土地を探していると旗竿地という言葉に出会うことがあるでしょう。
旗竿地とはどのような土地で、またどのような点に気を付ける必要があるのでしょうか。
本記事では、旗竿地について、概要とメリット・デメリット、注意点をご紹介していきます。
Contents
旗竿地とは?
旗竿地とは、道路に接している狭い間口から細長く奥に延び、奥側にまとまった敷地のある土地のことを言います。
ちょうど旗を竿に付けたような形をしていることから「旗竿地」や「旗竿敷地」と呼ばれるのです。
また、「敷地延長」「路地状敷地」と呼ばれることもあります。
旗竿地で奥にあるまとまった敷地は、四角い形だけでなく三角形や五角形、高低差があるなど歪な形の場合もあります。
奥側の土地がたとえきれいな正方形であっても、旗竿地は不整形地と呼ばれる土地に分類されるのです。
土地に建物を建てるためには、土地が一定以上道路に接している必要があります。
接道義務と呼ばれ、このルールをクリアするために旗竿地がつくられるのです。
もともと広い土地を所有している人が、何かしらの理由で土地を手放し、販売しやすい価格で分割して売却することで旗竿地ができるケースが多く、都市部や需要の高い地域でよく見られます。
旗竿地の3つのメリット
旗竿地は不整形地に分類され、一般的には活用が難しいとされています。
しかし、旗竿地にもメリットがあるため一概に悪いとは言い切れないのです。
旗竿地のメリットとして、次の3つが挙げられます。
- 土地単価が安くなりやすい
- 竿の部分を駐車場にできる
- 道路から離れているため静かな生活環境になりやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
土地単価が安くなりやすい
旗竿地は不整形地となるため、同じ条件であれば整形地よりも価格が安くなるのが一般的です。
場所によっては、整形地の7~8割ほどになる場合もあり土地購入費用を抑えられます。
特に、旗竿地は条件の良い立地にあるケースが少なくないため、土地代が高額になるエリアでも予算内で広い土地を購入できる可能性もあるのです。
また、土地にかける費用を抑えられれば、その分建物に費用を割くこともできます。
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竿の部分を駐車場にできる
竿の部分を駐車場にすることで、住宅を建てる部分の面積を広く確保することが可能です。
住宅の大きさを決める際には、敷地面積に対する建築面積や延べ床面積の制限を受けます。
この際、敷地面積に竿地部分の面積も含まれるため、旗竿地の方が大きい家を建てられるというメリットがあります。
駐車場以外にも竿地の活用方法はたくさんあります。
- 竿部分に花壇を設けてガーデニングを楽しむ
- 竿部分から玄関を設けて土間や玄関収納にする
- 竿部分に門を設けて庭として活用する
このように竿部分を活用できるのは、旗竿地のメリットと言えるでしょう。
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道路から離れているため静かな生活環境になりやすい
道路から住宅までの距離が遠くなるため、道路の騒音や排気ガスなどを気にすることなく生活できます。
道路から住宅への視界を遮ぎる事ができる、プライバシーを保ちやすくなるでしょう。
また、子供がいる場合、道路との距離があることで子供が家から出て直接道路に飛び出すこともなくなり、安心して生活できます。
旗竿地の3つのデメリット
一方で旗竿地はその地形からさまざまなデメリットもあります。
デメリットを理解したうえで、土地の購入を判断するようにしましょう。
デメリットとしては、次の3点が挙げられます。
- 駐車場の確保が難しいケースがある
- 採光条件が悪くなりやすい
- 隣地との距離が確保しにくい
駐車場の確保が難しいケースがある
竿地を駐車場にできるメリットがある反面、竿地の面積によっては駐車場の確保が難しくなります。
建物を建てるうえで必要な接道面積は「幅4メートル以上の道路に対し2m以上」です。
そのため、最低ラインである2mしか間口を設けていない場合も珍しくありません。
仮に、間口が2mしかない場合、軽自動車の幅が1.7mほどなので車1台通るのがギリギリです。
さらに、そこに駐車するとなると、車のドアを開けて乗り降りするのが難しくなる可能性があります。
横幅に余裕があっても長さが足りない場合もあります。
普通車1台が余裕をもって駐車できるには横3m以上・縦7m以上は欲しいところです。
車所有者であるなら、駐車できるスペースを確保できるか事前にしっかりと確認するようにしましょう。
採光条件が悪くなりやすい
旗竿地は一般的に、住宅に囲まれた場所にあるため道路が前面にないことで日当たりや風通しが悪くなるケースが珍しくありません。
旗竿地に家を建てる場合、2階にリビングを設けることや天窓を付けるなど、日当たりを確保する間取りの工夫が必要です。
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隣地との距離が確保しにくい
旗竿地は奥のまとまった部分の敷地ギリギリまで家を建てるケースが多く、周りも旗竿地の場合隣地との距離が確保しにくくなります。
隣との距離が近いことで騒音問題やプライバシーが確保しにくいなどのデメリットがあるので、防音対策や視界を遮る対策が必要です。
また、今は隣地に家が建っていなくても将来的に建設される可能性もあります。
隣地の状況やどのような土地であるかを、事前に確認しておくようにしましょう。
旗竿地を購入するときの注意点
旗竿地で後悔しないためには、購入時に抑えておくべき注意点がいくつかあります。
注意点としては、次の2つが挙げられます。
- 竿部分の幅員を確認する
- 境界ブロックやフェンスに留意する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
竿部分の幅員を確認する
竿部分の幅員によっては車の出入りや駐車が難しくなります。
事前に所有の車の幅と竿部分の幅員を確認するようにしましょう。
幅員が狭く車の駐車が難しい場合は、車を手放すというのも一つの手です。
旗竿地は利便性の良い立地であるケースが多いので、車を所有しなくてもカーシェアリングや自転車・公共交通機関で賄える場合があります。
隣地と「通行協定」を結べる土地であれば通行はお互いの路地部分を共有できるため、竿地に駐車して通行は共有部分ということも可能です。
また、竿部分の幅員が狭いことで家の建設費が高額になる場合もあるので、注意しなければなりません。
家の建設では、重機の搬入や大型車両の出入りが必要になりますが、幅員がせまいことでそれらができない場合もあります。
その場合、人手での作業が増えてしまうことや別に作業車用の駐車場を確保する必要が出てくるため、その分を建築費に上乗せされる可能性があるのです。
土地代を抑えることができても、建築費が高額になりメリットになり得ない可能性がある点にも注意しましょう。
境界ブロックやフェンスに留意する
旗竿地の場合、隣地との距離が近くなるためプライバシーを確保する対策が必要です。
視界を妨げるためや防犯のために、境界ブロックやフェンスが必要になるケースもあるでしょう。
隣地の人がすでに設置している場合は必要ありませんが、自分の敷地に建設するとなった場合費用が高額になります。
まとめ
旗竿地について概要やメリット・デメリット・注意点をご紹介しました。
旗竿地は特に価格を安く抑えやすい点が大きなメリットですが、デメリットもある点には注意しなければなりません。
旗竿地の購入を検討されている方は、本記事の内容を参考になさってください。