家づくりの際には「子どもがのびのび過ごせる家にしたい」「子育てしやすい家にしたい」といった希望があることでしょう。では、子育てしやすい家とは、どんな家なのでしょうか? 子育て中のファミリーにおすすめの間取りや、レイアウトのポイントをご紹介します。
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子育て世帯におすすめの間取り
子育てのポイントは、常に子どもをよく見ることではないでしょうか。だとすれば、子育てしやすい家とは、子どもを見守りやすい家ということになります。その観点から、おすすめの間取りをご紹介しましょう。
キッチンとリビングが対面している
乳幼児がいる家庭では、子どもと一緒にリビングで過ごす時間が長くなると思います。リビングに向いた対面式のキッチンなら、リビングにいる子どもを見守りながら家事ができます。
特に、キッチンから一度廊下などに出ることなく、リビング・ダイニングから直接キッチンに出入りできる間取りになっていると、ミルクを作ったり、泣き出した赤ちゃんを抱き上げたりといった動作もしやすくなります。
子どもが少し大きくなれば、リビングとキッチンで対話をしながら家事をするのもいいでしょう。「お皿を運んで」といったお手伝いもしてもらいやすいので、子どもに家事の習慣をつけさせるのにも役立ちます。
キッチンの周りを自由に行き来できる、アイランド型のキッチンもお薦めです。ただしアイランドキッチンは、子どもの出入りを制限するベビーゲートなどが取り付けにくいというデメリットもあります。
リビングに子ども用スペースがある
リビングの一角に小上がりの和室を作っておくと、子どもを遊ばせたりお昼寝させたりする際に便利です。和室はキッズスペース以外にも、洗濯物を畳むなどの家事に活用できます。
畳は柔らかいので、赤ちゃんがはいはいをする際にも安心です。つかまり立ちを始めて転んでしまったときも、フローリングなどの固い床に比べると、ケガをする危険性も低くなります。
リビングと和室の間の段差を、収納スペースとして活用するのもいいでしょう。段差があることで、リビングのほこりやゴミが入りにくいので、いつでも畳に寝転がれます。
その反面、子どもが段差につまずいたり、段差の上からうっかり転げ落ちてしまったりというリスクもあります。小上がりの和室を造る場合には、ベビーゲートなどを使って仕切りができるようにしておくと便利です。
なるべく段差をなくしたいなら、畳カーペットなどを使ってリビングにキッズコーナーを設けるという方法もあります。その場合も、ベビーゲートがしっかりと設置できるよう、柱の位置を工夫しておくといいでしょう。
家事がしやすい動線にする
子育て中は、仕事や家事に追われてストレスが溜まりがちです。少しでもストレスを軽減して子どもと向き合う時間を作るには、家事のしやすい動線がポイントになります。
キッチン、洗濯機置き場、洗面所などの水回りを1カ所にまとめるようにすると、移動にかかる時間を短縮できます。特に子育て中は洗濯物が多くなりがちなので、洗濯機をどこに置くのかが重要です。
洗面所に洗濯機置き場を作るなら、廊下からもキッチンからも洗面所に入れるようにしておくと便利です。洗濯物を外に干すなら、ベランダにも行き来しやすいほうがいいですし、乾燥機を使うにしても、どこで洗濯物を畳むのか考えておきたいものです。
洗濯物を干して畳む以外に、アイロンをかけたり縫い物をしたりといった作業がまとめてできるような家事スペースを造っておくのもいいでしょう。
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玄関から浴室に直行できる
小学生くらいまでは、子どもがドロドロに汚れて帰ってくるといったことも頻繁に起こります。そんな時、玄関から浴室に直行できるような間取りにしておくといいでしょう。
洗面所と脱衣所、洗濯機置き場が一緒になっていれば、汚れた服を脱いですぐ洗濯できるので、リビング・ダイニングなどの部屋を汚すことがありません。つまり、家を清潔に保つにも役立つということ。
玄関から洗面所が近ければ、帰宅した際のうがい・手洗いにも便利です。風邪やさまざまな感染症などのリスクを下げるため、家族全員が「帰ったらまず、うがい・手洗い」という習慣をつけておきたいものです。
親子が並んで使える洗面室
子どもが小学校に上がると、朝の通勤・通学前の時間帯は洗面所が混雑することに。かといって、歯磨きや身だしなみを整える時間は、できれば短縮したくありません。
洗面室を広めに取って、親子で一緒に使えるようにしておくと、お互いにストレスなく身支度できます。場合によっては、朝の洗面室で親子のコミュニケーションが図れることもあるでしょう。
洗面台は、2人並んで使える大きめサイズが人気となっています。カランが2つ付いたタイプの洗面台もあるので、家族の人数やライフスタイルによっては検討してみることをお薦めします。
自然を感じられる庭やテラスがある
子どもの情緒教育のため、自然と触れあえる庭が欲しいと考える方も少なくないことでしょう。広い庭は無理でも、プランターで植物栽培ができるようなバルコニーやテラスは欲しいものです。
バルコニーやテラスを作るなら、奥行きを広めにしておくといいでしょう。奥行きがあれば、植木鉢やプランターを置いても、洗濯物に触れにくくなりますし、夏はプールを出して水遊びなども楽しめます。
目隠しのためバルコニーの壁を高くしても、奥行きがあれば採光が確保できます。一部に屋根をつけておけば、雨の日の植物観察にも便利でしょう。
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子育てしやすい間取りにするポイント
子育てにお薦めの間取りを挙げてきましたが、その他にもいくつか気をつけておきたいポイントがあります。たとえ理想の間取りは実現できなくても、ここで紹介するポイントを押さえておけば、子育てにまつわるストレスを軽減できるはず。ぜひ試してみてください。
収納スペースを広めにとる
子育て中は、なにかとキッズ用品が増えがちです。赤ちゃんの時期には、おむつ・おしりふき・ガーセ・タオル・ベビークリーム・綿棒などがすぐに手に取れる場所にあってほしいもの。子どもがもう少し成長すると、さまざまなおもちゃも増えてきます。
必要なものがすぐに取り出せるよう、きちんと整理整頓してしまっておくためにも、各部屋に収納スペースを作っておきましょう。階段下などもデッドスペースにせず、使いやすい収納スペースにするのがお薦めです。
見せる収納もオシャレですが、子どもが小さいうちはケガや誤飲の原因になりがちなので、隠す収納のほうがいいでしょう。ひな人形や五月人形、クリスマスツリーなど、大型の季節アイテムをしまっておけるような、ウォークインクローゼットやストレージルームがあると便利です。
玄関にも広めの収納スペースを造っておくと、ベビーカーや三輪車で玄関がごちゃごちゃすることがありません。子どもが大きくなっても、キャンプ用具や釣り道具、バーベキュー用品といった、あまり部屋には上げたくないものの収納に活用できることでしょう。
さらに収納スペースの内部にコンセントをつけておくと、自走式掃除機などのアイテムの充電ができます。収納スペースに湿気がこもるのを防ぐために乾燥機を使いたいといった際にも、コンセントが役立ちます。
キッチンからリビングが見渡せるようにする
子どもが小さいうちは、リビングで遊ばせておいて家事をすることが多くなります。その時、子どもの動向を見逃さないためにも、キッチンからリビング・ダイニングが見通せるようになっているといいでしょう。
子どもは時に、親が想像しないような行動をとることがあります。危険を察知したらすぐに声がかけられるよう、キッチンから見通しが良くないL字型リビングはあまりお薦めできません。
また、リビング・ダイニングにベビーサークルを設置するなら、赤ちゃんが多少動き回っても柵が倒れたりしないよう、床の段差はなくしておいたほうがいいでしょう。
リビングを通らないと子ども部屋に行けないようにする
子どもが思春期を迎えると、なにかと親に秘密にしたがることが出てきます。場合によっては親に反発し、コミュニケーションが取りづらくなることも。
玄関から子ども部屋に直行できる間取りだと、家にいても子どもの出入りに気づきにくくなってしまいます。リビングを通らなければ子ども部屋に行けないようなレイアウトにしておくと、親子が顔を合わせる機会を増やせます。
外からの侵入を防いで子どもの安全を守るには、子ども部屋の窓に面格子やシャッターをつけるのもいいでしょう。
家事の負担を減らす設備を取り入れる
子育て中は、家事にかける時間をなるべく短縮して、家族のコミュニケーションを取りたいもの。そのためには、食器洗浄機や洗濯乾燥機、自走式掃除機といった便利家電は積極的に取り入れてもいいでしょう。
特に家事の中でも時間をとられるのが、毎日の料理と後片付けです。ビルトイン食洗機のついたシステムキッチンにすれば、後片付けの時間を短縮できる上に、キッチンの見た目もすっきりします。
またコンロについても、自動調理機能のついたビルトインタイプが人気です。立ち消えや消し忘れの安全装置といった一般的な機能のほかに、焦げ付きを感知すると自動消火するといった便利機能があるので、長時間の煮込み料理でも鍋を見ている必要がありません。
近年は、汚れがつきにくいよう表面処理を施したレンジフードも多数出ています。中には、自動洗浄機能のついた掃除そのものが必要ないタイプも。
レンジフードは頻繁に掃除するものではありませんが、油汚れと格闘する手間が少しでも省けるのはありがたいもの。ぜひ導入を検討したいものです。
キッチン設備以外でも、自動掃除機能のある浴槽、汚れのつきにくいトイレや洗面台など、家事の手間を省く便利な機能のついたものが出ています。もちろん予算との兼ね合いもあるとは思いますが、できる限り取り入れたいものです。
子どもの成長を考えてレイアウトする
子どもが小さいうちは、独立した部屋を与えるよりも、家族と過ごす時間を大事にしたほうがいいでしょう。それにはリビングを広めにとって、快適な家族団らんスペースとするのがお薦めです。
子どもが2人以上いる場合、最初は一緒の部屋でもいいのですが、成長して思春期を迎えると、それぞれの個室が必要になってきます。その時に部屋を仕切って使えるよう、リフォームしやすい間取りにしておくのがいいでしょう。
ポイントは、空調を取り付ける位置やコンセントの数です。部屋を仕切るだけなら本棚などを置くことでも対応できますが、コンセントの数は簡単には増やせません。
空調についても、取り付けるためには壁の補強や吸排気穴の設置が必要です。全館空調にするのもお薦めですが、吹き出し口の位置によっては問題が起こることも。例えば部屋を仕切った結果、片方の部屋には空調が届かないといった事態にもなりかねません。
家を建てる際には、将来的な家族構成やライフスタイルの変化に合わせてリフォームすることを考えておきたいもの。その際に重視するべきは、壁の補強や電気の配線といった大がかりな工事が必要な部分です。
新築時に予め準備しておけば、建築費用もそれほどかかりませんが、リフォームで対応しようとすると費用が跳ね上がってしまうことも。コストを押さえるためにも、新築設計段階から考えておきましょう。
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まとめ
子育てに向いている家を造るに当たって、お薦めのレイアウトや注目ポイントについてご紹介してきました。
とはいえ、子どもは一人ひとり違った個性も持っています。ある家族にとっては子育てしやすい家であっても、すべての家族に適しているとは限りません。
数多くの家を提供してきたタクトホームにとって、子育てファミリー向けの物件は得意とするところです。それぞれのご家族のスタイルやご希望に合わせて、よりよい間取りプランをご提案しています。
まずはお気軽に、何でもご相談ください。この世にひとつのベストなマイホームを造っていきましょう。