お金(節約術)

20代でマイホームを購入するってどうなの?メリット・デメリットと頭金について

20代でマイホームを購入するのは早いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、住宅ローン完済時の年齢を考えると、20代後半にはマイホームを購入しておいたほうが老後は安心でしょう。

一方で、20代だと収入や頭金の額が十分でないといった問題もあります。

本記事では、こうした20代でマイホームを購入するメリット・デメリットの他、マイホーム購入に向いている人や頭金に対する考え方などをご紹介していきます。

20代でマイホームを購入するメリット

まずは、メリットから見ていきましょう。

メリットとしては、次の3つが挙げられます。

  • 現役世代で完済できる
  • 長期で住宅ローンを組みやすい
  • 団体信用生命保険に加入しやすい

現役世代で完済できる

住宅ローンは30年~35年の返済期間で組む方が多いでしょう。

仮に、25歳で35年の住宅ローンを組んだ場合、順調に返済すると完済は60歳です。

それが40歳で35年の住宅ローンを組むと、完済は75歳となってしまいます。

この定年前に完済できるか、できないかは大きな差とも言えるでしょう。

定年前の収入が安定している時期に住宅ローンを完済できると、定年後はローンの支払いがなくなります。

定年後は年金をもらえると言っても、いくらになるかは不透明です。

老後2,000万円問題が話題になるように、年金だけで豊かな老後生活を送るのは難しいと言えるでしょう。

収入の少ない定年後の生活で、住宅ローンを毎月10万円近く払い続けるのは大きな負担です。

反対に、現役世代で完済できればそれ以降居住費は掛からなくなり、家も自分の資産にできます。

関連記事:家を買う年齢をどう考える?平均年齢から年代別のメリット・デメリットまでご紹介

長期で住宅ローンを組みやすい

住宅ローンの完済時の年齢制限を設けている金融機関は多いものです。

一般的には、80歳を条件としている金融機関が多いでしょう。

また、現実的に定年後80歳まで住宅ローンが続くのは難しいものです。

そのため年齢によっては、金融機関の審査が厳しくなり、長期的な住宅ローンが組みにくくなります。

特に、40歳以降で30年を超えるローンを組むことが出来ない可能性があります。

反対に、20代であれば35年ローンを組んでも50代・60代前半で完済できるので、長期的なローンを組みやすいのです。

団体信用生命保険に加入しやすい

住宅ローンへの加入と同時に加入する団体信用生命保険(団信)。

団体信用生命保険とは、契約者の死亡もしくは所定の高度障害等で住宅ローンが支払えなくなった場合に、保険金でローン残債を返済する制度です。

団信に加入することで、万が一契約者に何かあった場合でも、残された家族は住宅ローンを払う必要がなく、安心して家に住み続けられます。

この団信は、多くの金融機関で住宅ローンの契約で加入を必須としています。

しかし、団信は保険でもあるため、持病がある人や健康状態に不安がある人は加入が難しいというデメリットもあります。

年齢が上がってから団信に加入しようとすると、健康状態が問題となって加入できずに住宅ローンが組めない可能性が高くなります

その点、20代であれば健康状態に問題がある可能性が低いので、加入することは難しくないでしょう。

とはいえ、20代でも健康状態に不安があり団信加入が難しい人もいるでしょう。

数は少ないですが、フラット35のように、団信の加入を必須としない住宅ローンもあります。

団信に加入できない場合は、そのような住宅ローンを検討するとよいでしょう。

20代でマイホームを購入するデメリット

20代でマイホームを購入することにはデメリットもあるものです。

家の購入は、多くの方にとって人生の中でもっとも大きな買い物であり、一度購入したら簡単に取り消すことはできません。

勢いだけで購入するのではなく、デメリットも理解したうえで慎重に判断することが大切です。

デメリットとしては、次の3つが挙げられます。

  • 収入や頭金の額が十分でない可能性がある
  • 家族が増える可能性がある
  • 簡単に引越しできなくなる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

収入や頭金の額が十分でない可能性がある

金融機関にもよりますが、住宅ローンを組む際に頭金を求める金融機関は多いものです。

また、頭金の額によって金利が変わる場合もあります。

20代で家を購入しようとした場合、頭金を蓄える時間が不足し、あまり蓄えられていない場合があるでしょう。

頭金なしでフルローンを組むという手もありますが、フルローンは金利が高く返済の負担も大きくなる点に注意が必要です。

また、20代では収入がまだ低いケースも珍しくなく、借入可能額が希望額に達しない場合もあります。

住宅ローンは希望した額を必ず借入れられるわけではありません。

一般的には、年収と返済比率を元に借入可能額を金融機関が算定して決まるものです。

そのため、年収が低い状態では借入額が低くなってしまい、家の選択肢が狭まる可能性があります。

家族が増える可能性がある

20代で家を購入するきっかけとしては、結婚・第一子の出産が挙げられます。

20代のうちは、まだ、家族構成が安定していない人がほとんどです。

今後子供を希望している世帯は、子供が増えることを見越して間取りを組む必要がありますが、実際にどれくらい必要かは明確には分かりません。

夫婦だけの時はコンパクトな間取りがいいと思っていても、子供が増えると手狭になってしまう可能性もあるでしょう。

また、今後子供が増えることは喜ばしいことですが、支出が増えることでローンの支払いが厳しくなる可能性もあるでしょう。

子供が増える可能性がある人は、子供にかかる費用も考慮してローン計画を立てる必要があります。

関連記事:3人家族に最適な間取りの選び方のポイントは?賃貸か購入かの判断も!

簡単に引越しできなくなる

家を購入すると、賃貸のように気軽に居住場所を変えることは難しくなります。

20代の場合、転勤や転職で今の職場とは違う場所で働く可能性もゼロではありません。

賃貸であれば、職場に合わせて引越しもできますが、持ち家となると家を手放して引っ越すことは簡単ではなく、単身赴任や売却が必要になってくるものです。

万が一、住んでからご近所トラブルがあった場合も、その場に住み続ける必要があります。

また、住む場所は子供の学区にもかかわってくるものです。

住む場所は簡単に変えられないことを意識して、慎重に選ぶようにしましょう。

どんな人が20代でマイホームを購入すべき?

ここでは、20代でのマイホーム購入がおすすめな人について見ていきましょう。

次のような人に20代でのマイホーム購入が適しています。

  • 転勤のない方
  • 老後を安心して暮らしたい方

転勤のない方

今後、転勤が発生することがない職業の場合は、マイホームを視野に入れてもよいでしょう。

家を購入した後に転勤になると、住宅ローンを払いながら転勤先の家賃を支払う必要になるケースや単身赴任しないといけないケースもあります。

どちらにしても住宅ローンを払いながらでは経済的な負担が大きくなるでしょう。

もちろん、将来的に勤務場所が変わらないという保証もなく、数年して転職する可能性もあるものです。

そのような場合も視野に入れ、立地が良いなどいざというとき売却しやすい物件を選んでおくのも一つの手と言えるでしょう。

老後を安心して暮らしたい方

20代でローンを組むと定年前に完済できる可能性が高いため、老後資金への影響が少なくなります

仮に、55歳で住宅ローンを完済できれば、それ以降の給与は老後資金として蓄えることも可能です。

早い段階でローンを完済することで、安心して老後を迎えられるでしょう。

20代でマイホームを購入するのに必要な頭金の額は?

最後に、頭金について解説してきます。

マイホームを購入する際に悩むのが頭金の額でしょう。

20代のうちは給与も安定せず貯蓄も多くないため、頭金の用意が難しい人という方も珍しくありません。

頭金はあったほうが良いのでしょうか。

頭金ゼロでもマイホームは購入できる可能性はある

結論から言えば、頭金ゼロでも住宅ローンを組むことは可能です。

しかし、頭金なしで住宅ローンを組んだ場合、借入額が大きくなり、その分返済の負担や利子負担も増えます。

また、金融機関によっては、頭金の割合で金利が変わる場合もあるので注意が必要です。

例えば、フラット35では融資率が9割以下と9割超えでは金利が異なり次のようになります。

  • 9割以下:1.650%~3.000%
  • 9割超:1.910%~3.260%

ちなみに融資率は「借入額÷住宅の購入額」で算出できます。

3,000万円の家に対して、2,500万円の借入(500万円が頭金)の場合は、融資率が約83%となるのです。

頭金ゼロでローンを組んだ場合でも、事務手数料や土地購入時の不動産仲介料などは現金で必要になります。

諸費用をローンで賄う場合は、別のローン契約が必要になり金利が高額になるので注意しましょう

関連記事:マイホームは頭金なし・貯金なしでも買える時代!メリット・デメリットを解説

頭金が多いと返済の負担は軽減できる

貯蓄に余裕があるなら多めに頭金を入れることをおすすめします。

頭金を入れることの大きなメリットは、借入額を減らせ、毎月の返済の負担も軽減できるという点です

例えば、3,000万円と2,400万円のローンで返済額を見てみましょう。

なお、両方とも金利1.0%・借入期間30年でシミュレーションしています。

  • 3,000万円:毎月の返済額96,491円/返済総額34,736,760円
  • 2,400万円:毎月の返済額77,193円/返済総額27,789,480円

毎月の返済額を抑えることで、その分老後資金や教育資金に回すことも可能です。

また、家には維持費もかかるため、毎月の返済での減額分を維持費として蓄えるもの良いでしょう。

頭金をいまから貯めるなら頭金ゼロで購入するのもおすすめ

家を購入しようと思っても、頭金がないから貯まるまであきらめようと思う方もいるでしょう。

しかし、数百万を蓄えるのには数年かかります。

その数年の間にも賃貸の家賃は支払う必要があります。

ローンと賃貸の家賃は同じ居住費でも、ローンは将来の自分の家のための支出で、家賃は大家さんへの支払いという違いがあるものです。

現在支払っている家賃に頭金用の貯蓄をプラスすれば、多少ローンが増えても家を購入できる場合もあるでしょう。

頭金が貯まるまでの数年を待つことにもデメリットがあります。

気に入った家や土地を見つけても頭金が用意できないため、購入できないということもあるでしょう。

また、金利の面でも不利になる恐れがあります。

現在の住宅ローンは低金利で組め、変動金利では0.3%以下という場合も珍しくありません。

とはいえ、この低金利がいつまで続くかは不透明です。

現在は、金利に影響する日銀が金融緩和政策の継続を明言しています。

ただし、世界各国では利上げが行われ、日本の円安も進んでいるためいつ日本も利上げに踏み切るかは分からない状況です。

頭金を貯めるために数年待つことで、住宅ローンの金利が上がってしまうと、蓄えた額以上が利息分で消える可能性もあるでしょう。

頭金を蓄えるのにどれくらいかかるのか、蓄えずにローンを組んだ場合の支出計画がどうなるかなど比較して慎重に判断することをおすすめします。

まとめ

20代でマイホームを購入するメリット・デメリットや購入に向いている人、頭金の額などお伝えしました。

20代でマイホームを購入するのには、早く完済できるといったメリットがある一方、マイホームを購入した後に子供が増える等の可能性があるため、マイホームの間取りを決めづらいといった問題があります。

頭金の額など含め、20代でマイホームの購入を検討されている方は、ぜひ本記事の内容を参考になさってください。

タクトブログ編集部
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