注文住宅を建てたいけど、どのくらいの費用がかかるのか不安に思っている方もいらっしゃるでしょう。
注文住宅は内訳や住宅会社の坪単価を知ることができれば、自分である程度シミュレーションすることが可能です。
本記事では、注文住宅の費用について内訳や具体的なシミュレーションをご紹介していきます。
Contents
注文住宅を建てるのに必要な費用の内訳
フラット35利用者調査によると、注文住宅を建てる際に必要な費用は次のとおりです。
- 注文住宅:3,572万円
- 土地付注文住宅:4,455万円
(参照:2021年度フラット35利用者調査 https://www.jhf.go.jp/files/400361622.pdf)
あくまで目安の費用ではありますが、3,000万円以上の費用がかかるのが一般的でしょう。
しかし、それらの費用はすべて建物だけの費用ではありません。
家を建てるための「建築費用」以外にもさまざまな費用が必要になるので、どのような項目でどれくらい必要なのかを把握しておくことが大切です。
注文住宅を建てるのに必要な費用としては、次のような項目があります。
- 建築費用
- 付帯費用
- 土地費用
- 外構費用
- 諸経費
それぞれ詳しく見ていきましょう。
関連記事:注文住宅を建てるのにかかる費用はどのくらい?費用相場や費用別に建てられる家のイメージなどご紹介
建築費用
建築費用とは、家本体を建てるために必要な費用のことで「本体工事費」とも言います。
建築費用には、次のような項目が含まれます。
- 仮設工事の費用
- 基礎工事の費用
- 木工事や内外装の費用
- 設備設置費用
- 設計料や人件費など
上記のような建物そのものを建てるための項目がすべて含まれていることが一般的です。
建物のみの費用となるため、庭やカーポート・門扉など建物以外の建築費は含まれないので、注意が必要です。
注文住宅のチラシなどで記載されているのはこの建築費用のみというケースが多く、広告に記載されている費用だけでは家は建てられない場合があるという点に注意しましょう。
また、建築工事に含まれる項目も注文住宅会社によって異なります。
設計料は別で請求されるケースなどもあるので、見積もりの際には何が含まれているのかまで確認することが大切です。
付帯費用
付帯工事費用とは、本体建築費以外で住むために必要な工事にかかる費用のことを言い、住宅会社によっては「別途工事費」と呼ばれることもあります。
付帯工事費としては、主に次のような費用が該当します。
- 電気や水道・ガスなどライフラインに関する工事
- 照明やカーテン設置
- 空調設備設置
- 家の取り壊しが必要な場合は取り壊し費用
- 地盤改良費用など
付帯工事費は、注文住宅費用の10~20%を占めると言われています。
ただし、必要な工事によって費用が大きく異なるので注意しましょう。
地盤改良やライフラインの整備が必要になると、高額になってしまう可能性があるのです。
地盤改良費などは地盤調査をしなければ必要か判断できないため、見積もり時点では含まれていない場合もあります。
住宅会社によって付帯工事費に何が含まれるかは異なり、見積もり時点の費用の精度も異なるでしょう。
いざ契約したら、付帯工事費が高額になり、建築費総額が予算オーバーになってしまったというケースも珍しくありません。
土地費用
所有している土地がなく、土地の購入から必要な場合は土地費用も必要です。
次のような費用も必要になるので注意しましょう。
- 印紙代:売買契約書やローン契約書に必要
- 登録免許税:土地の名義変更に必要
- 司法書士費用:登記手続きを代行した場合に必要
- 不動産取得税:土地の購入にかかる税金
- 仲介手数料:不動産会社への仲介手数料
- 固定資産税・都市計画税:年度途中で購入する場合、所有する期間に応じて清算が必要
注文住宅を建てる場合、先に土地の購入を進める必要があります。
そのため、土地購入費用は住宅ローンで賄うことができません。
土地購入費用は自己資金で用意するか、つなぎローンなどを利用することになるので注意しましょう。
住宅会社によっては所有する土地を案内してくれる場合もあるので、一度相談してみるのもおすすめです。
外構費用
外構費用とは、庭や車庫・門扉といった家の外側の工事にかかる費用のことを言います。
外構費用は、家を依頼した注文住宅会社だけでなく、外部の専門業者に依頼することも可能です。
ただし、別の業者に依頼すると、住宅ローンに組み込めなくなってしまうので注意しましょう。
また、注文住宅会社に一括して依頼する場合、外構費用は付帯工事費に含まれるケースも珍しくありません。
どちらにせよ、外構費用や付帯工事費は予算オーバーになる大きな原因です。
後から高額な請求になってしまったということが無いように、付帯工事費や外構費用は、見積もり時に詳細まで確認するようにしましょう。
関連記事:新築の外構工事の流れや費用、種類は?おしゃれな成功事例も解説
諸経費
諸経費とは、家を持つためにかかるさまざまな手数料などの総称です。
諸費用としては、次のような費用が挙げられます。
- 印紙税:ローン契約書や工事請合契約書
- 登録免許税:不動産登記や抵当権設定登記で必要
- 司法書士費用:登記を代行する際の費用
- 不動産取得税:不動産の取得にかかる税金
- ローンに関する手数料:事務手数料や保証料など
- 保険料:火災保険・地震保険の保険料
- その他:地鎮祭や近隣への挨拶回り用の費用など
諸経費は、一つ一つは小さな費用でも、総額になると家の建築費の10分の1程度を占めると言われています。
また、基本的にローンに組み込めず自己資金で用意しなければならないものもあるので、諸費用の項目や費用を把握しておくようにしましょう。
注文住宅を建てるのに必要な費用のシミュレーション
ここでは、注文住宅を建てるのに必要な費用を具体的に見ていきましょう。
住宅会社や商品ごとに坪単価が異なる
シミュレーションするうえで重要になるのが坪単価です。
注文住宅の坪単価とは、1坪当たりいくらで家が建つのかを表した数字です。
注文住宅の大まかな建築費は「坪単価×坪数」で求められます。
基本的には、ローコスト住宅より大手ハウスメーカーの方が坪単価は高くなるものです。
ただし、坪単価は住宅会社だけでなく商品によっても大きく異なるので注意しましょう。
また、坪単価は基本的に建築費のみとなり、付帯工事費などは含まれないのが一般的です。
建築費用にどこまで含まれているか確認する
建築費用に何が含まれ、何が付帯費用や外構費用になるかは住宅会社によって異なります。
一般的に、ローコスト住宅は建築費用に付帯費用が含まれることが多く、大手ハウスメーカーは付帯費用の項目が多く高額になる傾向があります。
ただし、会社によって異なるので、事前にどこまで含まれるのかを把握しておくことが大切です。
建築費用に含まれない項目が多い場合、後から費用が高額になってしまう場合もあるので注意しましょう。
また、二世帯住宅を検討している場合は、お風呂やキッチンといった設備が2倍になるためコストもアップしやすいので、より注意が必要です。
注文住宅の費用に関するシミュレーション
上記のポイントを踏まえたうえで「ローコスト住宅」「大手ハウスメーカー」「二世帯住宅」で費用をシミュレーションしてみましょう。
条件は以下の通りです。
- 延床面積:35坪
- 頭金500万円
- 借入条件:金利1.0%/借入期間35年
坪単価(建築費のみ) | 建築費:付帯費用:諸経費 | |
ローコスト住宅 | 50万円 | 8:1:1 |
大手ハウスメーカー | 80万円 | 6:3:1 |
二世帯住宅 | 100万円 | 7:2:1 |
-ローコスト住宅
坪単価50万円で35坪なので、建築費は50万円×35坪=1,750万円
付帯費用+諸経費まで含めると、1,750万円+350万円=2,100万円となります。
ちなみに、2,100万円-500万円=1,600万円を金利1.0%/借入期間35年で借入れた場合、毎月の返済額は、45,165円です。
-大手ハウスメーカー
大手メーカーの坪単価を80万円とした場合、建築費は80万円×35坪=2,800万円
付帯費用+諸経費まで含めた場合、2,800万円+約1,870万円=約4,670円
4,670万円-500万円=4,170万円でローンを組んだ場合、毎月の返済額は117,713円です。
-二世帯住宅
坪単価100万円のため、建築費は100万円×35坪=3,500万円
付帯費用+諸費用まで含めると、3,500万円+1,500万円=5,000万円
4,500万円のローンを組んだ場合の毎月の返済額は、127,028円となります。
注文住宅を建てる費用について事前に準備しておきたいこと
最後に、注文住宅を建てる費用について事前に準備しておきたいポイントとして、次の6つを紹介します。
- 返済できる額かを確認する
- 住宅ローンの借入可能額を確認する
- 自己資金として用意できる額を確認する
- 住宅会社の坪単価を確認する
- (土地から購入する場合)建てたいエリアの土地の坪単価を確認する
- 家を建てるのにかけられる予算を確認する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
返済できる額かを確認する
住宅ローンを組んで家を購入した場合、毎月返済が発生します。
今の家計状況や貯蓄を正確に把握し、ローンの返済が始まっても生活の負担になり過ぎないかをシミュレーションしておくことが大切です。
また、住宅ローンは30年や35年といった長期間に渡るローンの為、将来のライフイベントも考慮した返済シミュレーションをする必要があります。
今は子供が小さくて大きな支出がなくても、子供が成長するに伴い教育費が高額になる可能性があるでしょう。
親を介護する必要性が出てくる可能性もあります。
車の買換えや旅行に行きたいなどの希望もあるでしょう。
それらも考慮したうえで返済できる額がいくらなのかを確認しておくことが大切です。
仮に、3,000万円を金利1.0%・借入期間35年の場合、毎月の返済額は84,685円となります。
この額を毎月払えるのか、慎重に考慮するようにしましょう。
住宅ローンの借入可能額を確認する
住宅ローンは希望する額を必ず借りられるわけではありません。
借入可能額は、年収などを元に審査したうえで決められます。
年収が低い場合、希望する額を借入れできない可能性があるので注意しましょう。
年収が低く希望する額を借入れられない場合の対処方法としては、次のような方法が挙げられます。
- ペアローンや収入合算を利用する
- 自己資金を多く入れる
- 家を見直す
希望する額が借りられないと判明すると、家の購入を考え直さなければならなくなります。
事前にどれくらい借りられるのかが分かっていれば、予算に応じて家を選択できるため購入もスムーズに進めやすいでしょう。
自己資金として用意できる額を確認する
家の購入は基本的に「頭金+住宅ローンの借入額」で賄います。
自己資金として用意する頭金額によって、借入額も異なってくるのです。
頭金を多く入れることで、借入額を減らして返済の負担を減らせられるなどのメリットがあります。
しかしその反面、自己資金が大きく減少し、万が一に対応できなくなるなどのデメリットもあります。
そのため、用意する自己資金の額に預貯金すべてを充てるのはおすすめできません。
預貯金がゼロになってしまうと、病気などでの収入減や、教育費が思ったより高額になった場合などに対応できなくなる恐れがあるでしょう。
そのため、頭金を用意する場合は、万が一にも対応できるだけの資金を残すことを考慮する必要があります。
住宅会社の坪単価を確認する
住宅会社によって坪単価は大きく異なります。
気になる住宅会社の坪単価を比較して予算の目安を立てるようにしましょう。
仮に、坪単価80万円であれば、30坪の場合2,400万円が目安となります。
自分の希望する建物の坪数で、どれくらいの費用が必要なのかを把握しておくことで、家づくりにかかる費用の目処を立てやすくなるでしょう。
ただし、坪単価は本体工事費のみで表示されていることが一般的なため、付帯工事費などが加わることを考慮して目安額よりも3割ほど多めに見ておく必要があります。
また、実際の建築費は立地や設備などのグレードによっても大きく異なるので、あくまで目安としてとらえるようにしましょう。
(土地から購入する場合)建てたいエリアの土地の坪単価を確認する
土地から購入する場合、土地代によっても資金計画が大きく異なってきます。
土地代が予想より高額になると、家にかける予算を減らすか土地を諦めるかが必要になるものです。
希望するエリアの坪単価を確認して、おおよその土地代の目安を立てておくと資金計画が大きく狂わずに済むでしょう。
家を建てる際にかけられる予算を確認する
自己資金や住宅ローンの借入予定額、土地代などを考慮して、家を建てるのにどれくらい予算を充てられるのかを把握しておくことが大切です。
注文住宅では、こだわろうと思えばいくらでも費用を掛けてこだわれます。
しかし、実際には予算があり予算内で収めなければなりません。
予算を明確にしないまま希望だけで家づくりを進めていくと、莫大な費用が必要になり、結局家づくりを一からやり直すはめになるものです。
事前にいくらまでかけられるのかを明確にすることで、家づくりもスムーズに進めやすくなるでしょう。
まとめ
注文住宅の費用に関して、内訳やシミュレーション、事前に準備しておくべきことなどを解説しました。注文住宅は自分で一から間取りを考えていくことが出来ますが、やりたいことを全て取り入れると費用が大きくなってしまいます。
やりたいことを詰め込みすぎて結局家を建てられなかった、といったことを避けるためにも、本記事でご紹介した方法で、ご自分でシミュレーションできるようになっておくことが大切です。
タクトホームでは、厳選された高品質な設備や資材をまとめて調達することで、ハイクオリティでありながらコストを抑えた注文住宅を建てることが可能です。
注文住宅の費用に関して不安を感じている方など、ぜひ一度タクトホームにご相談ください。