えて、日常生活を具体的にイメージした上で検討することが大切です。

タクトホームでは、リビング階段のある物件も数多く提供しています。リビング階段のタイプ別のメリット・デメリットといったアドバイスができますし、実際にリビング階段がある家の見学なども承っております。注文住宅でリビング階段をお考えなら、ぜひタクトホームにご相談ください。それぞれの家庭の事情や家族構成に合わせたぴったりの家をご提供します。

タクトブログ編集部
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