注文住宅を建てる際は、ハウスメーカーと何度も打ち合わせを繰り返して理想の家を作っていきます。
しかし、多くの人にとっては人生初の家造りとなるため、何をどう打ち合わせたらいいのか不安に思うこともあるのではないでしょうか。
そこで、注文住宅の打ち合わせをスムーズに進めるコツや、打ち合わせの流れ、期間や回数についてご紹介します。
Contents
そもそも注文住宅の打ち合わせとは?
注文住宅で打ち合わせしなければならないことは、大きく分けて4つあります。
「資金計画」「建物」「外構」「スケジュール」の4点です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
「資金計画」についての打ち合わせ
まずは大まかな建築予算を決めて、住宅ローンの申し込みをします。
最初に月々の返済可能金額やボーナス時の返済可能金額を検討することで、大体の建築予算が決まるでしょう。
その後、金融機関に住宅ローンの打診をして、実際にその金額が借りられるかの審査を受けます。
借り入れを行う金融機関は自分で選んでもいいのですが、ハウスメーカーを通したほうが、話がスムーズに進みやすいでしょう。
ここで気をつけておきたいのは、住宅ローンで借り入れた金額が受け取れるのは、住宅が完成してからということです。
多くの場合では工事に取りかかる時点で、建築金額の3割程度を先に支払う「着工金」が必要になります。
着工金が自己資金で賄えない場合、「つなぎ融資」を受けなければなりません。
つなぎ融資は、住宅が完成するまでに必要な金額を、金融機関から一時的に貸してもらうことを指します。
建築期間中は利息だけを支払い、住宅が完成して住宅ローンが下りてから、一気に全額返済します。
ただ最近では、つなぎ融資が必要ない住宅ローンも出てきています。
自己資金が少ない場合は、つなぎ融資のことも含めてハウスメーカーに相談してみましょう。
「建物」についての打ち合わせ
注文住宅は、決まったプランがなく自由に決められます。
裏を返せば、「どんな構造にするのか」「どんな建材を使うのか」「どんな間取りにするのか」「キッチンや給湯などの住宅設備はどうするのか」「外壁や内装はどうするのか」といったことをすべて、ひとつひとつ決めていかなければなりません。
一戸建ては木造建築が多いのですが、家を建てる場所によっては木造住宅の建築が法律で禁止されていることもあります。
また地域によって、建物の高さが制限されていることも。
これらの法律上の制限については、設計前にハウスメーカーで確認をしてもらえます。
それから部屋数や間取りなどの希望を伝えて、設計してもらいます。
長く暮らしやすい家を造るためには、将来的な子供の人数や、子供が成人して巣立った後のことなども考えて検討していきましょう。
関連記事:はじめての新築は失敗する?後悔しない理想の間取りを実現する方法を解説!
「外構」についての打ち合わせ
外構とは建物の外回り、つまり門扉や塀、庭、駐車場などのことです。
外構をどうするかによって家そのもののイメージも大きく変わってくるので、決して疎かにはできません。
ただ外構は、建物の建築がある程度まで終わって、建物周囲に組まれた足場が外されないと工事を始められません。
建物の足場が外れるのは、完成まであと1カ月くらいといった時期です。
そのため、着工前にはだいたいのイメージだけを決めておいて、細かい打ち合わせは建築中でも十分間に合います。
ハウスメーカーによっては、建物の建築はするけれど、外構工事は別の専門業者に発注するというところも少なくありません。
どんなシステムになっているのか、いつごろまでに打ち合わせをすれば間に合うのかなどは、最初に確認しておきましょう。
関連記事:新築の外構工事の流れや費用、種類は?おしゃれな成功事例も解説
「スケジュール」についての打ち合わせ
注文住宅の建築にかかる期間は、早くて4ヵ月、長ければ半年以上です。
最初に入居したい時期を決めておくと、そこから逆算して、工事のスケジュールが決まります。
ただ、着工までの期間が十分にとれないと、せっかくの注文住宅が満足のいかないものになってしまうことも。
打ち合わせにかける期間も考えて、入居希望時期を決めるようにしましょう。
「余裕を持った家造りがしたいから」と、なりゆきまかせのスケジュールにするのはお勧めできません。
期限の目安がないまま打ち合わせをすると、何も決まらず終了という無駄な打ち合わせの回数が増え、着工までの期間が長引く原因となってしまいます。
打ち合わせの期間や回数は、大体どのくらい?
注文住宅を建築するにあたって、どのくらいの打ち合わせ期間を考えておけばいいのでしょうか。
また、回数が多いほうがいいのでしょうか。一般的な期間や回数を見てみましょう。
一般的な打ち合わせの期間と回数
注文住宅の打ち合わせの回数は、合計で5~9回程度が一般的です。
段階ごとに分けると、着工前に3~5回、建築中に1~3回、引き渡し直前に1回程度の打ち合わせが行われます。
期間としては、着工前の打ち合わせに3~6ヵ月かかると考えておきましょう。
家の建築期間が4~6ヵ月くらいですから、1回目の打ち合わせから家の完成までに7~12ヵ月かかることになります。
なかには10回、20回と打ち合わせを繰り返す人もいます。
ただ、打ち合わせの回数が多いからといって、より理想的な家が建てられるとは限りません。
1回の打ち合わせにかかる時間は、内容にもよりますが約1~3時間の長丁場になります。
それを何回も繰り返していると、施主側が次第にストレスを感じて、打ち合わせに対して投げやりになってしまうことも。
ハウスメーカーからの提案を持ち帰って検討して、とダラダラと回数を重ねるより、なるべく濃密な打ち合わせができるよう工夫したいものです。
打ち合わせの回数が多くなってしまう原因
理想の家へのこだわりが強いと、どうしても打ち合わせの回数が増えてしまいます。
その場合、細かい内装や外構の打ち合わせは建築中でも十分間に合うので、まずは建物の構造や間取りなどの基本的な部分を決めていくようにしましょう。
また、一度決まった内容の変更や住宅設備の追加も、打ち合わせ回数が増える原因のひとつです。
要望をひとつ追加しただけで、軌道修正のため数回の打ち合わせが必要になることも。
それを避けるためには、まず家族で要望やイメージの擦り合わせをしておくことが大切です。
打ち合わせの期間が長くなると迷惑?
注文住宅の打ち合わせ回数や期間には、基本的に上限はありません。
期間や回数は気にせず、施主側が納得のいくまで打ち合わせることが大切です。
ハウスメーカーとしては、完成した住宅が施主のイメージと違っていたという事態は、絶対に避けたいところでしょう。
ですから、「こんなに打ち合わせに時間をかけていたら迷惑では?」と気に病む必要はありません。
どうしても気になるなら、最初に「こだわりがあるので、じっくりと時間をかけて打ち合わせたい」と伝えておくのもひとつの手です。
ただし、ハウスメーカーの中には10回程度の制限を設けて、それ以上の打ち合わせをする場合は追加料金を請求するというところもあるので注意しましょう。
注文住宅の打ち合わせの流れ
注文住宅の打ち合わせは、着工前、建築中、引き渡し直前の3段階に分けて行われると言いました。
各フェーズで、どんなことを打ち合わせるのか、流れに沿ってみてみましょう。
フェーズ1:着工前
着工前の打ち合わせでは、資金計画、建物の構造、間取り、住宅設備といった基本的な部分を決めていきます。
壁紙の色やデザインといった細かい部分や外構については、建築中に打ち合わせても十分間に合います。
とはいえ、多くの人にとって家造りは一生に一度のことなので、なかなかイメージが湧きにくいといったこともあるでしょう。
ハウスメーカーによっては、完成した家や建築中の物件を見学させてくれるので、実際に見て参考にしてはいかがでしょうか。
また住宅設備についても、メーカーのショールームに行けば実物が展示されています。
カタログだけで選ぶのではなく、ショールームに足を運んで、見て触って確認してみるのもいいでしょう。
フェーズ2:建築中
工事の開始後には、着工前に決めきれなかったことについて、打ち合わせで確定していきます。
もちろん着工前に全部決めてしまえば、打ち合わせをしなくても構いません。
打ち合わせが必要なかったとしても、建築現場の確認はしておきましょう。
現場では、きちんと図面通りに造られているか、スケジュールに遅れはないかなどを確認します。
もし違和感を覚える部分や疑問に感じる点があったら、すぐにハウスメーカーの担当者に聞きましょう。
万が一、修正することになった場合にも、なるべく早く伝えたほうが現場の負担が少なくなります。
フェーズ3:引き渡し直前
引き渡し直前には、建物の最終確認も兼ねての打ち合わせを行います。
この時にしっかり確認しておきたいのが、完成・引き渡し日についてです。
賃貸住宅に住んでいる場合、退去日の1ヵ月前には貸し主に通知しなければいけないと法律で定められています。
退去の通知が遅れると、新居への引っ越し後も旧居の家賃を支払わなければならない場合も。
反対に、退去日になっても新居が完成していなければ、住むところがなくなってしまいます。
予定していた引き渡し日に変更はないか、今一度確認しておきましょう。
建物や外構の最終確認で、依頼したものとは違う仕上がりになっていたというトラブルが起こることもあります。
その場合、修正にかかる日数や工程を改めて打ち合わせなければなりません。
再度の最終確認を兼ねて、打ち合わせが最低1回は増えることになります。
注文住宅の打ち合わせをスムーズに進めるための5つのコツ
理想の注文住宅を造るには、打ち合わせを何回重ねたかよりも、密度の濃い打ち合わせをすることのほうが重要です。
では、どうしたらスムーズに密度の濃い打ち合わせができるのでしょうか。
そのための5つのコツをお教えします。
最初に予算の上限を提示する
注文住宅は、打ち合わせを重ねるうちに「建材のグレードをあげたい」「こんな設備がほしい」といった要望が出てきて、予算を大幅にオーバーしてしまうことも。
最初に上限金額を決めておくことで予算オーバーを防ぐことができます。
また、メーカーとしても、最初に上限金額が決まっていたほうが予算に合わせたプランを提案しやすくなります。
実際には自己資金と住宅ローンの借入額を合わせた金額が、建築予算の上限となります。
イメージを共有する
ハウスメーカーと打ち合わせをする前に、家族の意見や要望をまとめておきましょう。
家族間でのイメージが統一されていないと、途中で軌道修正が必要となり、打ち合わせの回数が増えてしまいます。
また、家族の要望やイメージを担当者と共有することも大切です。
言葉で説明しにくいイメージは、参考になる写真や画像を探して提示することで伝わりやすくなります。
リストを作り優先順位を決める
家族の要望やこだわりポイントは、事前にすべて書き出してリストにしましょう。
その際に重要なのは、「絶対に譲れないポイント」「できれば叶えたいポイント」といった形で優先順位をつけておくことです。
注文住宅は自由に設計できるといっても、要望やこだわりをすべて盛り込むことはできません。
予算や建築基準法といった制限があるからです。
でも、最初に優先順位をつけて要望を伝えることで、より理想に近い住宅のプランを提示してもらえます。
打ち合わせの記録をつける
注文住宅の打ち合わせでは、決めなければいけないことの数が非常に多くなります。
そのため、後になって、言った、言わないのトラブルが起こることもあります。
それを避けるために、打ち合わせの際は必ずメモをとっておきましょう。
ひとつひとつの要望に対して、ハウスメーカーからどんな提案があったか、実現できない理由なども記録しておきます。
さらに大切なのは、毎回の打ち合わせの最後にはハウスメーカーの担当者にメモを見せて、内容に誤りがないかなど確認をとっておくことです。
打ち合わせ内容についてお互いの認識を摺り合わせておくことで、トラブルを防ぐことができます。
疑問に思ったことはすぐに聞く
分からないことや、不安を感じる点があったら、すぐに担当者に聞くようにしましょう。
ほんの小さなことでも、疑問や不安を解決しないまま進めてしまうと、イメージと違う家ができあがってしまうことになりかねません。
工事のやり直しや修正は、家が完成に近づくほど難しくなります。
スケジュールにも遅れが出て、最悪の場合は工事を中止しなければならなくなることも。
そんな事態に陥らないためにも、疑問はすぐに解決するようにしましょう。
まとめ
注文住宅の打ち合わせにかかる期間は、一般的に着工前の3~6ヵ月です。
そのうえさらに建築中も打ち合わせを重ねるので、1回目の打ち合わせから住宅の引き渡しまで7~12ヵ月、回数は5~9回に及びます。
ただし、時間をかけて打ち合わせを繰り返すほど、理想的な家が造れるとは限りません。
大切なのはハウスメーカーとイメージを共有しながら打ち合わせをすることです。
タクトホームでは、打ち合わせを通してお客様との信頼関係を築くことを重視しております。
一緒に理想のマイホーム造りをしてみませんか?