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年収400万円で家を買う人が押さえておくべき考え方や借入可能額の計算方法

年収400万円で家を買おうと考えている方は、どのくらいの額の物件を購入できるのでしょうか。

本記事では、年収400万円の方の住宅ローン借入可能額の計算方法や、理想の返済額の考え方についてご紹介します。

年収400万円で家の購入を考えている方は、本記事の内容を参考になさってください。

年収400万円の住宅ローン借入可能額の計算方法

住宅ローンは希望する額を必ず借りられるわけではありません。

借入可能額を金融機関が判断し、その額内での融資となるため、借入可能額によっては希望する家を購入できない場合もあるのです。

家の購入を検討しているなら、まずは自分がいくらまで借りられるのかを把握する必要があります。

借入可能額の算出は、次の3つのステップで計算できます。

  • 返済比率を確認する
  • 審査金利を確認する
  • 借入可能額を計算する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

返済比率を確認する

返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合のことを言います。

返済比率(%)=年間返済額÷年収×100

仮に、年収400万円で住宅ローンの年間返済額が120万円の場合は、返済比率30%となります。。

返済比率が高ければ、返済額の負担が大きく返済が滞る恐れがあるため返済比率も重要なポイントとなります。

金融機関によって基準値は異なりますが、一般的に30%~35%以下が目安と言われています。

  • 審査金利を確認する

審査金利とは、金融機関が審査時の算出で利用する金利のことを言います。

住宅ローン審査の際は「審査金利」か実際に適用する「適用金利」のどちらかで審査されます。

審査金利の場合、将来の金利上昇リスクにも備え、適用金利よりも高めに設定されている点に注意が必要です

住宅ローンの適用金利が1~3%程に対して、審査金利は3~4%程と言われています。

ただし、金融機関によって審査金利と適用金利どちらで判断されるか、またその数値はどうなのかは異なりますが、明言している金融機関はほぼありません。

借入可能額を計算する

返済比率と審査金利について理解できたら、借入可能額の算出は簡単です。

借入可能額は、一般的に次の計算で求められます。

借入可能額=住宅ローンの年間返済可能額(円)÷12カ月÷審査金利での100万円あたりの月返済額(円)×100万円

仮に、次の条件で借入可能額を算出してみましょう。

  • 年収:400万円
  • 審査金利:3.0%
  • 返済比率:30%

年間返済可能額は400万円の30%なので、年間120万円です。

また、金利3.0%で100万円を30年間借入れた場合の毎月の返済額は4,216円となります。

よって、借入可能額は以下の通りです。

借入可能額=120万円÷12ヵ月÷4,216円×100万円=約23,719,165円

この場合、約2,370万円まで借り入れできるという計算になります。

年収400万円未満か400万円以上かで借入可能額が大きく異なる

借入可能額は、年収によって大きく左右され、特に年収400万円未満と400万円以上では大きく異なってきます。

返済比率や適用金利が公開されているフラット35の場合、返済比率に次のような条件があります。

  • 年収400万円未満:返済比率30%以下
  • 年収400万円以上:返済比率35%以下

そのため、仮に金利1.490%(フラット35の2022年12月適用金利)・借入期間35年で年収350万円と年収400万円で借入可能額を計算すると次のようになります。

  • 年収350万円の場合

借入可能額=105万円÷12ヵ月÷3,056円×100万円=約28,632,198円

  • 年収400万円の場合

借入可能額=140万円÷12ヵ月÷3,056円×100万円=約38,176,265円

このように、年収が400万円未満か以上かで借入可能額が1,000万円も変わってくるのです。

借入可能額=適正額ではない点に注意

借入可能額は、借入できる上限の額ですが上限ギリギリで借入れるのはおすすめできません。

借入可能額いっぱいで借入れてしまうと、返済の負担が大きくなってしまう可能性が高いのです。

借入可能額で借りた場合の返済シミュレーション

借入可能額から返済額をシミュレーションしてみましょう。

先述した年収400万円でフラット35を借入れる場合、借入可能額は約3,800万円です。

仮に3,800万円(金利1.490%・借入期間35年)での返済額は次のようになります。

  • 毎月の返済額:116,164円
  • 返済総額:48,788,880円

また、年収400万円は手取りではない点にも注意が必要です。

社会保険料などで約110万円差引かれるため、実際の手取りは290万円程となり、月収にすると約24万円となります。

手取り月収24万円のうち約12万円が住宅ローンの返済となると、かなり家計を圧迫してしまうでしょう。

借入可能額いっぱいで借入れることで、借入額も多くなり毎月の返済だけでなく返済総額も高額になる点にも注意が必要です。

関連記事:フラット35ってどうなの?特徴やメリット・デメリット・向いている人

理想の返済額がどのくらい?

住宅ローンの借入額を決める際には、借りられる額ではなく返済できる額かで判断する必要があります。

金融機関の返済比率基準は30%~35%以下ですが、理想的な返済比率は手取り額の20%~25%以下と言われています。

仮に、年間の手取りが290万円であれば、年間の返済額を72.5万円/月額約6万円に収めると生活への負担も大きくはないでしょう。

ちなみに、返済比率には住宅ローン以外の借入の返済額も含まれます。

自動車ローンやキャッシングなど別の返済もある場合は、住宅ローンの返済額はより抑える必要があるのです。

年収400万円で希望額が借りられない場合の対処法

年収400万円での借入目安額は3,000万円~4,000万円程となります。

しかし、家族構成や資産状況などでそれ以下の場合もあるものです。

そのため、立地や購入したい家の条件によっては、家の購入額を賄えない可能性があります。

希望額が借入れられない場合、希望する家を諦めるしか方法がない訳ではありません。

希望額が借入れられなくても、希望する家を購入する方法として、次の3つが挙げられます。

  • 頭金を貯める
  • 頭金を借りる
  • 収入合算や親子リレーローンを検討する

頭金を貯める

借入可能額に頭金をプラスすることで希望する家の購入が可能になります。

また、借入可能額だけで家の購入費を賄える場合でも、ある程度の頭金を入れることで金利が下がる場合があります。

フラット35の場合、家の購入額と融資額の割合である融資率が9割以下と9割超えでは金利が異なるのです。

頭金を入れて借入額を減らすことで毎月の返済の負担も軽減できるというメリットもあります

ただし、これから頭金を貯めるのであれば、家の購入がその年数分遅れてしまう点には注意が必要です。

気に入った家があっても借りられない場合もあるでしょう。

数年後には、住宅ローンの金利が上がっている可能性もゼロではありません。

これから貯めるデメリットも理解したうえで、家の購入を検討する必要もあるのです。

関連記事:住宅ローンの選び方はどうすればいい?5つのポイントをご紹介

頭金を借りる

頭金がなければ希望する家を購入できない状況で、頭金を用意する方法としては借りるという手もあります。

頭金分まで含めて住宅ローンを利用するフルローンもありますが、借入可能額を超えて借入できないため可能額内で家を選ぶ必要があります。

そのため、借入可能額を超えた部分は親や親戚に援助してもらう方法が挙げられます。

親などから援助を受けられない場合は、住宅ローン以外のローンを利用することになりますがこの方法は現実的には難しいものです。

先述したように、借入可能額を算出するうえでの返済比率は他のローンや借入の返済額も含まれます

ローン審査でも、他にローンを組んでいる状態では不利となり審査に通らない可能性が高くなります。

また、配偶者に別のローンを利用してもらう方法もおすすめできません。

住宅ローンの金利は1~3%程と低金利ですが、別のローンの金利は高めです。

仮にローンを借入れられたとしても、住宅ローンと金利の高いローンの支払いで生活が苦しくなる可能性が高くなるでしょう。

夫婦でローンを検討する場合は、次に説明する収入合算という方法があります。

収入合算や親子リレーローンを検討する

収入合算とは、自分だけの年収では足りない場合、配偶者の年収と合算した年収で住宅ローンを借入れる方法です。

収入合算には、大きく「連帯債務型」と「連帯保証型」の2つの方法があります。

連帯債務型は、契約者だけでなく連帯債務者となった配偶者も返済の義務を負う借入れ方法です。

この方法では、配偶者も同じ責任を負うため住宅ローン控除も夫婦それぞれで適用できるというメリットもあります。

対して、連帯保証型は配偶者が連帯保証人となる借入れ方です。

あくまで連帯保証人なので契約者が返済できる状況では、配偶者は返済の義務を負いません

また、夫婦や親子で住宅ローンを組む方法にペアローン・親子リレーローンがあります。

ペアローンとは、1つの物件に対して夫婦または親子それぞれでローンを組む方法です。

収入合算が1つのローン契約なのに対し、ペアローンは2つのローン契約となります。

親子リレーローンとは、親世帯と子世帯で1つのローンを組んで、二世代に渡って返済する方法です。

一定期間の返済を親世帯が行い、その後の返済を子世帯が引き継ぎます。

ペアローンは配偶者や親子それぞれで返済がスタートするのに対し、親子リレーローンは親の返済後に子の返済がスタートするのです。

収入合算・ペアローン・親子リレーローンの特徴を一覧で確認しましょう。

 収入合算ペアローン親子リレーローン
返済義務・夫婦両方(連帯債務型) ・主契約者のみ(連帯保証型)それぞれの契約者が返済義務を負うそれぞれの契約者が返済義務を負う
返済順番同時親世帯後に子世帯
住宅ローン控除・夫婦両方(連帯債務型) ・契約者のみ適用(連帯保証型)それぞれで適用それぞれで適用
所有権契約者出資割合でそれぞれが所有する出資割合でそれぞれが所有する

収入合算とペアローン・親子リレーローンは一人の収入で足りない場合検討するとよいでしょう。

しかし、万が一、離婚や親が早期に亡くなってしまった場合は、問題になりやすいため注意が必要です。

また、どちらかの収入に大きな差がある場合でも、片方が亡くなると自分の返済分に団信が適用できずに返済の負担がかかる点にも注意しなければなりません。

メリット・デメリットを比較してうえで、利用は慎重に判断するようにしましょう。

関連記事:住宅ローンで夫婦合算する際の注意点とは?連帯債務・連帯保証など仕組みと併せて解説

まとめ

年収400万円の方が家を買う際の住宅ローンの借入限度額やシミュレーション、理想的な借入額についてなどご紹介しました。

また、どうしても購入したい物件があるものの、希望の額が借りられない方に向けた対処法についてもお伝えしました。年収400万円で家の購入を考えている方は本記事の内容を参考になさってください。

タクトブログ編集部
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