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土間のある家とは?メリット・デメリットや間取りの工夫など解説

土間のある家に興味をお持ちでしょうか。土間のある家にすることで趣味の道具を置いたり、雨の日でも作業できたりといったさまざまなメリットがあります。一方で、土間部分を増やすことで居住スペースが減ってしまうといったデメリットがある点にも注意しなければなりません。

本記事では、土間のある家について、メリット・デメリットや土間のある家にする際のポイントについてご紹介していきます。

土間のある家とは

土間とは、屋内にある土足で利用できる空間のことを言います。

床材を張っておらず、土や漆喰などで固められたスペースです。

土間というと、昔ながらの日本家屋の玄関にあるというイメージを持っている人もいるでしょう。

玄関から続く広い土間は、炊事したり農具や収穫物を収納したりするスペースとして活用されていました。

昔の家にあるイメージの土間ですが、近年は土間を活用した家が注目を集めているのです。

土間の床部分も、現代はコンクリートやタイルなどおしゃれな素材が増えています。

一般的には玄関に設けることが多いですが、キッチン横やリビングの一角に土間を設置している家も増えているのです。

見た目がおしゃれなだけでなく、収納や趣味のスペースなど活用の幅も広がるなどさまざまなメリットがあり、今、土間への注目が集まっています。

土間のある家のメリット

土間があることで家の中と外を緩やかにつなぐことができ、実際の作業や収納スペースを広くできるなど多くの魅力のある土間。

ここでは、土間のメリットとして次の5つを見ていきましょう。

  • 収納が増える
  • 室内干しできる
  • 子供が汚れて帰ってきても安心できる
  • 雨の日に作業できる
  • 掃除がしやすい

収納が増える

土間を収納スペースとして活用することで、収納が増え室内をすっきりと見せることができます

玄関かガレージ横に土間を設ける場合、ウォークインクローゼットとしての使い方が一般的でしょう。

靴や自転車・車用品やアウトドア用品・ベビーカーなどの収納に大活躍します。

庭に自転車やベビーカーを保管すると、盗難や風雨での劣化が気になる場合も、土間なら安心して保管できます。

キッチン横に土間を設ければ、パントリーとしても活用可能です。

まとめ買いした日用品や食品をすっきりと収納できるだけでなく、買物から帰ってきたら土間を通ってキッチンに直接行けるので導線もスムーズになります

キッチンのごみといった、キッチンやベランダなどに置きたくないものも一時的に隠して保管できます。

室内干しできる

雨の日に洗濯物が外に干せなくても、土間があれば土間干しが可能です。

室内干しは、リビングや寝室などに干すと室内の湿度が上がり、カビの原因になりやすくなります。

また、見た目の悪さや臭いも気になるものです。

土間であれば、室内に干さずに済むうえ外から見られることもないので、雨の日だけでなく夜間に洗濯物を干したい人にも適しているでしょう。

子供が汚れて帰ってきても安心できる

子供が外で元気に遊んだ後は、足元や服が砂や泥で汚れていることは日常茶飯事です。

遊んだ勢いでそのまま室内に入られると、家の中まで泥だらけになり掃除に苦労しているという方も多いでしょう。

その点、玄関横などに土間を設ければ、子供は一度土間で汚れを落とすことが可能です。

ボールや砂場道具など汚れた遊び道具も、家の中に持ち込まずに土間で片付けられるので、室内への汚れの持ち込みを抑えられるようになります。

また、ペットのいるご家庭の場合も、土間に洗い場があれば、散歩後でもスムーズに洗って室内に入れるので便利でしょう。

雨の日に作業できる

土間は土足で利用すると言っても屋内にあり、屋根があるので悪天候に関わらず利用できます。

趣味を楽しむスペースにできるだけでなく、雨の日でも動き回りたい子供を遊ばせやすくなるものです。

また、工作やお絵かきと言った子供が散らかしてしまいがちな遊びでも、思う存分遊ばせられるのも子育て世帯には嬉しいポイントとなるでしょう。

掃除がしやすい

土間の床はコンクリートやタイルと言った掃除がしやすい素材が一般的です。

汚れが気になっても、さっと拭き掃除やモップ掛け、排水設備があれば水流しもできます。

土間のある家のデメリット

土間を設けるにはスペースが必要になり、コストもかかるなどのデメリットもあるので、慎重に判断する必要があります。

ここでは、土間のデメリットとして次の5つを見ていきましょう。

  • コストがかかる
  • 居住スペースが減る
  • 冬に寒い
  • 湿度が高くなりやすい
  • 段差に注意が必要

コストがかかる

土間を設置する場合、素材や暖房などの施設の有無にもよりますが、もっとも簡易な造りで1㎡あたり1万円程度から設置が可能です。

ただし、リフォームなどで新たに壁などを撤去して土間を作る場合は、50万円程度必要になり、大掛かりになれば100万円を超える場合もあるので、注意しましょう。

また、注文住宅で土間を作る場合でも、床材や仕上げの工法・設置設備によっては費用が高額になるケースもあります。

一般的なコンクリートやモルタルであれば、ある程度費用を抑えられるので検討してみるとよいでしょう。

関連記事:注文住宅を建てるのにかかる費用はどのくらい?費用相場や費用別に建てられる家のイメージなどご紹介

居住スペースが減る

元から敷地が広く家を大きくできる場合は問題ありませんが、基本的に敷地には限りがあります。

そのため、土間を設けるとその分居住スペースが狭くなる点には注意しましょう。

玄関に土間を設ければシューズクローゼット部分のスペースは取れなくなる恐れがあり、キッチン横に設けるとキッチンスペースやリビングが狭くなる恐れがあります。

室内を広々させたい、という場合は土間があることで希望が叶えられなくなる可能性があります。

土間を検討する場合は、土間だけでなく全体のバランスを考慮して検討するようにしましょう。

また、室内に土間を設けると、部屋と部屋を分断する可能性があります。

隣の部屋に行くのに土間を通らないといけない場合、一度土間用の履物に履き替える手間が必要になるので、それが毎日となるとストレスにもなりかねません。

土間の設置場所は、移動導線を考慮して部屋が分割されないような工夫が必要です。

冬は寒い

土間は、床材を張らずにコンクリートやタイル敷きとなるのが一般的なため、足もとが冷えやすくなります。

夏場は涼しく過ごせる反面、冬場は土間からの冷気が室内に入ってしまう可能性もあるので注意が必要です。

玄関横やガレージなどリビングから離れている場合は問題ないでしょうが、キッチン横やリビング土間の場合は寒さ対策が必要になります。

特に、リビング土間は土間の冷気で部屋全体が寒くなりやすいので注意が必要です。

土間にカーペットなどを敷くことで簡易的に対策できます。

寒さ対策としては、断熱効果のある床材を使用することや床暖暖房を設置するなど、工夫することで冬の冷えも抑えられるので、検討するとよいでしょう。

また、リビング土間の場合、薪ストーブの導入もおすすめです。

薪ストーブなら、部屋全体をじんわり温めてくれ、土間であれば灰や木くずなどの掃除も簡単にできるので検討してみるとよいでしょう。

湿度が高くなりやすい

室内と室外をつなぐ土間は、中の暖かい空気と外の寒い空気がぶつかり結露が生じやすく湿度も高くなりがちです。

また、濡れ傘やレインコート・洗った遊び道具などを置いておくと湿度もさらに高くなります。

湿度の高さや結露を放置しておくと、カビの原因となるので注意が必要です。

土間を設ける際には、風の通り道をつけるように窓の位置を工夫することや、換気扇を付けるなどの対策が必要です。

また、こまめな換気や除湿器・除湿剤などの設置で、日常的に湿気を逃すメンテナンスも忘れないようにしましょう。

段差に注意が必要

一般的に土間は、室内よりも一段低い場所に設置されます。

小さい子供や高齢者のいる家庭の場合は、段差に注意が必要です。

土間の床はコンクリートがそのままむき出しになっているため、ちょっとした高さでも赤ちゃんが落ちればケガしてしまう恐れがあります。

日常的に利用するにも、段差があると足腰に負担がかかるため、高齢になるにつれ利用が厳しくなる恐れもあるでしょう。

小さい子供がいる場合は転落対策が必要になるだけでなく、将来のバリアフリーリフォームも視野に入れておく必要があります。

土間のある家を建てる際のポイント

土間のある家を建てる際には、土間の利用方法や目的に応じで素材や設置場所などを検討することが大切です。

ここでは、土間のある家を建てるうえでのポイントとして、次の5つを紹介します。

  • 目的に合わせて床材を選ぶ
  • 掃除のしやすさを意識する
  • 調湿効果のある素材の量を検討する
  • 断熱性能の高い家にする
  • 用途に合わせて間取りを考える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

目的に合わせて床材を選ぶ

土間の床材として、一般的に次のような素材があります。

  • タイル
  • コンクリート
  • モルタル
  • 洗い流し(モルタル+石)
  • 天然石

  • タイル

色や模様・形などが豊富に選べるタイルは、どのようなテイストの家でも合わせやすく人気があります。

タイルの模様や形の組み合わせにより、様々な雰囲気を演出することが可能です。

種類によって価格帯も広いので、予算に合わせて選びやすいという特徴もあります。

  • コンクリート

玄関土間などでよく利用されるのがコンクリートです。

強度が高く無機質な質感でおしゃれ感も演出できるだけでなく、蓄熱性も高いので床暖房と組み合わせることで部屋を暖める効果が高くなります。

ただし、ひび割れやシミなどが目立ちやすい点には注意しましょう。

  • モルタル

コンクリートよりも滑らかな質感となるモルタル。

表面をきれいにならすだけでなく、あえてデコボコさせて味を持たせる仕上がりも可能です。

  • 洗い流し(モルタル+石)

モルタルに玉砂利などの石を混ぜて、表面に石を露出させる仕上がりになるのが洗い流しです。

昔ながらの日本家屋等でもよく見かけます。

玉砂利だけでなく色の付いた石やビー玉などの素材を埋め込むことで、味のある仕上がりも可能です。

  • 天然石

御影石や大理石と言った天然石を使用した土間は、高級感や豪華さを演出できます。

選ぶ石によって雰囲気も異なるので、石の風合いや質感を選んで好きなテイストに仕上げることも可能です。

石の種類や大きさによっては滑りやすくなるので、小さい子供や高齢者がいる場合は注意しましょう。

土間の床材によって費用やメリット・デメリットも異なります。

一般的には、「モルタル<コンクリート<タイル<洗い流し<天然石」の順で、費用が高くなるものです。

それぞれの素材で滑りやすさや汚れやすさ・強度などが異なってきます。

素材の特徴を把握してうえで目的や予算に応じた素材を選ぶようにしましょう。

掃除のしやすさを意識する

土間は、外からの汚れや雨などの水滴を持ち込むことが多くなるので、掃除やメンテナンスのしやすさも重要です。

拭き掃除や水洗いがしやすい素材なら、日常的な掃除がラクになります。

白などの明るい色よりグレーや茶・ベージュなどは汚れが目立ちにくいものです。

黒や紺と言った濃い色合いは、汚れが目立ちにくそうですが、水跡や泥が乾くと白く目立ちやすいので注意しましょう。

また、掃除しやすくするために給排水設備を設けておくのもおすすめです。

子供やおもちゃ・ペットなどの洗い場としても利用でき、水流しの掃除もさっとしやすくなります。

調湿効果のある素材の量を検討する

土間のある生活を快適に過ごすには、湿気対策が重要です。

濡れたものを持ち込む頻度が高く、結露の生じやすい土間は湿気対策ができていないとカビが発生しやすくなります

窓や換気扇の工夫だけでなく、壁や天井の素材を調湿効果のあるものを利用することも湿気対策となるので検討するとよいでしょう。

調湿効果のある素材としては、珪藻土や漆喰などがあります。

特に珪藻土は、消臭効果や耐火性もあるのでおすすめです。

断熱性能の高い家にする

足元が冷えやすい土間を設置すると、土間からの冷気で室内も冷えてしまいやすくなるため冷え対策も重要です。

土間自体の基礎の断熱材をしっかり使用することで、床材の工夫・床暖房の設置などで冷えにくい環境にする必要があります。

リビング土間なら薪ストーブを設置する、間仕切りやロールカーテンなどで土間から冷気が入るのを仕切れるようにしておくのもおすすめです。

また、土間とセットで検討しておきたいのが家の断熱性を上げることです。

家自体を断熱性の高い家にすれば、外からの冷気を室内に持ち込みにくくなり、土間があっても快適に過ごしやすくなります。

断熱材をしっかり使用する、二重窓など気密性の高いものにするなどもおすすめです。

用途に合わせて間取りを考える

土間の用途もさまざまあります。

  • 収納場所
  • 趣味のスペース
  • 子供の遊び場
  • コミュニケーションスペース
  • ペット用のスペース
  • 日常の家事のスペース

設置場所としても「玄関」「リビング」「家の中心」「ガレージ横」「キッチン横」などさまざまです。

どのような使い方をするかによって、設置場所や間取りが異なってきます。

広すぎる土間はスペースを持て余すことや、収納スペースが大きすぎて反対にものを増やす原因になってしまう可能性もあるものです。

土間での収納を検討しているなら、収納するものの大きさや量を具体的にイメージして収納棚や収納までの導線も考慮すると、使いやすい土間になるでしょう。

子供が小さいうちは収納を大きくとっていても、子供が大きくなれば不要になる可能性あるものです。

趣味や作業スペースとして活用するなら、作業台や収納棚など建具を検討する必要もあります。

用途によっては照明やコンセントも必要になってきます。

リビング土間の場合は、寒さ対策や部屋の分断にならないかも考慮する必要があるでしょう。

土間の活用方法によって最適な間取りが異なってくるのです。

また、土間だけで考えるのではなく、家全体でバランスを取ることも大切です。

土間を広く設けることでリビングなどの居住スペースが狭くなってしまわないか、導線が悪くならないかも考えなければなりません。

このように、土間を作る場合は、希望のライフスタイルや家全体のバランスなど総合的に検討するようにしましょう。

関連記事:4人家族の間取りのベストは?選び方と1〜4LDKそれぞれの暮らし

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まとめ

土間のある家のメリット・デメリット・ポイントをご紹介しました。

土間のある家にすることで魅力的なお家にすることができますが、湿度・寒さを始めいくつか気をつけなければならないことがあります。

土間のある家にしたいとお考えの方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。

タクトホームではこれまで59,000棟以上の住宅を建築。

土間のある家をはじめ、さまざまな家の建築ノウハウがあります。

注意しなければならないことも多い土間のある家の建築をお考えの方は、ぜひ一度タクトホームにご相談ください。

タクトブログ編集部
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