外壁塗装と聞くと、物件購入後に数十年経ってから実施するイメージを持つ方も多いですが、実は新築物件でも外壁塗装を実施することがあることをご存じでしょうか。
本記事では、新築物件における外壁塗装についてよくある理由など解説するとともに、将来、どのタイミングで塗り替えを検討すべきかどうかの判断材料として、塗料別の耐用年数についてなど解説していきます。
Contents
新築物件に外壁塗装を行うことはある?
結論から言えば、新築物件でも外壁塗装は可能です。
外壁塗装とは、家の外壁部分を塗装することで見た目を一新したり、劣化した部分を補修したりすることです。
外の環境から建物を保護してくれる外壁は、毎日太陽光や雨風・排気ガスなどにさらされています。
このような要因から外壁は劣化しやすく、劣化したまま放置していると本来の性能を発揮できずに家の保護にも影響が出てしまうのです。
そのため、外壁は一般的には10~20年くらいで塗装のやり直しや交換などが必要になります。
塗装をやり直すことで、本来の機能を取り戻し家の中で快適に過ごせるのです。
機能だけでなく、塗装時に色や素材を見直すことで、家のイメージの一新もできます。
ただし、外壁塗装には高額な費用がかかってくるので、しっかりと資金計画を立ててタイミングを計る必要があります。
外壁塗装は築年数が経過して行うのが一般的でしょう。
新築物件の場合、外壁が劣化していることはなく本来の機能も損なわれていません。
そのままの状態でも十分な性能を有しているので、基本的に外壁塗装し直す必要ありません。
しかし、絶対に外壁塗装しないというわけではありません。
イメージ違いや施工ミスなどを理由に、新築物件でも外壁塗装するケースがあるものです。
新築物件で外壁塗装する場合は、すでに施行済の外壁代金に上乗せされますが、費用さえ支払えば塗装は可能です。
また、新築時に塗装しなくてもいずれは外壁塗装を検討しなければなりません。
そのため、外壁塗装についてある程度理解したうえで新築物件を検討することも大切です。
関連記事:新築の家のイメージを決める外壁、建材の紹介と選び方のコツ
新築物件なのに外壁塗装を実施するよくある3つの理由
新築物件で外壁塗装するのはどのような理由なのでしょうか?
ここでは、新築物件が外壁塗装するよくある理由として、次の3つを紹介します。
- 施工したら外壁のイメージが違った
- 建売購入後に外壁の色を変えたい
- 施工不良があった
それぞれ詳しく見てきましょう。
施工したら外壁のイメージが違った
住宅を建築する際には、外壁は家の印象を大きく左右するため慎重に検討するものです。
しかし、どんなに慎重に選んだとしても、中には出来上がったらイメージが違ったというケースもあります。
注文住宅で外壁を決める場合は、カタログや小さな外壁サンプルなどを基にして選んでいくのが一般的でしょう。
住宅メーカーでもパソコン上や模型などで全体像を見せてくれますが、それでも実際に出来上がると「なんだか思っていたのと違う…」とならないわけではありません。
特に小さなサンプルだけで選んだ場合や家へのこだわりやイメージが強い場合は、そのように感じてしまいやすくなります。
性能に問題がなければ、施工後に外壁イメージが違っても塗装のタイミングを待って塗り替えするのが一般的でしょう。
とはいえ、家へのこだわりが強い場合などではどうしても数年待てない人も珍しくなく、そのようなケースでは塗り替えが一つの解決策となるのです。
建売購入後に外壁の色を変えたい
注文住宅であれば外壁は自分や家族の希望を反映できますが、新築でも建売で購入となるとそうはいきません。
建売の場合は、理想をすべて叶えることは難しいので、立地や間取りは希望通りだけど外壁は希望と異なるというケースもあるでしょう。
そのような場合で、新築であっても外壁塗装を検討する場合があるのです。
建売であれば注文住宅よりもある程度費用を抑えて住宅を取得できます。
その抑えた部分を外壁塗装に回すことで、理想の住宅に近づけられるでしょう。
施工不良があった
外壁に施工不良が確認できる場合は、見た目だけでなく機能性の問題からも早めの外壁塗装が必要です。
ただし、施工不良での外壁塗装の場合は施行業者が保証してくれるケースが多いので、一度相談してみるとよいでしょう。
新築物件でよく使われる外壁素材
ここでは、新築物件でよく使われる外壁素材についてみていきましょう。
定番ともいえる素材としては、次の2つが挙げられます。
- 窯業系サイディング
- モルタル
窯業系サイディング
セメントに繊維状の素材を混ぜ合わせ板状に形成した外壁素材を、窯業系サイディング
と言います。
サイディングとは、外壁に貼る仕上げ用の板状素材のことを言い、窯業系以外にもガルバリウム鋼板など金属板でできた金属系や木質系・樹脂系などの種類があります。
窯業系サイディングは、窯で高熱処理して製造されることから、窯業系と呼ばれているのです。
窯業系サイディングには次のようなメリットがあります。
- 比較的価格が安い
- 耐火性や耐久性がすぐれている
- 施工しやすい
- カラーやデザインが豊富
このように様々なメリットがあることから、近年は多くの住宅で窯業系サイディングが使用されており、主流ともいえる外壁材なのです。
モルタル
モルタルとは、セメントと砂・水をまぜたペースト状の素材です。
外壁で使用する場合、現場でペースト状の素材を外壁に塗って仕上げていきます。
モルタルのメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
- 耐火性・耐久性に優れている
- デザインを自由に作れる
モルタルの外壁は、ペースト状の素材を外壁部分に塗り乾燥させて作り上げます。
どのような場所にも対応しやすく、表面の仕上げ方を変えるだけでさまざまなデザインを作り出すことも可能です。
モルタルは仕上げだけでなく、その上からタイルを貼るなどつなぎ素材として利用される場合もあり、幅広いデザインの外壁が実現できます。
また、サイディングのように外壁に継ぎ目が出ないことから、滑らかな外壁を作り出せるというメリットあります。
ただし、ひび割れしやすく定期的なメンテナンスが必要で、費用も高額です。
他の素材に比べ施工期間も長くなる点にも注意しましょう。
塗料別塗り替えのタイミング目安
外壁塗装は10~20年のタイミングで検討するものですが、使用する塗料によって必要なタイミングが異なります。
塗料によっては10年以下でも塗り替えを検討しなければならない場合もあるのです。
そのため、新築時にどのような塗料が利用されたのかは把握しておく必要があります。
そのうえで、それぞれの塗料の耐用年数に応じて適切なタイミングで塗装することで、見た目も機能も十分に発揮できるのです。
塗料ごとの耐用年数を一覧で確認しましょう。
素材 | 耐用年数 |
ウレタン塗料 | 5~8年 |
シリコン塗料 | 8~10年 |
ラジカル塗料 | 7~15年 |
フッ素塗料 | 10~15年 |
無機塗料 | 10~17年 |
それでは、以下で塗料別の耐用年数など詳しく解説します。
・ウレタン塗料
ウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合塗料である、ウレタン塗料はシリコン塗料より以前に広く使用されていた塗料です。
密着性が高く伸びやすいので施工性が高く、また、比較的安価なことからも普及していました。
また、光沢が長持ちしやすいというメリットもあります。
耐用年数は5~8年と他の塗料に比較して短めなので、一回当たりの費用を抑えられてもトータルの費用が高額になる可能性には注意しましょう。
・シリコン塗料
近年の主流と言えるのがシリコン塗料です。
ウレタン塗料よりも耐久性が高く、豊富なカラーバリエーションがあるというメリットもあります。
また、汚れにくい性質もあり、外壁に付いた汚れやほこりを雨水が流しやすいため外壁をきれいに保ちやすいのです。
耐用年数も、8~10年とウレタン塗料よりも長めです。
シリコン塗料は、価格や性能のバランスがいいことから近年の主流といえる塗料でもあります。
・ラジカル塗料
比較的新しい塗料であるラジカル塗料。
正確にはラジカル制御型塗料と呼ばれ、ラジカルとは塗料の劣化症状を引き起こす原因となるエネルギーのことをいいます。
ラジカル塗料は、そのラジカルの発生を抑える効果があり、外壁の劣化の一つであるチョーキング現象に対して高い効果を持つのです。
耐用年数も7~15年と比較的長いですが、新しい塗料のため取り扱っている会社が少ないという点には注意しましょう。
また、建物での実績も少ないので耐用性については大きく差が出る可能性もあります。
・フッ素塗料
フッ素塗料とのフッ素樹脂でできた塗料のことです。
耐久性や耐候性に優れており光沢も長持ちすることから、住宅だけでなく大型ビルなどの大型構造物でもよく利用されています。
フッ素塗料の耐用年数は10~15年と比較的長めです。
ただし、塗料自体が他に比べて価格が高い点には注意が必要です。
1回あたりの価格は高くなりますが、塗り替え頻度を抑えられるのでトータルではコストの削減が可能でしょう。
・無機塗料
炭素を含まない化合物である無機物質から出来る無機塗料。
無機物質は紫外線で分解されない性質を持っているので、耐久性が高く有機物とは異なり藻などが繁殖しにくいため、見た目の美しさが長続きするというメリットがあります。
無機塗料の耐用年数は10~17年と長めです。
しかし、無機塗料にはひび割れしやすいというデメリットがあり、建物にヒビが入ると塗料も一緒に割れてしまうため、モルタルなどヒビが入りやすい外壁の場合はこまめにメンテナンスしておく必要があります。
このように塗料の素材によって耐用年数は異なり、塗り替え時期も大きく変わってきます。
ただし、耐用年数での塗り替えタイミングは一つの目安です。
外壁は塗料ごとの耐用年数だけでなく地域や外的要因によっても劣化の速度は異なります。
外壁にひび割れや剥がれなどの劣化が見られる場合は、耐用年数以下であっても機能が衰えてきているのでそのタイミングで塗装を検討することをおすすめします。
まとめ
新築物件における外壁塗装について解説しました。
新築物件であっても、費用を負担すれば塗り替えすることは可能です。
建売物件を購入した場合や、イメージと違った場合など、色だけでなく塗料の種類も考慮したうえで外壁塗装を検討するのも一つの方法だといえるでしょう。
タクトホームでは住宅をお渡しするまでの一貫した体制を構築しているだけでなく、販売後のアフターサービス体制も整っています。
「建売で購入した外壁の色を自分の好きな色に変えたい」といった方から「家に住んだ後のメンテナンスの相談をしたい」といった方まで、ぜひタクトホームにご相談くださいませ。
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