「持ち家か賃貸、結局どちらを選べばよいのだろうか」「それぞれのメリットやデメリットはどこにあるのだろう」「住宅選びで損をしたくない」このように考えている人は多いのではないでしょうか。
持ち家か賃貸かを選ぶとき、メリットやデメリット、生涯費用などを考えておかないと将来的に数百万円単位で損をするかもしれません。
しかしそれぞれの特徴を踏まえておけば、住宅選びで大きく損をすることはないでしょう。そこで本記事では以下について解説します。
- 持ち家と賃貸、それぞれのメリットとデメリット
- 購入の決め手となる3つのポイント
- 持ち家と賃貸それぞれに向いている人
本記事を読めば、持ち家と賃貸どちらがよいか自身で判断できるようになるでしょう。
Contents
持ち家のメリットとデメリットを一覧で比較解説
最初に持ち家のメリットとデメリットを一覧で解説しましょう。
<メリット>
- 将来的に資産となる
- ローンを完済したあとは相当楽になる
- 自由にリフォームできる
- 賃貸と比較して設備・内装が充実している傾向
<デメリット>
- 居住費が減らしづらくなる
持ち家のメリットはとにかく「資産になる」「ローン完済後は楽になる」という点が魅力。そのほかにも重要な利点がいくつかあります。
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてみてください。
メリット1.土地と住宅が資産になる
持ち家を選択する最大のメリットは土地と住宅が自分の資産となることです。どれだけ家賃を払っても資産化できない賃貸と比較して、この点に魅力を感じる人は多いでしょう。
子どもに相続させたり借入の担保にしたり。いろんな選択肢を残せるようになります。
また立地や開発状況次第では、購入時よりも土地価格が向上することもあります。その場合、売却することで大きな利益を得ることが可能です。
土地と住宅が資産になるのは、持ち家を選択するうえで大きなメリットだといえるでしょう。
メリット2.ローンを完済したあとは相当楽になる
持ち家を選ぶメリットとして、ローンを完済したあとは経済的に楽になる点が挙げられます。
毎月の分割払いがなくなり、基本的には固定資産税のみで居住することが可能です。
メリット3.自由にリフォームができる
自由にリフォームができるのも、持ち家を所有するメリットのひとつです。
結婚や出産、子どもの進学などによってライフスタイルは常に変化し続けます。つまりリフォームすることで、ステージごとに合った暮らしを実現することが可能です。
賃貸でもリフォームできないわけではありませんが、多くの場合は退去時に原状回復する必要があり、現実的ではないでしょう。
リフォームの自由度は、賃貸にはない大きなメリットのひとつだといえるでしょう。
メリット4.賃貸と比較して設備・内装が充実している傾向
住宅にもよりますが、設備や内装が賃貸物件よりもややハイグレードなのもポイントです。
このメリットは、内見で物件を見て回る中で賃貸との差に気付くでしょう。
注文住宅であれば設備や資材、キッチンシステムなどをいくつかのプランから選択できます。そこでグレードの高いものを選択すれば、より充実した設備・内装を揃えることが可能です。
もちろん、予算に応じてグレードをおさえるといった工夫もあります。
持ち家であれば賃貸と比較して、ハイグレードかつ自身に合った暮らしを実現しやすいでしょう。
デメリットは居住費が減らしづらくなる
持ち家におけるデメリットとして、居住費が減らしづらくなる点が挙げられます。
仮に収入の水準が落ちても、住宅ローンの支払額は変えられません。固定資産税や都市計画税にもほぼ同様の問題があります。
結果として住宅にかかる費用が経済的な負担となり、暮らしが守れなくなってしまうこともあります。
それを防ぐために、住宅を購入する際、収入の水準が多少落ちても問題がないように調整する必要があるでしょう。
関連:持ち家を維持するために、どんな費用がかかる?維持費の内訳や節約ポイント
賃貸のメリットとデメリットを一覧で解説
続いて、賃貸におけるメリットとデメリットを解説します。
<メリット>
- 転居しやすくライフスタイルを変えられる
- 固定資産税が発生しない
- リフォームや修繕の費用がかかりづらい
<デメリット>
- 家賃の支払いが一生続く
- 物件が自身の資産にならない
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
メリット1.転居しやすくライフスタイルを変えられる
賃貸を選ぶ最大の動機はとにかく転居しやすいことです。
住宅に住んでいると、以下のようにさまざまなライフステージの変化が訪れます。
- 子どもが生まれた
- 転勤した
- 子どもが独立した
- 収入に変化があった
こういったことがあっても、賃貸であれば次のライフステージに合った場所へ転居することが可能です。また近隣で何らかのトラブルがあっても、転居すればある程度の問題を解決できます。
持ち家でもリフォームをすることで、スタイルを変えることは可能です。しかしリフォームは費用や手間がかかるため、賃貸の転居よりもむずかしいでしょう。
臨機応変に動けるのは、持ち家にはない大きなメリットだといえます。
メリット2.固定資産税が発生しない
固定資産税が発生しないのも、賃貸を選ぶ理由のひとつです。
そもそも自身が所有する資産ではないので、課税対象ではありません。固定資産税を支払うのは大家や賃貸管理会社です。
持ち家の場合は、年間10万円から15万円ほど課税されますが、これを支払う必要がないというのは、賃貸物件の大きなメリットだといえます。
メリット3.リフォームや修繕の費用がかかりづらい
賃貸のメリットとしてリフォームや修理の費用がかからない点も挙げられます。
キッチンやエアコン、共用部分の設備に至るまで大家が管理します。管理会社に連絡すれば無償で修理され、こちらに請求されることはないでしょう。
もちろん毎月の家賃とともに修繕積立金の支払いが求められることもあります。しかし持ち家におけるリフォームや修繕ほど多額の費用がかかるわけではありません。
リフォームや修繕に費用がかからないのは、経済的に大きなメリットだといえるでしょう。
デメリット1.家賃の支払いが一生続き、資産にならない
賃貸で住み続ける最大のデメリットは家賃の支払いが一生続くことです。いくら払い続けていても住宅が資産化することはありえません。
すなわち、子どもに残したり売却したりといった選択肢が取れなくなるわけです。これは持ち家を所有する場合と比較して大きなデメリットだといえるでしょう。
老後においては収入源が限定される場合、家賃の支払いが苦しくなることもあります。また家賃だけではなく、更新料や修繕積立金の支払いもあり、最悪の場合は滞納してしまうかもしれません。
働けているならまだしも、老後の暮らしぶりが心配されます。
デメリット2.設備や内装を選びづらい
もうひとつの大きなデメリットとして、設備や内装を選びづらい点も挙げられます。
入居時に元々あったものはそう簡単に変更できません。共用部分については、自身の希望が反映されることはほとんどないでしょう。
古い物件ではインターネットがつながりづらい、湯沸かし器の性能が低いなどの不便が予測されます。賃貸はあくまでも「借りるもの」であり、貸している側の考えに設備や内装が左右されるのは大きな懸念点です。
関連記事:コロナ禍で持ち家を購入するか賃貸に住み続けるかどう判断すべき?
持ち家と賃貸、損をしないのはどちら?決め手となるポイントは4つ
持ち家と賃貸、損をしないための決め手は大きく分けて4つあります。
- 持ち家と賃貸、同じ予算で暮らした場合の違いを理解する
- 住み心地
- 住宅ローンと不動産市場の動向
- 住宅を資産にしたいか否か
まずは老後を見据えた生涯費用が、もっとも重要なポイントです。
どちらがより安く済むのか確認しましょう。
そのあとで住み心地やローンと市場の動向を見て、総合的に判断します。
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。
【持ち家が有利】同じ予算で暮らした場合の違いを理解する
まずは持ち家と賃貸において、同じ予算で暮らした場合の違いを理解しましょう。両者を比較するため、まずは持ち家にかかる生涯費用を大まかに計算します。
【持ち家の前提条件】
- 地域:東京都23区内
- 住宅価格(土地を含む):3,000万円
- 購入時年齢:30歳
- 想定居住年数:60年
- ローン年数:35年
名目 | 費用 | 備考 |
初期費用 | 150万円 | 住宅費用の5%と仮定 |
住宅ローン | 3,858万円 | 金利1.5%で計算 |
固定資産税 | 4,270万円 | 東京23区の平均年間固定資産税額21.2万円を仮定 |
リフォーム費 | 1,220万円 | 全国平均費用610.4万円×2回と仮定 |
火災保険 | 60万円 | 年間1万円で計算 |
合計 | 6,558万円 |
上記前提では、おおむね60年住むのに6,558万円の費用がかかります。
これを予算として賃貸に置き換えると月額約91,000円の費用がかかる部屋に入居することが可能です(管理費、更新料など含む)
ただし注意してほしいのは、最終的には土地や住宅が資産として残らないこと。さらに月額91,000円で持ち家と同等の間取りや設備が用意できるか疑問が残ります。
その点を考えれば賃貸で生涯住み続けるのはやや苦しいといえるでしょう。
賃貸と持ち家で1,300万円の差がつく可能性はある
よく「賃貸と持ち家では1,300万円の違いがある」と言われますが、その可能性はあるでしょう。
極端に家賃が高い賃貸物件に長らく住み続ければ、持ち家の場合と比較して少しずつ生涯費用が開いていきます。それを何年、何十年と続ければ1,300万円近い差になることもあるでしょう。
住み心地についても考えよう
持ち家か賃貸か判断するときは住み心地も重要になります。具体的には以下の点に注意しましょう。
- 最寄駅はどこか
- 病院や学校は近隣にあるか
- 子どもの遊び場は十分にあるか
- 周辺環境の治安はよいか
- 商業施設は近辺にあるか
- 職場に通勤しやすいか
仮に少々お金がかかったとしても、住み心地を優先する人もいます。
特に持ち家の場合は立地のよい場所だと価格が高くなりやすいもの。あまり現実的ではない住宅ローンの返済プランが突きつけられることもあります。
しかし賃貸かつマンションであればさほど費用をかけず、すぐれた立地を確保することも可能です。
生涯費用だけではなく住み心地についてもよく考えるようにしましょう。
住宅ローン金利の動向もチェックする
住宅ローン金利と不動産市場の動向を観察するのも重要です。
まず金利については社会情勢などで変動することを知っておきましょう。もちろん金利が高ければ返済額が大きくなり、逆であれば安くおさえることが可能です。
平均的な住宅ローンの金利は、35年ローンであれば1.5%。この水準を大きく下回っているなら、賃貸よりも持ち家の購入を急いだほうがよいでしょう。
逆に1.5%よりもはるかに高いなら、しばらくは賃貸に住みながら様子を見るのもひとつです。
なお、住宅ローンの返済額は金利が0.1%かわるだけで50万円から100万円程度費用が変わることもあります。小さな変化でも大きな影響がある点に注意してください。
関連記事:住宅ローンの選び方はどうすればいい?5つのポイントをご紹介
住宅を資産にしたいか否か
住宅を資産にしたいか否かを考えるのも重要です。
持ち家であれば住宅ローン完済後、住宅が完全に資産となります。これにこだわる場合はやはり持ち家を選択したほうがよいでしょう。
老後に住宅が資産となっていることは大きなメリットです。まず家賃の支払いなく固定資産税で住み続けられます。
子どもに譲り渡したり、売却したりといった選択肢を取ることも可能です。
なお老後を迎えるころには資産価値はなくなるという意見もありますが、土地自体の価値はそれほど大きく変動するわけではありませんし、リフォームなどを繰り返すことにより、その価値を維持する手段もあります。
持ち家と賃貸、それぞれに向いている人
本記事では持ち家と賃貸、それぞれのメリットとデメリット、そして決め手について解説しました。
上記までを参照にすれば、自身の場合どちらを購入するべきなのか判断することが可能です。
より正確に判断するため、持ち家と賃貸それぞれに「向いているのはどんな人か」という切り口で考えてみましょう。
持ち家に向いている人
持ち家に向いている人の特徴として、以下が挙げられるでしょう。
- 将来的なプランが決まっている
- 最終的には住宅を資産にしたい
- 自由度高く間取りや設備を選びたい
- ある程度広いスペースを確保したい
- 安定した雇用・収入がある
もっとも大きなポイントは将来的なプランが決まっていることです。住む場所がどこで、家族は何人か、といったことが明白なら住宅やその場所を変える必要はほぼありません。
また住宅を資産にしたい、理想的な間取りや設備を確保したい人にも持ち家はおすすめです。
つまり老後までのビジョンがはっきり見えているなら、持ち家を選んでもよいタイミングだといえるでしょう。
関連記事:持ち家を維持するために、どんな費用がかかる? 維持費の内訳や節約ポイント
賃貸に向いている人
一方で賃貸が悪いわけではありません。以下に該当する人は、持ち家よりも賃貸のほうがよいでしょう。
- 将来的なプランがまだ決まっていない
- 老後の家賃を貯蓄できる
- 住宅ローンを組むことに抵抗がある
- 内装や設備にこだわらない人
まず結婚や出産、就職などのプランがまだ決まっていないなら、いますぐ持ち家を買う必要はないでしょう。転居が必要なら、自由に動ける賃貸のほうが向いています。
ただし、将来的に住宅が資産にならないなどの大きなデメリットも目立ちます。ライフプランがはっきりしたら、いずれは持ち家をもつ方向にシフトするのが自然でしょう。
まとめ
本記事では持ち家と賃貸について詳しく解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
<持ち家と賃貸それぞれのメリットとデメリット>
持ち家 | 賃貸 | |
メリット | ☆土地と住宅が資産になる ☆ローンを完済したあとは相当楽になる ☆自由にリフォームできる ☆賃貸と比較して設備や内装のグレードが高い | ☆ 転居しやすい ☆固定資産税の支払いがない ☆リフォームなどにかかる修繕費が必要ない |
デメリット | ●居住費を下げづらい | ●家賃の支払いが一生続く ●設備や内装のグレードにはさほど期待できない |
<その他重要なポイント>
- 持ち家か賃貸か判断するうえでは生涯費用を比較することが大切
- 立地などの住み心地も考慮する
- 住宅ローンの金利が安いタイミングを狙って持ち家を買うのが重要
- 持ち家に向いているのは老後までのライフプランが明確な人
- 賃貸に向いているのはまだライフプランが明確ではない人
本記事の結論としては、賃貸よりも持ち家がおすすめです。なぜなら、土地や住宅が資産になったり自由にリフォームできたりと、賃貸にはないメリットが非常に大きいからです。
もちろん賃貸は、ライフプランが定まっていない中では頼りになるでしょう。しかし生涯費用や住み心地を考えれば、遅かれ早かれ持ち家の購入を検討するのがおすすめです。
ただし、持ち家は住宅ローンを組む以上居住費が下げづらいという注意点もあります。安定したキャッシュフローを持ったうえで、持ち家を探すようにしましょう。
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