土地には整形地と不整形地があります。
家を建てるのであれば整形地の方が建てやすいため一般的には人気が高いですが、デメリットがないわけではありません。
また、不整形地は家を建てづらくなるケースがありますが、メリットもあります。
本記事では、整形地と不整形地それぞれについて特徴やメリット・デメリットをご紹介していきます。
Contents
整形地・不整形地とは?
土地は、「整形地」と「不整形地(非整形地)」の2種類に分かれます。
整形地とは
整形地とは、土地の形状が正方形や長方形など整った形をしている土地です。
土地の形が整っているので建物が立てやすく、分譲地などでは整形地の割合が多くなります。
不整形地とは
一方、土地の形が整っていない土地を不整形地や非整形地と呼びます。
三角形や五角形、台形・旗竿地・高低差がある土地などその形状はさまざまです。
不整形地を整形地にする方法
三角形や五角形・旗竿地といった形状が歪な土地を整形地にする場合、隣接する土地を購入する必要があります。
高低差のある土地の場合は、土を足す「盛り土」や高い部分を切り取る「切り土」といった工事が必要になるでしょう。
どちらにしても、費用が高額になる場合があります。
また、隣地を購入して整形地にする場合、購入費用面だけでなく隣地が売りに出されていなければ購入しようもありません。
隣地にすでに所有者がいる場合は、日ごとから購入の意思を伝えるなどコミュニケーションを取っておくことも必要になるのです。
整形地に家を建てるメリット・デメリット
整形地に家を建てるメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリット
整形地のメリットとしては、次の2つが挙げられます。
- 規格住宅を建てやすい
- 将来売却しやすい
規格住宅を建てやすい
整形地は家を建てやすくする目的で作られているため、不整形地と比べ家づくりがスムーズにできるというメリットがあります。
規格住宅であっても問題なく建てられる場合がほとんどなので、建物自体の予算を抑えたい人にもおすすめです。
関連記事:規格住宅とは?注文住宅や建売住宅との違いやメリット・デメリット
将来売却しやすい
整形地は売却の際にも有利になるというメリットがあります。
建物を建てやすい形状の為、活用の幅が広く需要も高いため高値での売却も期待できるでしょう。
デメリット
デメリットとしては、次の2つが挙げられます。
- 価格が高くなりやすい
- 整形地だからといって理想の家が建てられるわけではない
価格が高くなりやすい
需要の高い整形地は、価格が高い傾向があるというデメリットがあります。
人気が高いため、条件の良い整形地はすぐに購入されてしまい、思いどおりに購入できないケースも珍しくありません。
整形地だからといって理想の家が建てられるわけではない
設計しやすく家が建てやすい土地ではありますが、必ずしも理想の家が建てられるわけではありません。
家を建てる際には、土地の形状だけでなく広さや土地にかかる制限などさまざまなルールをクリアする必要があります。
形状が整っていても、斜線制限で高い建物を建てられない場合もあるでしょう。
土地を購入する際には、その土地にかかる規制まで事前に確認しておくことが大切です。
不整形地に家を建てるメリット・デメリット
活用しにくい不整形地ですが、メリットがない訳ではありません。
しかし、デメリットも多いため、メリット・デメリット両方を理解したうえで検討する必要があります。
メリット
不整形地のメリットとしては、以下の2つが挙げられます。
- 購入価格を安く抑えやすい
- 面積が大きくなりやすい
購入価格を安く抑えやすい
不整形地は、一般的に同じ条件であれば整形地よりも価格を抑えて購入することが可能です。
エリアによっては、整形地の7~8割ほどで購入できるケースもあるため、土地購入費用を抑えた分、建物に予算を割けるというメリットがあります。
旗竿地などは条件の良い立地のケースも多いため、価格を抑えて良い立地の土地を購入できる可能性もあるのです。
また、購入時だけでなく、所有時にかかる税金も抑えられるというメリットもあります。
不動産は所有している間、固定資産税が課せられ、市街化区域内であればさらに都市計画税も課税されます。
固定資産税・都市計画税は不動産評価額に応じで課せられますが、不整形地は不動産評価額が低いため税金も抑えられるのです。
不整形地であっても工夫次第で整形地と変わらない活用方法もできます。
土地価格やランニングコストを抑えたい場合は、不整形地を選択するというのも一つの手と言えるでしょう。
関連記事:持ち家にかかる固定資産税・都市計画税はいくら?計算方法を確認しておこう
面積が大きくなりやすい
土地価格が安いため広い土地を購入できるというメリットもあります。
台形や三角形であっても広い敷地面積があり、建物を建てる部分の面積を十分とれるのであれば、問題なく活用できるでしょう。
三角形のとがった部分などを庭にするなどの工夫で、建物を建てる部分を整形地と変わらない利用ができる場合もあるのです。
また、旗竿地のように道路から距離があり視界を遮れる場所の土地は、プライバシーを保ちやすいというメリットもあります。
デメリット
デメリットとしては、次の2つが挙げられます。
- 整備費用が高くなるケースがある
- 特殊な間取りになる可能性がある
整備費用が高くなるケースがある
不整形地はそのままの状態では家を建てられずに、整備しなければならない場合もあります。
傾斜がある場合は平らにならす必要があり、高低差を埋めた後には擁壁を設けなければならないケースもあります。
擁壁まで設ける場合は、費用が数百万円以上掛かる場合もあるため、整備費だけでも高額になるものです。
また、場所によってはインフラが整っていないケースもあり、水道・ガス・電気を整えるための費用は高額になります。
土地購入価格を抑えられても、整備に費用がかかってしまうと、結局は整形地と変わらない価格になる可能性もあるので注意しましょう。
特殊な間取りになる可能性がある
土地の形状が歪な場合、土地に合った家を建てるため間取りも特殊になる場合があります。
個性的な家を望んでいる場合は問題ないでしょうが、希望通りの間取りを採用できない可能性がある点には注意しましょう。
特殊の間取りや重機の入りにくい地形の場合、建築費が高額になる場合があります。
また、そもそも建築ができないケースもあるので注意しなければなりません。
家を建てるには一定以上の道路に設定しなければならないというルールがあるものです。
しかし、不整形地の中には道路と接していない無道路地も含まれます。
道路に接していない場合、道路側に敷地を伸ばし、旗竿地にしなければ家は建てられません。敷地を延長しようと思うとその分の土地の購入費用がかかり、すでに所有されている土地の場合は交渉からスタートしなければならないため手間も時間もかかるでしょう。
ハウスメーカーによっては、不整形地に対応していない場合もあるので、事前にメーカーの確認する必要もあります。
不整形地に家を建てる場合、土地の安さだけで判断するのではなく、整備費や建設費まで含めたトータルのコストを把握して判断することが大切です。
まとめ
整形地・不整形地についてご紹介しました。
整形地は家の間取りを設計しやすいという特徴がある一方、価格が高くなりやすいというデメリットがあります。
一方、不整形地は土地の形に合わせて間取りを工夫しなければならないことがありますが、不整形の部分を庭にするなどすれば、理想の間取りの家を建てられるケースもあるでしょう。
整形地・不整形地で迷われている方は本記事の内容を参考になさってください。