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新築住宅と中古住宅、どちらを選ぶべきか徹底比較

多くの人にとって、家の購入は一生に一度の大きな買い物です。できれば新築に住みたい、気に入った間取りの家が欲しい、できるだけ安く購入したい……さまざまな希望があることでしょう。新築住宅と中古住宅のどちらがいいのか、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

新築住宅と中古住宅、どちらにもメリット・デメリットがあります。新築と中古の特徴をわかりやすく比較してみましょう。

新築住宅と中古住宅、それぞれのメリット・デメリット

まずは新築住宅と中古住宅、それぞれのメリットとデメリットを列挙してみましょう。それぞれの特徴を改めて知ることで、どちらが自分に向いているのか分かるかもしれません。

新築住宅のメリット・デメリット

新築住宅のメリットといえば、なによりも新しいことでしょう。誰も住んだことのない真新しい家に住むのは、やはりテンションが上がるものです。注文住宅なら、構造や間取りなども自由に決められます。

キッチンやバス・トイレといった設備も、新しいものは機能が充実しています。また耐震性能や、省エネに繋がる家の気密性も、新築のほうが優れているといっていいでしょう。

新築住宅のデメリットは、中古住宅よりも購入価格が高くなりがちなことです。また新築住宅は、そもそもの販売戸数が中古住宅より圧倒的に少ないため、選択肢の幅が狭くなりがちです。希望する条件にぴったり当てはまる新築住宅に巡り会うのは、至難の業と言っていいでしょう。

建売住宅の場合は、実際の家が完成する前に販売されることもしばしばあります。サンプル住宅や間取り図だけではなかなかイメージを掴みにくいので、入居してみたら意外に暮らしにくかったという齟齬が起こることもあります。

関連記事:注文住宅を建てるのにかかる費用はどのくらい?費用相場や費用別に建てられる家のイメージなどご紹介

中古住宅のメリット・デメリット

中古住宅のメリットは、新築よりも価格が安いことでしょう。また、市場に出回る物件数も新築住宅より多いので、選択の幅が広がります。

すでに建っている家を買うので、現状を確認してから購入できるのも中古住宅の強みです。もし間取りが気に入らなくても、リノベーションで自由に造り替えることができます

ただし、リノベーションをするにも限界があることは知っておきましょう。たとえば天井高などは、構造上の問題から変更が難しい箇所のひとつです。住宅を支える柱は切ったり動かしたりできないので、2つの部屋をつなげようとしたら、部屋の真ん中に柱が残ってしまったといったこともあります。

また、中古住宅は新築物件よりメンテナンスや修理の時期が早く訪れます。特に水回りは、築15年程度で修理が必要と言われているので、住み始めてすぐに不具合が出る可能性も。

さらに気をつけておきたいのは、中古住宅の中には再建築不可物件があることです。建築基準法や都市計画法は時代に合わせて見直されています。そのため過去の法律では適法でも、現行の法律に照らすと違法建築になってしまうことがあります。

そういった中古住宅は、一度取り壊すと再び建て直すことができないので、再建築不可物件と呼ばれています。リノベーションだけなら問題はありませんが、ゆくゆくは取り壊して新しい家を建てようと考えている場合は、再建築不可物件を選ばないよう気をつけましょう。

新築住宅と中古住宅を費用面から比較

住宅にかかるお金は、家や土地の購入費用だけではありません。固定資産税や住み始めてからのランニングコストなど、住宅にまつわる費用は多岐にわたっています。ここでは金銭面に絞って、新築住宅と中古住宅を比較してみましょう。

新築住宅と中古住宅の購入時にかかる費用を比較

住宅購入時に支払わなければならない費用としては、家や土地の代金のほか、消費税、不動産取得税、登録免許税、仲介手数料などがあります。住宅の価格のみを見れば、一般的に新築住宅のほうが中古住宅より高いことが多いのですが、そのほかの費用も新築の方が高いかというと、けっしてそうではありません。

消費税は住宅の価格によって変わってくるので、新築住宅のほうがかかると考えて間違いはないでしょう。ただし、消費税がかかるのは建物の代金のみで、土地代には消費税はかかりません。個人が売主となっている物件も消費税の課税対象ではないので、中古住宅の多くは消費税が非課税となります

不動産取得税は新築か中古かは関係なく、新たに家や土地を得たときにかかる税金です。原則として固定資産評価額の4%ですが、2024年3月31日までは3%に引き下げる軽減措置がとられています。また、築年数によって評価額からの控除が認められているので、築年数が浅いほど税額が安くなります。

関連記事:持ち家にかかる固定資産税・都市計画税はいくら?計算方法を確認しておこう

住宅を取得した場合は法務局に登記をする必要がありますが、その手続きには登録免許税がかかります。新築住宅の登記にかかる登録免許税は2024年3月31日まで軽減措置があるため、同じ価格の新築住宅と中古住宅では、新築住宅の登録免許税のほうが安くなっています。

仲介手数料は、土地や建物の売買を仲介してくれた不動産会社に支払う手数料ですが、場合によっては支払わなくて済むこともあります。たとえば新築建売住宅の場合、建築した不動産会社やハウスメーカーが直接販売するなら、仲介手数料は不要です。新築注文住宅の場合も、ハウスメーカーと直接契約になるため必要ありません。中古住宅については、売主の個人や不動産会社から直接購入する際には、仲介手数料がかかりません。ただ売主が個人の場合、多くは不動産会社に販売を依頼するため、仲介手数料が必要になります。

仲介手数料は上限金額が定められていて、たとえば3000万円の物件なら96万円、4000万円の物件なら126万円となっています。さらに仲介手数料には消費税もかかるため、その分の金額も見込んでおかなければいけません。

新築住宅と中古住宅の公的援助を比較

住宅を購入する際、場合によっては国や自治体の補助金を受け取れることがあります。たとえば国の制度では、2022年12月時点で「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業」「地域型住宅グリーン化事業」「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅整備推進事業」といった省エネ住宅に対する補助金があります。

こうした補助金のほとんどは新築住宅に対するもので、中古住宅の購入では利用できません。また、新築住宅であっても、同じ目的の補助金をいくつも並行して受け取ることはできなくなっています。たとえば上記の3つはいずれも省エネ住宅の建築を促す目的で行われている国の事業なので、どれか1つの補助金しか受け取れません。

新築住宅を購入・建築する場合は、売主となっている不動産会社やハウスメーカーに、どの補助金が利用できるのかを確認してみましょう。その中でもっともお得な補助金を選んで申請するという形になります。また、自治体ごとに独自で行っている補助金制度なら、国の補助金と並行して受け取れることもあるので、そちらも合わせて確認してみるのがいいでしょう。

では、中古住宅を購入する際に受け取れる補助金はないのかというと、そんなことはありません。購入と同時にリフォームを行う場合は、リフォームに対する補助金が利用できる可能性があります。たとえば2022年12月時点では、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」「こどもエコ住まい支援事業」といった国のリフォーム支援事業が行われています。

リフォームに対する国の補助金も、基本的にはいずれか1つしか利用できません。しかし、給湯設備に対する補助金と、高断熱住宅にするための補助金といったように、対象となるリフォーム箇所が違えば、並行して受け取れる場合もあります。

国や自治体の補助金は、利用条件が細かく定められていたり、申請期間が限られていたりと、個人ですべて調べ上げるのはなかなか難しいもの。また買主個人ではなく、建築やリフォームを担当するハウスメーカーが申請しなければならないものもあるので、ハウスメーカーに相談してみるのが一番の早道でしょう。

関連記事:省エネ住宅とは?メリット・デメリットや各種補助金・優遇制度など解説

新築住宅と中古住宅の固定資産税を比較

家や土地といった不動産を購入すると、固定資産税が課税されるようになります。毎年1月1日※の時点で不動産を所有していた人に対して、毎年決まった時期に納税用紙が送られてきます。不動産を所有している限り、納税を逃れることはできません。

※地域により異なります。

固定資産税は、土地や家屋ごとに決められた課税標準額があり、その金額の1.4%が税額となっています。ただし新築住宅の場合、家を購入してから3年間は、建物分の固定資産税が半額になる軽減措置があります。一定の条件を満たした長期優良住宅なら、減税期間が5年間に延長されます。

中古住宅に対しては、たとえ築浅の物件であったとしても固定資産税の減税は受けられません。なぜならこの減税制度は、良質な住宅の戸数を増やすという目的で設けられているからです。3年または5年分という短い期間ではありますが、この点では新築住宅のほうがお得といえます。

新築住宅と中古住宅のランニングコストを比較

ランニングコストとは、現在の状態を維持していくためにかかる費用のことで、その代表格は、修理・修繕にかかる費用です。どんなに高機能の住宅であっても、築5年目くらいから不具合が出始めて、10~15年も経つと大規模なメンテナンス工事が必要になります。

つねに風雨にさらされている外壁や屋根の塗装、ベランダの防水加工は、10年程度で寿命を迎えるといわれています。木造住宅には必須のシロアリ防虫加工も、5年ごとに行ったほうがいいでしょう。

エアコンなどの空調設備の寿命は15年くらいです。給湯・給水設備は15~20年で、キッチンやバス・トイレなどの水回り設備は25年程度で寿命を迎えます。さらに築30年を超えると、屋根やフローリングの張り替えも考えなければいけません。

住宅設備の寿命を考えると、5年ごとに中規模メンテナンス、10年ごとに大規模修繕を行うのがベストでしょう。大まかな費用としては、築15~20年で約600万円、築30~35年では約900万円の修繕費が必要と言われています。

中古住宅の場合、築年数にもよりますが新築住宅より早く修繕時期が訪れます。それを見越して、早めに修繕費用を貯めておかなければいけません。そういう意味では、新築住宅より中古住宅のほうが、ランニングコストが高いといえます。

また、家の建築技術や建材は年々進歩しています。家の気密度や断熱度は、新築住宅のほうが中古住宅よりも上だと思っていいでしょう。間取りにもよりますが、気密度や断熱度が高いと冷暖房効率も高くなるので、日々の暮らしにかかる電気代や光熱費といったランニングコストが抑えられます

新築住宅と中古中宅、どちらを選べばいい?

新築物件と中古物件のそれぞれの特徴を見てきましたが、どちらがいいのか決めかねている人もいることと思います。実は住宅そのものの比較だけでなく、住まう人のタイプによっても向いている物件は違います。ここでは新築住宅と中古住宅、それぞれに向いているタイプをご紹介しましょう。

新築住宅に向いている人

とにかく「新しいものが欲しい」「最新の住宅設備を使いたい」という人には、新築住宅がお勧めです。たしかに住宅の価格としては中古住宅よりも高めかもしれませんが、それだけの価値はあると言っていいでしょう。

また新築住宅は、「住まいにあまり手をかけたくない」「こまめなメンテナンスは面倒」という人にも向いています。新築の家を買ってしまえば、5~10年はメンテナンスに気を遣わなくてもきれいに住むことができます。万が一、瑕疵が見つかったとしても、多くの新築住宅には10年の保証がついているので、すぐに直してもらえます

ただし新築住宅は、中古住宅より市場に出回る物件数が少ないので、購入する際の選択肢の幅が狭いことは頭に入れておきましょう。構造、間取り、立地、住環境など、すべての希望条件を満たす新築物件には、なかなか巡り会えるものではありません。住宅に対する理想が高い人、こだわりが強い人は、買うタイミングを逃してしまうことも。

しかし、建売住宅ではなく注文住宅なら、理想の住まいを実現できる可能性が高まります。「自分好みの家に、できるだけ長く住んでいたい」と考える人には、新築住宅をお勧めします

中古住宅に向いている人

多少の不便や不自由があっても「家の購入費用をなるべく安く抑えたい」という人、「予算がそれほどとれない」という人は、中古住宅のほうが向いています。また、中古住宅は市場に出回る物件数が多いので、「とにかく早めに決めたい」という人も、中古住宅を視野に入れたほうがいいでしょう。

反対に、理想の家に対するこだわりが強い人も、中古住宅のほうが向いているかもしれません。近年の建築技術なら、中古住宅を新築同様にリノベーションできますし、注文住宅並みの間取りの自由度があります。ただし、リノベーションも万能ではありません。

構造上、天井高を高くしたり窓を大きくしたりといったことが難しい場合がありますし、水回りの場所移動にはかなりの費用がかかってしまいます。最近では家の購入費用とリノベーション費用を合算して借り入れできる住宅ローンもあるので、利用を検討しておきたいものです。

一気にリノベーションをするのではなく、「自分でこつこつと家に手をかけていきたい」という人も、中古住宅が向いているでしょう。というよりも、メンテナンスや修繕に手間を惜しまない人以外は、中古住宅はお勧めできません。

中古住宅は、新築住宅よりも大規模修繕期が早く訪れます。少しでも修繕期を遅らせたり、家を長持ちさせたりするためには、こまめなメンテナンスや修繕が欠かせないからです。不具合は早期発見・早期対策が鉄則。放置すればするほど、修繕も大規模になりますし、費用もかさみます。

どちらか迷った時に考えるべきポイントは?

新築住宅か中古住宅が迷ったときには、目先のことだけでなく長期的なライフプランをベースに考えてみましょう。具体的には、修繕やリフォームにかかるコストを計算に入れることです。

参考までに、リフォーム費用の相場を挙げておきます。中古住宅を購入した人が購入直後に行ったリフォーム・リノベーションの費用は、平均で約600万円です。間取り変更なしの内装リフォームのみなら200万円程度で済みますが、中にはフルリノベーションで1200万円以上かけている人もいました。

中古住宅の購入費用とリノベーション費用を合わせると、新築注文住宅より高くつくこともあり得ます。値段だけを見るのではなく、その家でどんな風に暮らしていくのかをしっかりイメージすることが大切です。自分が家に対して求めていることをリストアップして、優先順位をつけてみるのもいいでしょう。さまざまな方向から考えることで、理想の家を手に入れてください。

まとめ

新築住宅と中古住宅のどちらがいいかは、簡単には決められません。どちらにもメリット・デメリットがありますし、住む人の性格によっても向いているかどうかが変わってきます。

購入してからのコストを考えると、決して「新築は高い、中古は安い」とは言い切れません。長期的な視点を持って、じっくりと考えて選ぶことが大切でしょう。

タクトホームは、新築注文住宅の建築だけでなく、建売住宅の販売や中古住宅のリノベーションも承っております。取り扱い物件数の実績も豊富なので、住宅にまつわるさまざまなご相談にも、具体例を挙げてアドバイスできます。住宅にまつわるお悩みなら、何でもお気軽にタクトホームにご相談ください。

タクトブログ編集部
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