お家のお悩み

吹き抜け階段で後悔しないためには?知っておきたいメリットとデメリットを解説

吹き抜けに階段のある家は見た目もおしゃれで、さまざまなメリットがあります。

しかし、どんなものにもデメリットはつきものです。

吹き抜け階段のよい面しか見ていないと、住み始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔することも少なくありません。

この記事では、後悔しない家造りのために吹き抜け階段のメリット・デメリットを解説します。

吹き抜け階段とは?

おしゃれなイメージのある吹き抜け階段ですが、正しくはどんな階段を指すのか分からないという人もいるのではないでしょうか。

まず吹き抜け階段とはどんな構造の階段なのかご説明します。

吹き抜け階段とは、どんな構造の階段のこと?

吹き抜け階段とは、その名のとおり吹き抜けに設置された階段のことです。吹き抜けは、上階の床を張らないことで造られた、複数階にまたがった空間をいいます。

一般の住宅では、2階の床を設けずに1階の部屋とつなげて、2階分の高さのあるフロアを造る場合がほとんどです。そこに設けられた階段が吹き抜け階段となります。

吹き抜けのある家を造る場合、玄関かリビングを吹き抜けにする場合がほとんどです。階段は意外とスペースが必要となるので、リビングを吹き抜けにして階段を設置すれば、床面積を有効に使えるという利点があります。

吹き抜け階段のタイプ

一般的な住宅の階段というと、両側に壁があるタイプの階段を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし階段の両側が壁になっていては、吹き抜けの空間とはっきり区切られてしまい、吹き抜け階段の意味がありません。

吹き抜け階段は、壁に接して造られていても、もう一方は手すりにして開放感を出すことがほとんどです。手すりも壁上の仕切りではなく、柵のような透過性のあるものが多くなっています。

足をかける踏板や、段と段をつなぐ蹴込板を透明な素材で造ったスケルトン階段も人気です。スケルトン階段は、その見た目から「オープン階段」「シースルー階段」とも呼ばれています。

スケルトン階段には、踏板は木材など存在感のある素材にして蹴込板だけを透明にしたもの、そもそも蹴込板を造らないものなど、さまざまな種類があります。まさに開放感のある階段といってよいでしょう。

吹き抜け階段として、らせん階段を設置するケースもあります。らせん階段にはおしゃれなイメージがあるので、スタイリッシュな印象の家にしたい、インテリアをトータルコーディネートしたいといった人にはぴったりでしょう。

吹き抜け階段のメリット

吹き抜け階段にはさまざまなメリットがあります。吹き抜け階段を設置することでどんなメリットがあるのか、ひとつずつ細かく見ていきましょう。

開放感がある

吹き抜け階段を設置することで開放的な間取りにできます。そもそも吹き抜けは、天井が高いので視覚的な広がりを感じますが、階段を上り下りする間もその広がりを感じられるのは大きなメリットです。

特にリビングの場合、吹き抜けになっていると圧迫感が少ないため、ゆったりとくつろげる空間になることでしょう。そこに階段を設けると視界にアクセントが出るため、より一層広がりが感じられるようになります。

またリビングは家族が長時間一緒に過ごす場所です。そこに吹き抜け階段を設置すれば、より吹き抜け階段のメリットを享受できることでしょう。

採光率を高くできる

吹き抜けがあると、窓を高い位置に設けたり開口部を広げたりできます。自然光を取り込みやすいので、吹き抜けといえば明るい空間を思い浮かべる人も多いことでしょう。

両側を壁に囲まれた階段は、家の中でも暗い場所になりがちです。しかし吹き抜け階段なら、吹き抜けと同じように明るい空間にできるのです。

生活動線を考えるなら、階段は家族全員が使いやすい家の中心部に設けたほうがよいでしょう。家の中心部にある階段が明るくなると、家全体の印象も明るくなります

風通しがよくなる

暖かい空気は上に昇る性質があるため、家族の集まるリビングに吹き抜け階段を設置すると上昇気流が生まれます。上昇した空気を2階の窓から逃がすことで、家中の空気を簡単に換気できるでしょう

家の中の風通しがよいと、湿気がこもらないのでカビが生えにくくなります。カビは見た目がよくないだけでなくアレルギーの原因にもなるので、小さい子どものいる家庭では十分に対策をとっておきたいものです。吹き抜け階段はカビ対策にもぴったりといえるでしょう。

換気で新鮮な空気を取り入れることは、インフルエンザや新型コロナウイルスといった伝染性のある病気対策にもなります。しかし特に冬場の寒い時期は、換気に時間をかけると家が冷え切ってしまいます。

換気のしやすい吹き抜け階段なら、短時間で新鮮な空気を取り入れることもできるでしょう。さらに、吹き抜けの天井にシーリングファンを取り付ければ、換気の効率も高くなります

家族間のコミュニケーションがとりやすい

吹き抜け階段は見通しがよいので、家族の誰かが上り下りすればすぐに分かります。家族の動きが分かれば、コミュニケーションも取りやすいことでしょう。

リビングに吹き抜け階段を設ければ、帰宅して自室に行く際には必ずリビングを通ることになります。互いに顔を合わせる機会が多ければ、さらにコミュニケーションが深まります。

吹き抜けによって、リビングにいても2階の気配を察知しやすくなります。そこに吹き抜け階段があれば、何か起こった際もすぐに察知して駆けつけられます。

思春期の子どもとのコミュニケーションを大切に考えるご家庭にも、リビングの吹き抜け階段はおすすめです。

階段をインテリアとして活用できる

吹き抜け階段は目立つため、どんなデザインの吹き抜け階段にするかで部屋の雰囲気もがらりと変わります。吹き抜け階段そのものをひとつのインテリアとして、家の雰囲気作りに活用してみましょう。

吹き抜け階段の手すりだけに注目しても、ナチュラルな木の柵にすれば温かい雰囲気になりますし、金属製の柵ならシャープな印象を与えます。壁と同色にすることで、吹き抜け階段を目立たなくすることもできます。

手すり、踏板、蹴込板といったパーツだけでなく、吹き抜け階段を一直線にするか、途中で折り返す構造にするかでも印象は変わります。どんな階段にするのか考えるだけでも楽しめることでしょう。

吹き抜け階段のデメリット

吹き抜け階段は、見た目もおしゃれでメリットが多いという特徴があります。ただ、無視できないデメリットがあるのも事実です。

吹き抜け階段の設置を考える際には、デメリットもよく知っておかなければなりません。ここではそのデメリットについて解説します。

においや音が伝わりやすい

吹き抜け階段をリビングに設置すると空気が上昇しやすいですが、空気が上昇するということは、一緒ににおいや音も伝わりやすいというデメリットにつながります。

リビングには家族が集まるので、家の中でもにぎやかなスペースといってよいでしょう。家族の誰かが2階の部屋で仕事や勉強に励んでいる時に、吹き抜け階段でリビングの音が伝わると邪魔になってしまいます。

またリビングに吹き抜け階段を設置すると、料理のにおいが上階に伝わりやすくなります。いくら吹き抜け階段は換気をしやすいといっても、カーテンなどに臭いがついてしまうと、換気してもなかなか臭いがとれません。

玄関ホールに吹き抜け階段を設置すれば、音や臭いはそれほど気にならないことでしょう

どうしてもリビングに吹き抜け階段を設置したいと思うなら、音や臭いの対策をとりましょう。吹き抜け階段を上った2階の出入り口に扉を設ける、吹き抜けと各部屋の間にウォークインクローゼットなどで空間を造るといった対策が有効です

冷暖房効率が悪くなる

吹き抜けは部屋の体積が大きいため、空調が効きにくいというデメリットがあります。吹き抜けで2階のスペースとつながっていると、冷暖房効率はさらに悪くなります。

特に冬場は、せっかく暖めた空気が天井付近に溜まってしまい、人のいる床付近はなかなか暖まらないことも珍しくありません。ハイパワーの空調なら広い空間でもすぐに温度調整できますが、光熱費が高くついてしまいます。

吹き抜けにするなら、天井にシーリングファンを設置したり扇風機を使ったりして、部屋の空気をかき混ぜられるようにしたいものです。

冷暖房効率を気にするなら、外壁や柱、窓の断熱といった家の性能を高めるのも有効な手段のひとつです。ただ家の性能を高めようとすれば、当然のことながら建築費も高くついてしまいます。

吹き抜け階段の家で快適に過ごそうと思うなら、建築に費用をかけてランニングコストを抑えるか、光熱費がかかることを覚悟して家計を管理するか、さまざまな角度から十分に検討して決めたいものです。

掃除やメンテナンスが大変

吹き抜け階段は明るく開放的というメリットがありますが、明るい空間なだけに汚れが目立つことがあります。そのため、こまめな掃除やメンテナンスが必須です。

リビングにある吹き抜け階段の場合、家族が長時間過ごす場所なので階段の汚れが目につきやすいでしょう。特に蹴込板をなくしたタイプの吹き抜け階段は、ゴミやほこりが階段下に落ちてしまうことも。

階段はお掃除ロボットが使えないため、自力で掃除機をかけて拭き掃除をしなければなりません。重い掃除機を持って階段を上り下りするのは大変なことでしょう。

共働きの家庭などで毎日の掃除が難しいなら、あらかじめ汚れやほこりが目立ちにくいデザインの吹き抜け階段にするといった工夫が必要です。

落下事故のリスクがある

吹き抜け階段の特徴としては、採光や通風がよいことが挙げられます。その分、落下事故が起きやすい間取りであるともいえるでしょう。

小さい子どもだと手すりの柵の隙間から落ちてしまうことがあります。大人であっても、荷物を持って階段を上り下りする際に、手すりの柵に足や荷物を引っかけて思わぬ事故につながることもあります。

かといって壁状の手すりにすると、採光や通風といったメリットが少なくなってしまいます。家族構成によって、安全性を重視するのか、採光や通風を優先するのか、十分に考えて吹き抜け階段のデザインを決めましょう。

来客時にプライバシーが確保しにくい

吹き抜け階段は見通しがよいため、上り下りするとすぐ目につきます。来客があった際には、家族だけでなく来客の目にも入りやすいと考えておきましょう。

特にリビングに吹き抜け階段があると、来客にも家族の動向が伝わってしまいます。親が来客と大切な話をしている時には、子どもがトイレにすら行けなくなってしまうといったことが起こるかもしれません。

家族のプライバシーを重視するなら、リビングの吹き抜け階段はやめておいたほうがよいでしょう

吹き抜け階段で後悔しないコツ

いったん吹き抜け階段を造ってしまうと、イメージと違ったからといって簡単に変更はできません。設計段階からさまざまな視点でよく考えて、納得してから造ることが大切です。

吹き抜け階段を造ってから後悔しないために、注意すべきポイントをご紹介します。

子どもの年齢を考えたデザインにする

吹き抜け階段のもつ採光や通風の効果を重視すると、落下事故が起きやすくなるといいました。柵状の手すりを設置するなら、柵の隙間を子どもが通れない間隔にしておきましょう。

子どもが乳幼児のうちは、階段にベビーゲートを設置して上れないようにするのも対策のひとつです。ただ、吹き抜け階段のデザインによってはベビーゲートを設置できないことがあるので注意しましょう。

わんぱくな年齢になると、手すりの柵に掴まって階段の外側にぶら下がるといった危険な遊びをすることも珍しくありません。手すりの設置位置を階段の端より少し内側に寄せることで、階段の外側からでは柵に手が届きにくくなる効果があります。

子どもの年齢によって、吹き抜け階段からの落下事故のリスクは変わってきます。最初は手すり部分からの落下を防ぐために透明なアクリル板を貼っておき、子どもがある程度大きくなったら外すといった対策もできます。

子どもの成長や家族構成の変化も考えて、吹き抜け階段をデザインするとよいでしょう

階段下をどう活用するのか考える

吹き抜け階段を造る際には、階段下をどう利用するのかも考えておきたいものです。

壁に囲まれた階段なら、階段下のスペースを収納にするといった方法があります。しかし吹き抜け階段は、階段下がデッドスペースになりがちです

ソファやテーブルを置いてくつろくスペースにするなら、階段からゴミやほこりが落ちてこないデザインにする必要があります。ラックなどをおいて収納スペースにするのもよいのですが、あまりごちゃごちゃしていると吹き抜け階段の魅力が半減してしまいます。

せっかく吹き抜け階段を造るなら、設計段階から階段下の有効活用を考えて、インテリアとしてのトータルコーディネートを目指しましょう。

まとめ

吹き抜け階段のメリットやデメリット、吹き抜け階段を造る際のコツについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

吹き抜け階段は、家の魅力を引き出すおしゃれなインテリアでもあります。ぜひその魅力やメリットを十分に感じていただきたいと思っています。

タクトホームは、これまでに数多くの吹き抜け階段を施工してきました。家族構成に合わせて、さまざまな吹き抜け階段のご提案をしております。吹き抜け階段をお考えなら、ぜひお気軽にタクトホームまでご相談ください。

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