建物が大きくなる分、価格が高くなりやすい二世帯住宅。
購入するなら、少しでも金銭的な負担を少なくしたいものですよね。
本記事では、二世帯住宅で受けられる補助金について、制度の概要や条件、注意点など解説します。
補助金を受けるためには条件を満たす必要があるため、事前に条件に合致するかしっかり確認しておくことが大切です。
Contents
二世帯住宅の補助金1:地域住宅グリーン化事業
二世帯住宅の補助金として、まず地域住宅グリーン化事業があります。
以下説明していきます。
制度概要
地域住宅グリーン化事業とは、平成27年に国土交通省が開始した補助金制度です。省エネ性が優れている、耐久性が高い長期優良住宅などを対象に実施されています。
長期優良住宅、省エネ性の高い住宅であれば最大110万円。
消費・生産エネルギーがプラスマイナスゼロになることを目的とするゼロ・エネルギー住宅は最大140万円の補助金が加算されます。
関連記事:長期優良住宅とは?認定基準から申請するメリット・デメリットまで詳しくご紹介
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条件
適用の条件として次の3点が挙げられます。
- 国で選定された中小住宅生産者である工務店で建築すること
- 省エネ性や耐久性が高い新築の木造住宅であること
- 木材はグループで決められた地域木材であること
それぞれ見ていきましょう。
省エネ性や耐久性が高い新築の木造住宅であること
まず、国土交通省がこの事業を始めた目的である、省エネ性や耐久性が優れた木造住宅を建設することが条件となります。
国で選定された中小住宅生産者である工務店で建築すること
地域住宅グリーン化事業は、地域の工務店などがグループで公募するシステムである為、認定された地域の中小工務店や木材店で建設することが条件となります。
木材はグループで決められた地域木材であること
使用する木材はグループで決められた地域木材であることが条件であり、主要構造の半数以上が地域木材であれば、最大20万円の加算。
また、ゼロ・エネルギー住宅の場合は改修でも対象となります。
注意点
地域住宅グリーン化事業の補助金を受ける際の注意点として、二世帯住宅でも完全二世帯住宅に関しては対象外となることが挙げられます。
理由としては、補助金対象の条件として二世代以上の家族が協力して子育てをしやすい環境の住宅であることが挙げられている為で、二世帯住宅だから給付されると勘違いされる方もいるので注意が必要でしょう。
また、この給付金は基本的に工務店が申請手続きを行って受け取りお客様に返金するもので、前もって工務店に申請確認が必要なので、忘れないよう注意が必要です。
二世帯住宅の補助金2:長期優良住宅化リフォーム推進事業
二世帯住宅の補助金として次に挙げられるのが、長期優良住宅化リフォーム推進事業です。
以下で説明していきます。
制度概要
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、前述した地域住宅グリーン化事業と異なり、新築ではなくリフォームにのみ適用される補助金制度です。
中古住宅の性能を向上させることで、長期的に住宅を利用することを目的としている事業といえます。
条件
基本的に国土交通省が定めている条件は「劣化対策や耐震性、省エネ対策など住宅の性能を一定の基準まで向上させる工事」であること。
よって、中古住宅を二世帯住宅にリフォームする際に、耐震性・省エネ・劣化対策などを同時に行えば給付の対象となります。
対象の工事 | 補助金額 |
耐震性・劣化対策のみ | 最大100万円 |
認定長期優良住宅 | 最大200万円 |
ゼロ・エネルギー住宅など高度エネルギー型住宅 | 最大250万円 |
さらに三世代住居であれば、最大50万円加算されます。
注意点
二世帯住宅の場合、リフォームにおいてトイレ、浴室、キッチン、玄関いずれか2つ以上を設ける場合において、最高50万円の補助を受けられるようになるので注意が必要です。
また、設備取り換えなどの工事だと対象外となるので、注意が必要でしょう。
二世帯住宅の補助金3:住まい給付金
次に二世帯住宅の補助金として挙げられるのが、住まいの給付金です。
以下、制度概要や条件など見ていきましょう。
制度概要
住まい給付金とは、消費税増税による影響を和らげる目的で実施された補助金のことです。
収入に応じて給付金額は異なりますが、最大50万円を受け取れます。
条件
いくつか条件がありますが、ここではそのうち重要なものとして以下2点を解説します。
- 購入時期が決まっている
- 床面積50㎡などの住宅条件
購入時期が決まっている
平成26年4月から令和3年12月まで(一部、令和4年12月まで)実施され、引き渡しから1年3カ月以内の申請が必要です。
床面積50㎡などの住宅条件
住まい給付金は優良な住宅を作る意味も持つ為、住宅の質に関する一定の条件があります。
その中の条件として床面積50平米以上、第三者機関の検査を受けていることなどが挙げられます。
注意点
平成26年4月から令和3年12月(一部、令和4年12月)までの実施なので、これから住宅購入される方は対象外となります。
また、中古住宅の場合は消費税の課税対象の住宅購入が対象となり、個人売買取引の場合は対象とならない点には注意が必要でしょう。
申請に関しては、個人で申請するか代行手続きを住宅メーカーが行ってくれる場合もあるので確認が必要です。
二世帯住宅でも住宅ローン控除を受けられる?
次に、二世帯住宅購入の際の住宅ローン控除について説明します。
二世帯住宅購入の際に住宅ローンをお考えの方も多いと思います。
金額が大きいので住宅ローン控除を受けられることは大きなメリットといえるでしょう。
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、ローンを組んでマイホームを取得した際に、所得税と住民税から一定額を控除できる税制優遇措置のことです。
具体的には、毎年度末のローン残高の0.7%分、最長13年間について、所得税と住民税から控除を受けることができます。
住宅ローン控除を適用できれば、所得税の大幅な還元を受けられる場合があり、条件によっては支払う金利分以上の還元が受けられます。
ただし、住宅ローン控除の適用には「マイホームの購入」「住宅ローンの利用」「住宅の条件」など条件があるので、注意が必要です。
二世帯住宅でも住宅ローン控除を受けることは可能
二世帯住宅であっても、条件を満たすことで住宅ローン控除の適用が可能です。
共有名義や区分登記であっても、基本的に親世帯・子世帯それぞれで自分の居住場所に限り住宅ローン控除を適用できます。
また、共有名義の場合、住宅ローン控除の適用条件をクリアしやすいというメリットがあります。
住宅ローン控除には「床面積50㎡以上」というものがありますが、共有名義の場合共有部分の面積も含むことができるのです。
ただし、ローンの負担額と持ち分の登記の割合が合わない場合、贈与税が課せられる可能性があるので注意しましょう。
完全分離型であれば二世帯分の控除を受けられる
二世帯住宅には、大きく次の3つのタイプがあります。
- 完全同居型
- 部分共有型
- 完全分離型
上記の内、それぞれの世帯が完全に独立して生活できる、完全分離型ならプライバシーが保たれるだけでなく住宅ローン控除の上でもメリットがあります。
完全分離型の二世帯住宅であれば、登記の形態に関わらずに世帯分の控除が受けられるのです。
ただし、どのような条件を満たせば完全分離型とされるかは自治体によっても異なるので、事前に確認するようにしましょう。
関連記事:完全分離型二世帯住宅ってどうなの?間取り例や税金面などご紹介
まとめ
二世帯住宅で受けられる補助金について解説しました。
補助金の多くは一般的な住宅を前提に制度が作られているため、二世帯住宅で補助金の適用を受けようと考える方は、事前に条件を確認することが大切です。
これから二世帯住宅の購入や新築を考えている方は、本記事の内容をぜひ参考になさってください。