猫を飼育しており、猫が快適に過ごせる家を建てたいと考えている方や、家を建てるなら猫を飼いたいといった方もいらっしゃるでしょう。
猫が快適に過ごすための家を建てたいのであれば、猫の特性を理解したうえでさまざまな工夫を取り入れることが求められます。
本記事では、猫と暮らせる家を建てたいと考えている方に向けて、ポイントや注意点、具体的なアイデアなどをご紹介していきます。
Contents
猫と暮らせる家を建てるメリット・デメリット
猫と快適に暮らしたい、という理由で家の購入を検討する人も珍しくありません。
しかし、ペット可の賃貸が増えているとはいえ、賃貸には何かしら制約があるものです。
飼えるペットの種類や頭数の規制、近隣からのクレーム・家のキズなどが気になって思うように猫が飼えないということもあります。
制約なく自由に猫と暮らすなら、家を建てるのがおすすめです。
猫が喜ぶ家を建てるなら注文住宅にしよう
新築の家を購入する場合、次のような方法があります。
- 注文住宅
- 建売住宅
注文住宅とは、すでに持っている土地や購入した土地に一から家を建てる方法です。
設計から自分の希望を反映できるので自由度が高いというメリットがあります。
一方、土地と完成済み(または完成予定)の家を購入する方法が、建売住宅です。
すでに建っている家やプランの決まっている家なので、設備や間取りを自由に変更するのは難しいですが、注文住宅よりも安値というメリットがあります。
注文住宅・建売住宅それぞれメリット・デメリットがあり、一概にどちらがよいとは言い切れませんが、猫と快適に暮らすという点では注文住宅がおすすめです。
猫と生活するうえでは、猫の習性を踏まえて安全で過ごしやすい間取りや設備を取り入れる必要があります。
注文住宅であれば、猫と人が快適に過ごすための工夫を自由にできるので、より快適な猫との生活を実現しやすくなるのです。
ただし、猫と暮らせる家を建てるにはメリットだけでなくデメリットもあるので、その点に注意しなければなりません。
以下で、メリット・デメリットを見ていきましょう。
猫と暮らせる家を建てるメリット
猫と暮らせる家を建てるメリットには、次のようなことが挙げられます。
- 猫が安全に暮らしやすい
- 猫のストレスを軽減できる
- 猫による家のダメージを軽減できる
猫が安全に暮らすには、脱走対策などが欠かせません。
猫の習性を踏まえた間取りや設備を取り入れることで、人も猫も快適に過ごすことができるものです。
このように、猫が安全・快適に過ごせる間取りを実現できるのは注文住宅のメリットと言えるでしょう。
また、猫を飼うと少なからず家へのダメージもあります。
ひっかき傷やニオイなどに対して、配置や素材から対策できるのでダメージを軽減することも可能です。
日常のお世話や家の手入れをしやすくすることで、猫と暮らすうえでの人の負担を減らすことができるというメリットもあります。
猫と暮らせる家を建てるデメリット
デメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
- コストがかかる
- スペースが取られる
猫が快適に暮らせる仕様にすることで、普通の家よりコストがかかる点には注意が必要です。
キャットウォークや猫用の出入り口・空調システムなどを導入すると、100万円以上かかってしまう可能性もあるでしょう。
建築コストだけでなく、換気システムや空調などのランニングコストも掛かってきます。
また、猫用にスペースを設けると、その分人の居住スペースが少なくなることになります。
猫のために人のスペースが狭くなってしまってもよいかは、家族と話し合って十分検討するようにしましょう。
猫と暮らせる家に取り入れたいスペース
猫と暮らせる家を検討するうえで、猫の習性を理解しておくことが大切です。
まずは、猫の好きなこと・嫌いなことを一覧で確認しましょう。
好きなこと | 嫌いなこと |
・高い場所 ・狭い場所 ・暖かい場所 ・狩り | ・不潔な状態 ・水をかけられること ・テリトリーへの侵入 |
猫が快適に過ごすには、このような猫の習性を踏まえたうえでスペースを作ってあげることが大切です。
ぜひ取り入れたいスペースとして、次の3つがあります。
- 高所
- 爪とぎができるスペース
- 日向ぼっこができるスペース
① 高所
猫は高い所や上り下りが大好きで、狩りが好きなことから高いところから全体を見下ろすことを好みます。
また、高くて狭い場所は身を隠せることから、本能的に落ち着く場所でもあるのです。
そのため、キャットウォークやキャットタワー・猫用の階段など上り下りできる設備や高所でくつろげるスペースを設置してあげるとよいでしょう。
上り下りできるので、室内の運動不足解消にも役立ちます。
キャットウォークなどと一緒に吹き抜けを検討するのをおすすめです。
より高さを確保できるだけでなく、日当たりも確保できるので猫も過ごしやすくなるでしょう。
② 爪とぎができるスペース
狩りが大好きで縄張り意識の強い猫は、爪の維持やマーキングのために爪とぎが欠かせません。
また、狩りの本能から動き回るものにとびかかる猫も多いものです。
そのため、壁や柱・家具などにはひっかき傷がついてしまう点には注意して対策する必要があります。
ひっかき傷が嫌で猫の行動を制限してしまうと、猫はストレスが溜まってしまいます。
なかには、ストレスから食欲不振などの体調不良を起こす猫もいるので、制限し過ぎには気を付けましょう。
特に、家猫は外で遊ぶ機会がなく、室内で上手にストレスを発散させてあげる必要があります。
専用のグッズやスペースを設けて、自由に爪とぎができるようにしてあげましょう。
③ 日向ぼっこができるスペース
猫は適度に室温の高い暖かい場所を好みます。
日中の多くの時間を寝て過ごすので、のんびり日向ぼっこができるスペースを設けてあげるとよいでしょう。
採光のための大きな窓や吹抜け・窓前の台座部分を広げるなどがおすすめです。
窓があれば外の様子を観察でき、テリトリー確認にもなります。
ただし、外の様子が気になりすぎる猫もいるので、スクリーンなどで半透明にするなど工夫してあげるとよいでしょう。
また、猫を外に出したくないけど外の環境にも触れさせてあげたいという場合は、中庭を検討するのもおすすめです。
中庭なら外部環境から守りやすいだけでなく、日当たりを確保して外の環境にも触れられるので、猫のリフレッシュにもつながるでしょう。
関連記事:インナーバルコニーを導入するメリット・デメリットやおすすめの間取りをご紹介
猫と暮らすうえで気を付けたいこと
猫と快適に暮らすには、安全面に配慮することも大切です。
猫と暮らすうえで気を付けたいこととして、次の2つを紹介します。
- キッチンに侵入させない
- 家猫が脱走できない対策
キッチンに侵入させない
キッチンに猫が入ってしまうと、誤飲や火傷などの恐れがあります。
また、人間にとって衛生的にも問題となります。
とはいえ、キッチンは猫にとって魅力的な場所でもあります。
冷蔵庫などの高所が生まれやすく料理で暖かい、そして食べ物がある、そんな魅力的なキッチンに入ってこないような工夫が必要です。
猫はジャンプ力もあり高いところからでも侵入できるので、ペットフェンスでは簡単に侵入されてしまう恐れがあります。
キッチンを独立型にして、出入口をスクリーンやドアなどで間仕切りできるようにするのがおすすめです。
猫の侵入を防げない作りなら、猫に触ってほしくないものや食器棚やゴミ箱などは扉を閉めて収納できるようにするのもよいでしょう。
猫はとても身軽でちょっとしたところから侵入できます。
キッチンへの侵入経路としてカーテンレールやエアコンの上というケースもあります。
エアコンの設置場所やカーテンレールの形状などは、十分に検討するようにしましょう。
家猫が脱走できない対策
犬のように散歩の必要ない猫は、安全に飼うなら交通事故や感染症の心配がない室内飼育にすることを推奨しています。
しかし、好奇心旺盛な猫はちょっとした隙間や人の出入りの際に、外に出てしまうケースも珍しくありません。
玄関やベランダ・窓の近くは脱走しないような対策をとることが大切です。
玄関に内ドアを設けたり、猫用フェンスの設置などを検討するとよいでしょう。
猫が自由に部屋を出入りできるようにペットドアを設ける場合は、ロック機能がついているものにすると出入りしてほしくないときには締め切ることも可能です。
また、各部屋のドアに猫用のガラスを付けておくと、ドアを開ける前にドア付近にいる猫を確認でき、うっかり開けて逃げ出すことを防げます。
ドアから猫が部屋の様子をうかがう可愛い姿を見られるというメリットもあるのでおすすめです。
猫と暮らせる家に取り入れたいアイデア3選
ここでは、猫と暮らせる家のアイデアとして、次の3つを紹介します。
- キャットウォーク
- 猫が回遊できる動線づくり
- 清潔感のある猫トイレ
それぞれ詳しくみていきましょう。
① キャットウォーク
猫との暮らしで代表的なキャットウォーク。
キャットウォークを設置することで、猫の大好きな高い場所への上り下りができ、室内でも運動不足解消につながります。
リビングや部屋の各所の壁に猫用のステップや高所に通路を設けると、猫は自由に遊ぶことができます。
リビングには、吹抜けや高天井と一緒に設ければ、採光性も確保でき、より日向ぼっこ好きの猫も快適になります。
壁だけでなく吹き抜けや髙天井部分に梁や板を通して、猫専用の通路を設けるのもおすすめです。
キャットウォーク下には、収納スペースなどを活用して猫専用のトンネルを付けると遊びの幅も広がります。
また、猫は縄張り意識が強いため多頭飼いする場合は、キャットウォークに高低差を付ける・猫通路を迂回させるなど個々のスペースを作っておくと猫も安心して暮らせるでしょう。
ただし、キャットウォークなどの高い場所から猫が飛び降りて騒音やケガをしてしまう心配もあります。
音や衝撃を吸収する床材などもセットで検討するとよいでしょう。
関連記事:注文住宅に吹き抜けを取り入れたい!メリット・デメリットや失敗しないためのポイント
② 猫が回遊できる動線づくり
キッチンなど入ってほしくない場所には工夫が必要ですが、出入りを制限しすぎると猫にとって大きなストレスになりかねません。
また、猫は夜明け前や日の入り前の薄暗い時間帯に活発になるという習性があるため、早朝などに活発に動かれると人の方がストレスを感じてしまうものです。
出入りしてほしくない場所を決めつつ、猫が自由に動き回れるようにするために、回遊できる動線を意識するとよいでしょう。
- リビングに自由に出入りできるよう猫用の入り口を設ける
- 1・2階をキャットウォークでつなぐ
- リビングと廊下をキャットウォークと猫通路で一周できるようにする
回遊できるようにすれば、自由に出入りできるスペースが少なくても猫のストレスを軽減することが可能です。
③ 清潔感のある猫トイレ
猫は不衛生な場所が苦手です。
猫トイレや部屋が清潔でないとストレスを感じてしまう恐れもあります。
猫トイレをこまめに掃除するだけでなく、室内にニオイや湿気がたまらないような工夫も必要です。
食事スペースとトイレスペースが近いことにストレスと感じる猫もいるので、離して設置すると猫も安心します。
また、猫トイレは砂を入れるため飛び散りやすい点には注意が必要です。
掃除しやすい場所に設置するなどの工夫をするようにしましょう。
猫トイレの設置場所としては、次のような場所が適しています。
- 適温のリビングの一角
- 掃除しやすい人間のトイレや洗面所の近く
猫トイレは猫が安心して過ごせる場所でなければ、猫も落ち着くことができません。
適度に暖かく人目の少ない落ち着ける場所にトイレを設けてあげましょう。
猫トイレ用の専用スペースが難しい場合は、収納スペースの下部や家具の裏、ちょっとしたデットスペースを活用するのもおすすめです。
猫が落ち着けるだけでなく、猫トイレも隠せるので来客の目に触れる心配もありません。
トイレスペースと一緒に、猫グッズの収納場所を確保しておくのもおすすめです。
トイレ用品やおもちゃ・キャットフードは買い置きすると量が多くかさばります。
専用の収納スペースを設けておけば、スッキリ収納できるので清潔な状態を保ちやすくなるでしょう。
環境だけでなく猫自身の清潔さも必要になるので、適度なシャンプーも必要になります。
しかし、猫は水に濡れるのを嫌がるものです。
猫に負担が掛からないよう短時間でシャンプーできるように、洗面台を深くする・ドライヤー台を設置するといった工夫も検討するとよいでしょう。
関連記事:新築住宅にランドリールームはおすすめ?メリット・デメリットと間取り例
まとめ
猫と暮らせる家について、ポイントや注意点、取り入れたいアイデアなどをご紹介しました。
猫が快適に暮らせる家をつくるには、さまざまな工夫が必要です。
猫と暮らせる家を建てたいと考えている方は、本記事の内容を参考になさってください。
タクトホームではこれまで6万棟の注文実績があり、施主様のさまざまな要望に対応可能です。
猫と暮らせる家を建てたいと考えている方は、ぜひ一度タクトホームまでご相談ください。